9・27韓国民主労総ゼネスト連帯 戦争阻止・労働法制改悪粉砕へ 11月国際共同行動へ前進しよう 田中康宏 動労千葉委員長が訴える
9・27韓国民主労総ゼネスト連帯
戦争阻止・労働法制改悪粉砕へ
11月国際共同行動へ前進しよう
田中康宏 動労千葉委員長が訴える
日韓労働者から全世界の労働者に向けて東京―ソウル11月国際共同行動の歴史的な招請状が発せられました(本紙2774号参照)。世界大恐慌下で朝鮮戦争の危機が迫る中、労働者の国際的団結こそ戦争を阻止し労働者階級の未来を開く力です。11月共同行動を絶対に成功させましょう。8月28日に東京で行われた11月労働者集会第2回実行委員会での田中康宏動労千葉委員長の訴えを紹介します(2面に関連記事)。韓国・民主労総は戦争と労働法改悪の阻止へ、9月第2次ゼネストの爆発に向けて不屈に闘っています。11月総決起へ、9・27民主労総ゼネスト連帯行動に決起しましょう。(編集局)
いよいよ大反撃の時だ
11月労働者集会は今年で19回目です。労働運動をよみがえらせようという困難な問題を19年間持続し継続してきた地平の上に、今年はこれまでの延長線上ではない、それをひとつ断ち切った新しい出発点にしたい。
8月15日に日本に来てくださった民主労総ソウル地域本部の組織局長と公共運輸労組のソウル本部長と議論をし、「東京―ソウル11月国際共同行動招請状」を確定しました。「世界を覆う新自由主義攻勢、......民営化攻勢、労働組合運動に対する弾圧、......東北アジアで高まっていく帝国主義戦争の危機に対して、これを粉砕するための労働者国際連帯行動を今秋11月に開催しようと思います」「民族・国籍・国境を越えた労働者が、日本と韓国の地で合流して、大恐慌―大失業・貧困と戦争から世の中を根本的に変革する闘争を共に開始しましょう!」と熱く訴えています。
11・6の東京・日比谷での労働者集会の呼びかけ文も確定しました。「私たちが国鉄闘争にこだわり続けてきたのも、国鉄分割・民営化攻撃によって一旦は打ち砕かれた労働運動を再生させたいと思う固い決意によるものです」「(国鉄闘争に勝利しぬいてきた)この地平に立っていよいよ反撃を開始します」とアピールしています。
民主労総ソウル本部から提起された国際共同行動と「国鉄分割・民営化に立ち向かい勝利してきた。だから今反撃を開始する」という、この二つが一つのものとして呼びかけられたところに、今年の11月集会の力が生まれると確信しています。
「韓日の労働者から世界の労働者同志たちへ!」の呼びかけが、この時代、情勢の中でどういう意味を持っているかを考えてきました。民主労総の仲間たちは歴史的な闘争に立ち上がっています。民主労総が昨年4月、労働法大改悪に対する第1波ゼネストに立ち上がりました。それは前途多難な闘いでした。民主労総の本部は「単に個別企業の利害じゃなくて、これからの労働者の未来がかかっている」と、足を棒にしてオルグに回り、闘いを訴えていた。この闘いが徹底的にやりぬかれる中で民主労総だけではなく農民も学生も露天商も、あらゆる人たちが支援を寄せて、そのことが民主労総自身のあり方も変えて、弾圧で指導部が獄中に捕らわれる中で闘いを断固として貫いています。これは本当に新しい歴史を切り開こうとしています。
闘争はこの秋、本丸をめぐる決戦に入ります。パククネ政権は労働改悪5法案を国会に提出することもできず、総選挙で惨敗しました。しかし、この秋から公共部門を全面的に民営化し、さらに政府のガイドラインと就業規則1本で首切りできるようにする「成果退出制」が公共部門に適用されようとしています。鉄道労組は場合によっては無期限ゼネストをも宣言して9月27日から闘いを開始します。
民主労総は8月22日から23日に政策代議員大会という臨時大会を開きました。公共運輸部門の民営化と公共運輸労組の解体攻撃にゼネストで立ち向かい、来年には最低賃金1万㌆を絶対獲得する、この過程で組織拡大し200万人を組織するという方針を決め、そのためには民主労総の組織のあり方も変革しなければいけないということも決めています。
東北アジア、朝鮮半島をめぐる戦争の危機が高まっています。韓国では米韓の大軍事演習が展開されており、安倍政権は核兵器を使用することも憲法に違反しないと言い、核兵器を持とうという極右の稲田朋美を防衛大臣に据えました。
迫り来る戦争の危機を止めなければなりません。それは国際連帯の力以外にありません。戦争が始まる前に国際的な反戦行動を組織しなければなりません。それは十数年培ってきた民主労総と僕らの連帯と団結した力があったら実現できます。ここで思い切って飛躍して、戦争を止め新自由主義を食い止めよう。こういうことが11月集会の課題になったと民主労総から教えられました。民主労総からの呼びかけに、本当に自らのこれまでのあり方を全部変えることを通して応えきらなければいけないと思っています。
今こそ労働組合が必要
次に、改憲・戦争の危機と11月労働者集会の関係についてです。安倍政権は稲田などを中心にすえた改造内閣をつくり、秋の臨時国会から憲法審査会を始める。自民党が「偏向教育」を行っている教師を密告するサイトをつくり戦前と見まがう思想統制をやるなど、具体的な戦争・改憲が進んでいる。
もう一方で新自由主義の最末期という状況のもとで社会の崩壊が起きています。それを象徴的に示したのが相模原の「やまゆり園」事件だと思います。新自由主義が垂れ流してきた思想、イデオロギーがなんだったのか。「これまでの政策は高齢化とか障害者のために若者が犠牲にされている」というものです。こういう思想が社会に蔓延(まんえん)したらこのような事件に行き着かないはずがない。現場では労働の誇りや、お互いが協力して仕事をする関係が断ち切られている。
だから今、闘う労働組合を絶対につくらなければいけない。
支配の崩壊の危機の中で、「社会は天皇のもとに一つだ」という形で天皇が前面に出てきた。そういうところまで、戦争と一体で現実が進んでいます。
改憲・戦争の攻撃と完全に一体で戦後労働法制の解体攻撃が「働き方改革」なる名のもとにしかけられています。「働き方改革」は100年、200年にわたり労働者が血を流してかちとってきたすべての権利をひっくり返す歴史的攻撃です。
国鉄闘争は現在の闘い
「正社員ゼロ、解雇自由」と言っていますが、これは解雇制限法制の規制緩和と一体です。政府内では「07年の労働契約法の成立以降は解雇規制とか解雇制限はなくなった。それがあるかのように考えてきたこと自体が間違いだ」という議論がされています。勤務地や職種を限定した正社員(限定正社員、ジョブ型正社員)にすれば職場がなくなれば自動的に解雇になる。そのことは就業規則に一方的に定められる。だから就業規則の一方的変更、万能化とワンセットです。しかも、「非正規社員を正社員にする」という建前のもとに、労契法の「5年で無期雇用転換」を利用してやる。その際に賃金は変えない。こうして時給800円、900円の正社員が生み出される。
派遣法で3年で全員解雇し、労働契約法で5年で選別無期雇用転換し、無期雇用になった時には非正規と同じ解雇自由の、非正規と同じ超低賃金の正社員となる。国鉄分割・民営化攻撃を全社会に適用しようという悪辣(あくらつ)な策動です。
国鉄分割・民営化と30年間闘ってきたわれわれだから、口先の批判じゃなくて現実の運動の批判ができる。11月集会で絶対に反撃を開始したい。
小池東京都知事は、橋下前大阪市長のブレーンとして大阪都構想をつくった上山信一を東京都改革本部の顧問に登用しました。上山は「今の日本には国鉄改革と同じスケールの〝地域分割〟と〝民営化〟が必要だ」「国鉄改革に学べ」「今の日本は当時の国鉄そっくりです」と著書に書いています。小池・上山は、国鉄分割・民営化にならい都労連を解体し、東京を丸ごと民営化する、現業を全部民営化し解体する攻撃をやろうとしています。これと安倍の「働き方改革」がワンセットです。
敵の側から見ても国鉄分割・民営化が今現在の問題として考えられています。ここで労働組合が存在価値を示さなかったら勝負になりません。
動労千葉自身も、これまでのあり方を全部ひっくり返すぐらいの思いで現場から闘いに立ち上がります。12年間の外注化阻止闘争で、少なくとも検査・修繕部門、構内運転部門では外注化が完全に行き詰まり、当局は動労千葉をつぶして外注化を一気に拡大する攻撃をしかけてきています。CTS(千葉鉄道サービス)の雇用形態改悪反対闘争も敵を追い詰めていますが、いよいよここから決戦に入ります。絶対に組織拡大を実現してみせる決意です。
新自由主義が社会をめちゃめちゃに破壊し、人間そのものが共同性とかつながりを破壊され労働が破壊されている。これをとり戻すことが今一番求められていることです。それぞれの職場から具体的な闘い、行動を開始し、その行動をもって仲間を組織しよう。
国鉄1047名解雇撤回の新10万人署名が組織化の最大の武器です。11月集会の成功のため、賛同署名と賛同金を集め、チケットを販売して全力を結集していただきたいと思います。