「やまゆり園」事件への声明 障害者抹殺攻撃と立ち向かう労組拠点を建設し11月集会へ 革共同相模原地区委員会
週刊『前進』04頁(2777号02面01)(2016/09/05)
「やまゆり園」事件への声明
障害者抹殺攻撃と立ち向かう労組拠点を建設し11月集会へ
革共同相模原地区委員会
7月26日の神奈川県相模原市の重度障害者施設「津久井やまゆり園」での大量殺傷事件(19人殺害、27人重軽傷)から1カ月がたちました。この大事件は「天皇ビデオメッセージ」や都知事に極右の小池百合子が就任したこと、また在特会の在日への襲撃などとひとつです。新自由主義と安倍政権の戦争政策こそ最大の元凶です。
相模原地区委員会はこの1カ月間、地域の医療・福祉の作業所と施設、教育現場を訪ね、討論し行動を開始してきました。ここでの教訓と課題は、11月労働者集会の成功の核心的路線内容であると感じています。
噴出し始めた労働者人民の人間的な怒り
第一に確認したいのは、安倍政権が8月10日、事件検証会議で「防犯強化と警備訓練」「措置入院対策」を強調し、事件の本質を押し隠そうとしていることを強く弾劾したいということです。また神奈川県警の死傷者の匿名発表ということ自体、類例のないことです。このことは被害者自身及び家族の決起で着実に破られつつあるが、障害者の存在を抹殺する許し難い攻撃であるということです。この大事件への悲しみと怒りは、労働者の中から消し去ることは断じてできません。動労千葉物販や新国鉄署名を持参しての組合分会討論で、多くの労働者の率直な怒りや「今の社会がこうした犯人をつくっているのでは」という声が聞かれました。障害者の中からも怒りや恐怖の感情とともに、「私たちも社会の一員。役に立ちたい、ともに生きたい思いがある」と、今だからこそ団結を求めてただちに行動を起こそうとする声に出会いました。1964年の創設以来、地域社会との結合を重視して運営されてきたこの施設への、全住民的な期待は確実に息づいています。2004年、県の公設民営化で指定管理者に移行されたやまゆり園を、さらに黒岩県知事は「黒岩臨調」(公共施設廃止計画)で廃業を画策してきましたが、労働者住民はこれも絶対に許しません。やまゆり園事件に対する全国・全世界の怒りの爆発はこれからです。
民営化反対と非正規職撤廃で闘う労組を
第二に確認したいのは、新自由主義の民営化・外注化に反対し、非正規職撤廃を闘う労組拠点を建設することこそ、人間的共同性を取り戻し、新自由主義の社会を変える根幹であるということです。かつて神奈川県職員労働組合のやまゆり園分会は、80年代の全金本山闘争や国鉄1047名解雇撤回闘争を取り組む「国鉄闘争100万人支援陣形」そのものでした。毎年、相模湖ダムの中国人強制連行を追悼する行事にも取り組んできました。
しかし、体制内労組幹部や日本共産党は行政改革・民営化攻撃に対して「公共サービス論」を掲げて屈服するばかりか、その先兵になり下がってきました。やまゆり園などへの指定管理者制度導入は県職員労組を破壊し、非正規職化、低賃金と無権利化をもたらしました。それは、福祉労働者が障害者に寄り添うという人間的共同性の根本を奪い、破壊してきたのです。日本共産党・全労連の「聖職論」は、資本主義を支える役割を果たしてきました。これでは資本主義社会のイデオロギーそのものである優生思想と太刀打ちできないことは明白です。
しかし、国鉄闘争の先頭で動労千葉は国鉄分割・民営化攻撃に絶対反対で闘ってきました。この闘いは現在、外注化阻止・非正規職撤廃闘争や、動労水戸の被曝労働拒否闘争として発展して勝利しています。歴史的事実を厳然と見据え、今こそ動労千葉や動労水戸のような闘う労働組合、地域拠点をつくり上げ、労働者の団結と共同性を奪い返していくことで、絶対にこの攻撃を打ち破ることができます。
労働者を生かすことも再生産することもできなくなった資本主義は終わっています。新自由主義は福祉を奪い、切り捨て、労働者民衆を生きられなくし、ついに社会全体を崩壊させるまで行き着きました。
しかし、医療・福祉や社会保障は、帝国主義が労働者階級の革命的決起に恐怖した結果であると同時に、労働者階級人民自身の闘いがかちとってきたものです。危機なのは資本主義であって、そのみすぼらしい正体がいよいよむき出しになってきたということです。労働法改悪反対闘争は、世界にゼネスト情勢をつくり出しています。99%の労働者階級には力がある。この社会をつくり出しているのは労働者です。人間が自然に、他人に働きかけ、協働して新たなものを生み出す。そこに「労働」を通した人間の共同性が生み出される。必要なのは、資本主義を倒して共産主義の社会、新しい社会を生み出していくことです。
ゼネストと国際連帯で勝利を開こう
第三に、歴史的で新たな11月労働者集会の大結集と成功へ、すべての飛躍をかけ立ち上がろう。「人類の生存を脅かす初の危機に対して、世界を守る力は今や、労働者階級の国際連帯から生まれる以外にありません」「民族・国籍・国境を越えた労働者が、日本と韓国の地で大合流して、大恐慌―大失業・貧困と戦争の世の中を根本的に変革する闘争を共に開始しましょう!」
この東京―ソウル11月国際共同行動の呼びかけは、2016年から17年、世界の労働者の進む道はゼネストと世界革命にあることを訴えています。それはやまゆり園事件への回答でもあります。参院選で開始した「新しい労働者の政党をつくろう」の旗も高く、「ゼネストと国際連帯で戦争を阻止し、人間が生き抜く社会をつくろう」と、合同労組と婦人民主クラブ全国協議会を始めとした階級的拠点を強固に建設し、現在の労働法破壊の焦点である公務員職場での拠点建設へと全力で決起します。機関紙『前進』を巨万の労働者の闘いの武器にして、党と労働組合の一体的建設でプロレタリア革命へ!ともに闘おう!