CTS 就業規則の改悪阻止を 「働き方改革」粉砕の最先端
週刊『前進』02頁(2774号02面02)(2016/08/25)
CTS 就業規則の改悪阻止を
「働き方改革」粉砕の最先端
(写真 4月20日、動労千葉はCTS本社前で抗議行動に立ち、就業規則改悪阻止の決意を示した )
安倍政権は「働き方改革」を掲げて正社員ゼロ化―総非正規職化に乗り出している。戦後労働法制を抜本的に解体し、労働組合の団結を破壊するこの攻撃は、まさに「第2の改憲攻撃」だ。
安倍は第3次再改造内閣発足にあたり、「最大のチャレンジは働き方改革だ」「同一労働同一賃金を実現し、非正規という言葉をこの国から一掃する」と豪語した。そして、経団連会長の榊原定征や連合会長の神津里季生らを集めた「働き方改革実現会議」なるものを開こうとしている。
11・6全国労働者総決起集会は、日韓労働者の連帯で、これに総反撃する歴史的な闘いだ。巨万の結集を実現しよう。
正社員ゼロ化たくらむ安倍
昨年9月、安倍は戦争法の制定とともに労働者派遣法の大改悪を強行した。同じ派遣労働者が、同一企業で働ける期間を3年に制限し、「3年ごとの解雇」を制度化したこの改悪は、安倍が仕掛ける戦後労働法制の抜本的解体の第一歩だ。また、12年に改悪され13年4月に施行された労働契約法第18条で、5年以上継続して働いた労働者には、無期雇用への転換権が発生することになった。この規定が効力を持つ2018年を前にして、資本は非正規労働者を一斉に解雇する攻撃に乗り出している。これとの攻防は、東北大学などの教育職場や郵政、自治体など、あらゆる職場で火を噴き始めた。その攻撃の最先端を担っているのがJRだ。
JR東日本の子会社で車両の清掃や検査修繕業務を請け負うCTS(千葉鉄道サービス)は、今春、次のような就業規則の改悪をたくらんだ。①非正規職の賃金を月給制から時給制に変更する。②非正規職の契約期間を最大5年に制限し、試験に合格した者だけを無期雇用の「限定社員」に転換する。③試験に合格しても、契約期間が無期になるだけで、時給820~920円の非正規職であることに変わりはない。④作業手当なども大幅に削減する。
しかも、CTSはこの改悪を4月1日に実施に移そうとしていた。
「修正提案」はいまだ示せず
春闘過程でこの改悪の中身をつかんだ動労千葉は、直ちにそれを暴露した。低賃金で長時間労働を強いられているCTSの労働者の激しい怒りがわき立った。動労千葉は3月、「CTSの就業規則改悪粉砕」を重要な柱の一つに、正規職の労働者が2波のストを貫徹した。こうした闘いが、就業規則改悪の4月1日実施を中止に追い込んだ。検修業務の外注化に反対し、10年にわたってそれを阻止してきた動労千葉の闘いが、正規と非正規の団結をつくり出し、資本を追い詰めたのだ。だが、その後もCTSは就業規則改悪を10月1日に強行するという姿勢をとり続けた。JR総連・東労組やCTS労組の屈服を取り付け、CTS労組組合員からも公然と上げられた怒りの声を押しつぶそうとした。だが、そのJR総連も参院選での田城郁の落選でファシスト的制圧力を急速に低下させている。
7月の動労千葉との団交で、CTSは就業規則改悪の「修正提案を示す」と表明した。制度の根幹は維持した上でのペテン的修正で、改悪を押し通すということだ。だが、現在まで「修正提案」はなされていない。CTS資本は職場の怒りに追い詰められている。
7月の動労千葉との団交で、CTSは「労働契約法に対応することはどうしても必要」「無期雇用への転換にあたって試験は実施する」と言い放った。
職場で闘って11月大結集へ
だが、無期雇用への転換を阻むため、これまで制限がなかった有期契約の反復更新の回数に制限を設ける労働条件の不利益変更は、明らかに違法だ。動労千葉のこの指摘に対しても、CTSは何の根拠もなく「違法ではない」と居直っている。ここに安倍の「働き方改革」の本質が現れている。労働組合の団結をつぶせば、違法であろうがなかろうが資本の攻撃はまかり通るということだ。だからこそ「働き方改革」との攻防は、徹底した職場での闘いで決着がつくのだ。動労千葉は、職場で団結を維持・強化・拡大する激しい組織攻防戦に突入した。
今年の11月労働者集会は、数波のゼネストでパククネ政権の労働改悪と立ち向かう韓国・民主労総ソウル地域本部と動労千葉、全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部、全国金属機械港合同が団結し、全世界の労働者に闘いを呼びかける。世界の労働者と結んで階級的労働運動をよみがえらせ、日本でのゼネストを実現しよう。CTSの就業規則改悪阻止を突破口に、安倍の「働き方改革」を打ち砕こう。