知る・考える 用語解説 人事評価制度-分断と解雇・賃下げの道具

週刊『前進』02頁(2768号02面06)(2016/07/28)


知る・考える 用語解説
 人事評価制度-分断と解雇・賃下げの道具


 新自由主義による労働者への攻撃の主要な道具のひとつ。労働者を「能力や成果、勤務態度などの評価」で分断し、解雇や賃下げを自由に行う口実とする。「働き方改革」の攻撃と一体であり、「限定正社員」の導入に際してもこの制度が多用されようとしている。
 人事評価制度は「頑張った者が報われるようにする制度だ」と宣伝されるが大うそだ。労働とは本来、社会的な共同の作業として行われるものであり、労働者個々人を切り離して優劣をつけることなどできない。資本や当局は労働者の能力や成果を得手勝手に判定して差をつけることで分断し屈服させ、競争に駆り立ていがみあうように仕向ける。労働者の団結を破壊して抵抗する力を奪い、職場を思いのままに支配することを狙う。
 大阪維新の会・橋下徹による「2年連続の最低評価で解雇」とする大阪府・市の職員基本条例制定に続いて、安倍政権は地方公務員法を改悪し、人事評価で賃下げも解雇も可能とする制度の導入を自治体に義務付けた。これを水路に社会全体に広げようとしている。
 連合や全労連は「公平・公正な良い評価制度にする」と強弁して資本や当局の攻撃に協力し推進する側に回っている。それ自体が労働組合としての自殺行為だ。しかしそうした裏切りを突き破ってJRや郵政、自治体、学校職場を始めとして、労働組合の団結をかけた人事評価制度粉砕の闘いが外注化阻止・非正規職撤廃と一体で繰り広げられている。
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