動労千葉 9・13から連続指名スト 運転士の乗務緩和せよ 機関車への冷房設置を
動労千葉 9・13から連続指名スト
運転士の乗務緩和せよ
機関車への冷房設置を
動労千葉は9月13日、運転士に強いられている過酷な労働条件、とりわけディーゼル機関車に冷房も設置しないJR東日本を弾劾し、千葉運輸区の工事用臨時列車を対象に指名ストに入った。指名ストは16、27、29日にも配置され、継続的に闘われる方針だ。ストライキの意義を明らかにした9月12日付「日刊動労千葉」8160号を転載して紹介します。(編集局)
「冷房設備を整備する計画ない」「行路の分割しない」
ストライキ貫徹しよう
われわれは9月13日から、工臨488行路の指名ストライキに立ち上がる。
この闘いは、乙行路の軽減をはじめ、乗務員の労働条件全体をかけた闘いだ。
命よりコスト優先するのか!
9月8日、工臨488行路の指名ストをめぐり千葉支社と団体交渉を行った。まず組合からDLへの冷房設置について追及した。これは組合が10年以上要求してきた問題だ。しかもこの間、工臨の担当者が倒れる事態が相次いでいる。今すぐにでも対策が必要な状況なのだ。
しかし、会社の回答は「冷房設備を整備する計画はない」というものだった。メッシュ状のベストに保冷剤をつけることを「暑さ対策」としてきたが、ただの一時しのぎに過ぎない。しかも猛暑の中で、保冷剤の予備を持ち歩かなくてはならない。それ自体が新たな負担だ。
新型車両を導入するときには冷房設置を本社に要望するというが、時期の目安は2020年だという。会社は「今後も対策を検討する」というが、具体的な対策は一切出てこない状態だ。
組合からは、冷房が設置できないなら行路を2つに分割するよう要求した。乗務を短くすれば、その分負担は軽減できる。しかも臨時列車の行路なので、通常行路との兼ね合いもなく変更できる。
しかし会社は、「現段階で行路の分割はしない」「分割すればその分、作業効率が落ちる」と回答した。要員増でコストが増えるから行路を分割できないということだ。
すでに乗務員が倒れているのに、命よりコストを優先するのか! 絶対に許すことはできない。
乗務員に責任転嫁するな!
さらに千葉日報に対して千葉支社が出した「体調チェックは徹底している。睡眠時間も確保されており問題はない」というコメントについて追及した。
会社は「体調チェックは点呼時に行っている」「体調が悪ければ申告してくれ」と回答した。「申告しなかった方が悪い」という論理だ。乗務員への責任転嫁は絶対に認められないと、徹底追及した。
また、脳梗塞(のうこうそく)の場合は本人に自覚がない場合が多い。自己申告に任せれば、重大な問題につながりかねない。停止位置不良を繰り返した場合などに、真っ先に体調不良を疑って対策を行うよう管理者などに周知・徹底することを確認した。
乙行路をただちに緩和しろ!
さらに睡眠時間について、組合から「具体的に何時間確保しているのか」と追及すると、会社は「ルールの中で、必要な時間は可能な限り確保する」というだけで、まともに回答できなくなった。
会社は着発6時間を基準にしているが、入出区にかかる時間は考慮されていない。結局、3時間ほどしか寝られない場合さえある。こんな状態で明けが12時をすぎる行路が次々に増やされているのだ。
組合からの追及の中で、会社自身が「行路のバランスが悪い」「甲が短く乙がすごく長い行路がまだまだある」と認めざるを得なくなり、「次期ダイ改に向けて検討する」と回答した。
この間の闘いが会社を追い詰めてきている。行路緩和の実現、高齢者対策の実施、DL業務の労働条件確立まで全力で闘いぬこう。
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解説
工臨とは工事用臨時列車、DLとはディーゼル機関車のこと。工事用臨時列車はディーゼル機関車で運行され、機関車内の温度は真夏には42~48度にもなる。
電車運転士の労働も過酷だ。8月3日付千葉日報は、眠気によるオーバーランが続出していることを、その責任を居直る千葉支社のコメントとともに報道した。動労千葉はこの問題も追及した。
乙行路とは、泊まり勤務の場合の2日目の行路のこと。1日目の乗務が終わる駅への列車の到着時刻と、2日目の乗務が始まる駅からの列車の発車時刻は6時間以上開けることになっている。だが、到着後や発車前には列車を基地から出し入れする業務がある。これを考慮しない基準では、十分な睡眠時間は確保できない。にもかかわらずJRは、早朝から正午を超える2日目の長時間労働を運転士に強いている。