民主労総 ゼネスト訴え街宣 学生も戦争阻止を掲げる
週刊『前進』04頁(2781号02面03)(2016/09/19)
民主労総 ゼネスト訴え街宣
学生も戦争阻止を掲げる
(写真 〝韓半島戦争危機の主犯! サード配備反対! 北韓第5次核実験糾弾!〟民主労総とパククネ打倒・戦争阻止を訴える学生【9月13日 ソウル駅前】)
韓国は9月14日から秋夕(チュソク)と呼ばれるお盆休みを迎えた。その前日、9月13日にソウル市内の駅頭で、民主労総の組合員と民衆総決起闘争本部に結集する諸団体の構成員による街頭宣伝が行われた。労働者・学生・市民が午前9時30分からソウル駅とヨンドンポ駅の二手に分かれ、故郷に帰省するため駅に集まってくる人びとの前に横断幕を広げ、パククネ政権弾劾と9月ゼネストへの支持を訴えた。
「これ以上殺させるな!」
11時からソウル駅で開かれた民主労総など6団体の記者会見では、冒頭に、この日の午前0時48分に起きた鉄道事故により死亡した2人の下請け労働者への黙祷(もくとう)が行われた。慶尚北道の西部に位置する金泉(キムチョン)市で夜間の保線作業中に、KTX(韓国高速鉄道)の特急列車にはねられて殺されたのだ。12日に韓国では史上最大規模の地震が発生し、列車が2時間半の遅れを出していた中で起きた惨事だった。日本でもそうだが、こうした事故で犠牲になるのは圧倒的に外注先・非正規職の下請け労働者だ。今年5月にも、ソウルの地下鉄で駅のホームドアを修理していた青年労働者が、入ってきた電車とホームの間に挟まれて死ぬ悲惨な事故が発生し、原因は外注化にあることが明らかになった。「これ以上、仲間を殺させるな!」の怒りの声は、韓国の全労働者の中にあふれている。
9月27日から開始されようとしている公共運輸労組の無期限ストは、この外注化・民営化・総非正規職化を実力で粉砕するストライキであり、パククネ政権との一大決戦への突入である。
財閥大資本の利害を体現するパククネ政権は、労働組合との交渉も一切拒否し、就業規則の一方的改悪によって賃金の大幅引き下げや解雇が自由にできるようにしようとしている。それをまず公共部門で政府の強権発動によって強行し、続いて全社会に強制しようというのだ。成果主義賃金の導入がその突破口となっているが、次には鉄道の分割・民営化を始め、公共部門の全面的な大民営化だ。その計画はすでに発表されている。
資本の搾取を野放しにすれば労働者は殺され、「命より金」の資本の論理の前に人間社会のもつ共同性は徹底的に破壊されて、社会は崩壊する。だが労働者が労働組合のもとに団結してゼネストで闘えば絶対に勝てる。これが民主労総の決意であり確信だ。
9月13日の街宣には、学生団体も民主労総組合員とともに参加し、戦争阻止を全力で訴えた。
北朝鮮核実験も弾劾の対象
米日韓の3国軍事同盟による北朝鮮政権の転覆を直接に狙った戦争・核戦争発動への策動がかつてなく強まり、北朝鮮・キムジョンウン政権も対抗して反人民的な核実験やミサイル開発に突っ走っている。これに対しソウル駅前では、朝鮮半島の戦争危機の「主犯」として、米日韓と北朝鮮を真正面から弾劾する訴えが行われ、「サード配備反対!」と並んで「北朝鮮核実験糾弾!」のスローガンが掲げられた。11月東京とソウルを結ぶ国際共同行動は、韓国と日本の労働者人民が団結して総決起し、戦争を実力阻止する闘いだ。民主労総ゼネストと連帯して勝利へ闘いぬこう。