東京で被曝労働拒否を NAZEN東京集会 動労水戸が講演

週刊『前進』02頁(2768号01面02)(2016/07/28)


東京で被曝労働拒否を
 NAZEN東京集会
 動労水戸が講演

(写真 8・6広島―8・9長崎闘争へ東京集会【7月22日 江戸川】)


 7月22日、江戸川区総合文化センターで、NAZEN東京主催の「被曝労働反対の運動を東京から」を掲げた集会が開かれた。120人の結集で、東京での被曝労働拒否闘争を決意し宣言する場となった。
 司会は東京東部の自治体の女性労働者。まず映画「A2―B―C」が上映された。3・11直後から福島に入って撮ったこのドキュメンタリー映画は、放射線被曝がどれほど子どもの健康と精神を傷つけるか、見る者に衝撃を与える。福島の現実を生々しく伝える貴重な映画であり、上映運動を広げることの大切さが多くの人に伝えられた。

運行再開にスト

 集会のメインは、被曝労働拒否を闘っている動労水戸の石井真一委員長の講演と質疑応答だ。
 7月12日、南相馬市の避難指示解除に合わせた常磐線・小高―原ノ町駅間の運行再開に対し、動労水戸がストライキで闘い、沿線住民の支持を得たことが報告された。また、動労福島、動労東京が同時決起し、帰還強制反対・被曝労働拒否が拡大したことを指摘し、「動労総連合を作って良かった。労働運動が決定要因だ」と力説した。
 さらに、動労水戸の歴史を振り返りながら、なぜ動労水戸が被曝労働拒否で闘う組合になったのかを語った。ふくしま共同診療所の医師などを招いて被曝に関する学習会を重ね、「国策に対し大変だと思わないで、職場で闘えば負けないとつかんできた」「鉄道労働者の問題だけでなく、福島・全国の労働者全体と住民の問題として闘ってきた」。被曝労働拒否の闘いは、改憲と戦争動員に反対する闘いでもある。資本や東労組は〝闘ってもだめだ〟と洗脳するが、「1人の労働者の決起に職場と社会を変える力がある」と、普遍的教訓に冨んだ内容が語られた。こういう動労水戸のような原則を貫けば、もっと多くの労働組合が被曝労働拒否に必ず決起できる。

拠点職場建設を

 これを受け、NAZEN東京代表で江戸川区職労の佐藤賢一さんが決意を述べた。とくに、避難者の住宅追い出しに自治体労働者が加担させられている現実を弾劾し、「安全・健康のために自治体労働者として帰還させるわけにはいかない、と闘う時が来ている」と訴えた。さらに、避難者切り捨て・圧殺は、朝鮮侵略戦争の準備、自治体切り捨てと一体であり、「被曝労働拒否から全国ゼネストへ」と訴えた。
 また、放射能汚染土の再利用は全労働者の被曝となること、東京五輪施設をつくる東京湾岸は高汚染地域であることを怒りをもって暴き、「一人では闘えません。闘う労働組合がいります、拠点がいります」「時代は闘う労働者の時代です」と熱烈に呼びかけた。
 最後にNAZEN事務局長の織田陽介さんが、まとめと行動提起をした。原発再稼働情勢に触れながら、動労総連合とともに常磐線延伸を止める闘いに東京から立ち上がる意義を強調した。
 さらに、「20㍉シーベルトで帰還しろ、8000ベクレルの汚染土も使え、という国家」を徹底断罪し、「被曝の問題を労働者に訴えよう」、そのために「労働者の運動として汚染調査などにも取り組もう。そして8・6広島―8・9長崎闘争に決起しよう」と訴えた。
 動労水戸から始まった被曝労働拒否の闘いは、動労福島、舞鶴と愛媛の自治体労働者へと拡大した。7・22集会は、東京でこそ被曝労働拒否を闘い、反原発闘争を発展させる出発点となった。

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