改憲・核武装の小池 都知事倒せ 安倍と手を組む極右政治家 「働き方改革」は労働者の首切り
改憲・核武装の小池 都知事倒せ
安倍と手を組む極右政治家
「働き方改革」は労働者の首切り
東京都知事に就任した小池百合子は誰よりも積極的に改憲と核武装を主張する、とんでもない極右政治家である。第3次安倍再改造内閣と手を組んで改憲・戦争へ突進し、「東京はアベノミクスの牽引(けんいん)役になるべきだ」とうたって「働き方改革」と労働運動圧殺を全国自治体の最先頭で強行しようとしている。都労連(東京都労働組合連合会)労働者が怒りの先頭に立ち、小池都知事打倒に立とう。改憲・戦争絶対反対、労働法制大改悪阻止を闘い、国鉄闘争―階級的労働運動路線で都労連を戦闘的に再生させることこそ、小池と安倍を打倒する道である。
超反動の安倍再改造内閣
世界大恐慌のさらなる激化のもとでアベノミクスが完全に破綻し、日本経済が世界最悪の危機に陥っている。この中で登場した第3次安倍再改造内閣は、革命の恐怖にかられて改憲と朝鮮戦争、核武装に突進する極右・超反動政権である。
安倍は20閣僚のうち15人を日本最大の極右団体である「日本会議」の国会議員懇談会メンバーで固めた。とりわけ防衛相に就任した稲田朋美は、日本帝国主義の侵略の歴史を賛美し、憲法9条2項の削除を主張し、「独自の核保有を国家戦略として検討すべき」(『正論』06年9月号)と発言する核武装論者だ。また、12年に「衆議院議員稲田朋美さんと道義大国を目指す会」なる極右政治家らの会合で「国民の生活が第一なんて政治は間違っている」と自論を展開したり、極右のネオナチ団体代表と撮影したツーショット写真が同団体のホームページに掲載されるなどしている。
安倍は内閣改造後の記者会見で「任期中に改憲を果たしたいと考えるのは当然だ」と語り、秋の臨時国会から衆参の憲法審査会で改憲議論をスタートさせるとしている。 また、安倍は「最大のチャレンジ」として「働き方改革」に突進することを表明した。日本帝国主義は大恐慌、国際争闘戦での敗退、生産年齢人口の減少という重大な危機に陥っている。そこからの突破をかけ、労働基準法などの戦後労働法制を解体し、正社員ゼロ・総非正規職化・首切り自由の体制をつくろうとしている。
焦点は労働基準法改悪による「高度プロフェッショナル制度」(残業代ゼロ・過労死促進法)導入、金銭解雇制導入であり、「同一労働同一賃金」を掲げて終身雇用や年功賃金制を最後的に解体・一掃することだ。さらに昨年改悪された労働者派遣法と労働契約法第18条を使ってすべての労働者を「3年」または「5年」で首を切り、スキル評価や試験で振り落とす国鉄分割・民営化型の団結破壊攻撃だ。労働法制大改悪をめぐる攻防にすべての労働者の生き死にがかかっている。
革命を恐怖し正体隠す小池
都知事・小池は安倍とともに改憲・朝鮮戦争・核武装へ突進する極右政治家だ。日本会議国会議員懇談会の副幹事長、副会長を歴任してきた。
だが、都知事選の選挙期間中はその正体をむきだしに登場できなかった。労働者の怒りに火がつくことを恐れ、自らの正体を徹底的に隠蔽(いんぺい)して「都政の透明化」「東京大改革」などを掲げた。野党共闘の屈服と破綻に助けられ、与野党への労働者の怒りをかすめとる形で都知事に押し上げられた。
しかし、選挙が終わるや否やその正体は隠しようもなくなっている。都知事就任直後の8月4日に早速安倍と会談し、笑顔で握手し安倍政権と緊密に連携することを確認した。自民党との「対抗」ポーズは、都民をぺてんにかけるふざけきった大欺瞞(ぎまん)だった。
12日の記者会見で、小池都知事は非核都市宣言について「都が宣言を行う考えはない」と述べた。核武装論者としての正体見たりだ。
また、「都知事報酬を半減する」と言って当選したが、それは同時に都労連の労働者に賃下げ、合理化を強いるということだ。しかも小池自身が石原や猪瀬、舛添や自民党と同じく金権腐敗にまみれ、スキャンダルの噴出におびえている。小池都政は始まった瞬間から脆弱(ぜいじゃく)で危機的なものなのだ。都労連労働者が団結を固めて立ち上がるならば安倍再改造内閣もろとも絶対に打倒できる。
現憲法廃止叫ぶ日本会議
安倍政権の閣僚のほとんどおよび小池都知事が深くつながる「日本会議」とは日本最大の極右組織である。今や日本会議国会議員懇談会のメンバーは衆参両院で約290人を占めている。日本会議は、97年に改憲を最大の目標として設立された。戦前の国家神道を引き継ぐ神社本庁や、生長の家など右派宗教団体が中心となってつくられた「日本を守る会」と、極右思想を共有する財界人と文化人による「日本を守る国民会議」が合流して日本会議となった。
「設立宣言」では、明治以来の「天皇を国民統合の中心と仰ぐ国柄」「国を守り社会公共に尽くす気概」を賛美する一方、「マルクシズムの誤謬(ごびゅう)」により「己の保身と愉楽だけを求める風潮」が蔓延(まんえん)し国家を溶解させているとしている。現行憲法を「日本人を腐らせる、国の腐った芯」(塚本幸一初代会長)、「みっともない憲法」(安倍)と攻撃し、その廃止と大日本帝国憲法の復活を主張する。
設立後、20年にわたり天皇崇拝と制度強化、改憲、東京裁判史観の否定、「日の丸・君が代」強制、教育基本法改悪と「教育再生」、育鵬社・自由社版教科書の普及、女系天皇を認める皇室典範改定反対、首相・天皇の靖国神社公式参拝の実現、尖閣列島防衛、外国人参政権反対などの国家主義的・排外主義的な活動を展開してきた。革命と共産主義への恐怖と対抗を動力とした、反革命運動である。
今日、「安倍政権で改憲がなされないならもう後がない」として、安倍政権にすべてをかけて、改憲への焦りにかられた動きを強めている。天皇制とともに、この日本会議が階級闘争の前面に引きずり出されてきた。階級的労働運動の力で改憲と天皇制強化の攻撃を打ち破り、日本会議の跳梁(ちょうりょう)をたたきつぶそう。
都労連圧殺狙う小池にストライキで大反撃を
野田と上山が秘書や顧問に
8月2日に都庁に初登庁した小池都知事は「都政改革本部を創設する」と述べ、政務担当特別秘書に札付きの右翼である元都議の野田数(かずさ)を起用した。
野田は12年に自民党を離脱し、大阪維新の会と連携する「東京維新の会」を結成したが、その直後に国会議員の「尖閣視察団」に都議では1人だけ参加した。また同年10月には都議会で「占領憲法(現行の日本国憲法)が無効であることを確認し、大日本帝国憲法が現存する」という決議を求めた請願に賛成した。請願書は「我々臣民としては、国民主権といふ傲慢(ごうまん)な思想を直ちに放棄」して、都議会が現行憲法の無効と大日本帝国憲法の現存を確認する決議を上げることを求めている。
小池は自らと同じ極右思想を持つ野田を腹心に抜擢(ばってき)し、大阪維新の橋下的な手法をもって都労連の圧殺に手をかけようとしている。
さらに12日の記者会見では、「都政改革本部」のメンバーに大阪府・大阪市特別顧問の上山(うえやま)信一慶応大教授ら5人を任命すると発表した。上山は大阪府知事・橋下徹のブレーンとして「大阪都構想」を推し進め、地下鉄、バス、ごみ収集、上下水道などの民営化と首切り、労働組合破壊を主張してきた究極の新自由主義者である。
だが、すでに大阪の労働者の橋下打倒の闘いで「大阪都構想」は粉砕され、ボロボロに破産している。体制内労組幹部の屈服を突き破り、現場から絶対反対を貫き、一切を団結権をめぐる攻防として闘えば勝てる。
安全破壊の合理化許すな
小池は「満員電車ゼロ」を公約の一つに掲げたが、その原案は交通コンサルティング会社・ライトレールの阿部等社長によるものだ。阿部は国鉄分割・民営化直後の88年にJR東日本に入社しJR福知山線脱線事故の起こった05年にライトレールを創業している。この阿部は「輸送力向上のため」、目視による安全点検や確認のための時間は無駄だと断じ、「青信号と同時の出発」「青信号になる25秒前に発車ベルを鳴らせば、青信号と同時に出発できます」「ドアが閉まると同時の出発」(東洋経済オンライン)など、運転間隔を短くして運行するすさまじい安全破壊の施策を提案している。そして小池都政のもとでこれらは「実現のチャンス大」と調子づいている。
こんなことをやれば労働者も乗客も大事故によって命を奪われる。絶対に許してはならない。
絶対反対で闘えば勝てる
小池は03年に雑誌『Voice』(PHP研究所)紙上で田久保忠衛(日本会議会長)、西岡力(東京基督教大学教授)と鼎談(ていだん)し、その中で、「軍事上、外交上の判断において、核武装の選択肢は十分ありうる」「核武装のニュアンスが漂うような発言をしただけで、安倍晋三官房副長官も言論封殺に遭ってしまった。このあたりで、現実的議論ができるような国会にしないといけません」と述べている。
つまり、「日本の核兵器保有を国会で現実的に議論せよ」と主張しているのである。これに続けた西岡の「日本がアメリカの核の傘に入ることを望むのであれば、核ミサイルを東京に持ってきてもらうのがベストです」との発言に賛意を示し、「この座談会、北朝鮮側に読ませたくないですね(笑)。手の内がわかってしまうので」とはしゃいでいる。
また、2010年には朝鮮学校の高校無償化に反対するとともに「反日教育を進めている北教組の傘下にある北海道の高校も同類」と自身のツイッターに書き込み、北海道の高校無償化にも反対を唱えた。民族差別と排外主義をあおり、教組の闘いを徹底的に敵視する人物である。在日朝鮮人への襲撃とヘイトデモを繰り返す「在日特権を許さない市民の会(在特会)」を支援し、極右政党の幸福実現党から選挙支援も受けてきた。この小池都知事に対し、東京―全国の労働者が真っ向から闘いに立つ時だ。
ストライキが最大の武器だ
小池都知事を打倒する力は、都労連労働者のストライキにある。
都労連のストはかつて石原都知事を震え上がらせた。99年4月、ファシスト石原が都知事に就任し、向こう3年にわたる都職員全員の賃金4%削減の攻撃を打ち出した。これに対し、都労連は11月に2波のストを配置し不退転の反撃に立った。石原は第2波スト直前に財政危機の原因と責任を認め、労組に謝罪するところまで追い込まれた。
都庁も水道も清掃も地下鉄・バスも学校も、現場を動かしているのは全部労働者だ。労働者の誇りと団結をストライキで奪い返そう。
改憲と核武装をあおり、「働き方改革」で首切り・賃下げ・総非正規職化を強行し、民営化・労組破壊に突き進む安倍・小池はすべての労働者の敵である。小池都知事に屈服する体制内労組幹部を打ち倒し、国鉄闘争を軸に労働組合を階級的に再生させることが勝利の鍵だ。首都―全国の労働者の怒りの総決起で労働法制大改悪と改憲を阻止し、安倍もろとも小池都知事を打倒しよう。