知る・考える 用語解説 国連PKO―「平和維持」に名を借り侵略
週刊『前進』02頁(2776号02面04)(2016/09/01)
知る・考える 用語解説
国連PKO―「平和維持」に名を借り侵略
PKO(平和維持活動)とは、「集団安全保障」を名目とした国連による軍事行動のひとつ。「国連の指揮管理のもとに国家間または地域勢力間の紛争を抑止し、解決を促すために多国籍軍を使用すること」などと定義される。この多国籍軍は「平和維持軍(PKF)」と呼ばれ、加盟国各自の提供で編成される。
だがその実態は、国連を牛耳る一握りの帝国主義・大国(特に米帝を筆頭とした安保理の常任理事国)が、自らの利害をかけて中東、アフリカ、東南アジアなどの内戦や地域紛争に介入し、自前の軍隊を展開してそれらの地域を制圧・支配するための手段にすぎない。そこには同時に、世界の市場・資源・勢力圏を互いに分捕りあう帝国主義間・大国間の激しい争闘戦が貫かれている。そもそもPKO派兵の口実とされる紛争や内戦も、そのほとんどは米帝を始めとした帝国主義・大国が背後から武器や資金を提供して意図的につくり出したものだ。
PKOは過去に平和を実現したことなどなく、むしろ一層の軍事衝突をもたらす火種となってきた。近年、PKO部隊による現地住民への多数の性的暴行事件が問題化したが、これはPKOの侵略的性格を示す実態の一つにすぎない。
日帝は1992年、初のPKO派兵としてカンボジアに自衛隊を派兵して以降、今日までに延べ14件のPKOに参加。現在は南スーダンPKOに派兵しており、安保戦争法に基づき、現地での戦闘への本格的参加を狙っている。