京都大反戦バリストを闘った4学生への無期停学処分弾劾 処分粉砕・改憲阻止の第2波ストを
京都大反戦バリストを闘った4学生への無期停学処分弾劾
処分粉砕・改憲阻止の第2波ストを
7月12日、京都大学当局=山極寿一総長体制は、京大全学自治会同学会の作部羊平委員長ほか3人の京大生に「無期停学」処分を下しました。彼らは昨年10月27日の京大反戦バリストを実現し、日本の反戦運動の最先頭で闘ってきた学生です。処分は反戦ストへの恐怖に満ちた「報復」であり、改憲・戦争へ向かう安倍政権による国家意思そのものです。絶対に許すことはできない! マル学同京大支部は団結してこの攻撃をはね返し、「処分粉砕―改憲阻止」の今秋第2波反戦ストの実現へ闘います。全国の仲間に、処分撤回の大運動へのご支援を訴えます。
戦争と改憲を止めるストだ
4学生の処分撤回闘争は、安倍の改憲・戦争を止めるための闘いです。この処分決定は、7月10日の参院選開票直後に下されました。安倍政権は参院選中にはほとんど口にできなかった改憲について、選挙が終わるやいなや「今秋にも国会憲法審査会での議論を開始する」と息巻いています。「改憲絶対阻止!」で日本労働者人民が根底的決起を開始すること、その最先端で学生がキャンパスから反戦ストライキに立ち上がることだけは絶対にやらせないという、安倍政権中枢の意を受けた攻撃です。
改憲・戦争絶対阻止の闘いの中でこそ、「本物」と「ニセモノ」がくっきりと分岐します。参院選では表向きは「戦争反対」を掲げる党派はいくらでもいます。しかし、すでに全世界的な戦争情勢が激しく進む中、そして朝鮮侵略戦争が切迫する中、労働者人民が問題にしているのは「誰が戦争に反対しているか」ではなく「どうやって戦争を止めるのか」です。同学会執行部は「ストライキと国際連帯で戦争をとめよう」と訴える鈴木たつお候補とともに闘い、1万6187票を獲得しました。戦争を止める力は国境を越えた労働者人民の闘いにある、昨年の京大反戦バリストこそその実践でした。
昨年の京大反戦バリストは9月19日の安倍政権による安保戦争法強行採決への渾身(こんしん)の反撃でした。また、トルコの仲間が10・10アンカラ爆弾テロ攻撃に対してエルドアン政権打倒の決死の闘いに立ち上がったことに連帯するものでした。さらに、韓国・民主労総の11月民衆総蜂起に日本の地から学生がどう応えるのかの結論でした。国会前の反戦のうねりを「現実に戦争を止める力」へ、私たち自身が展望を切り開く決意で闘いました。
日々、このバリストで示した路線が正しかったと確信できる情勢が進んでいます。フランスの仲間は、国内でのテロを受けての非常事態宣言を打ち破り、オランド政権打倒のゼネストに立ち上がりました。イギリスで、国民投票での「EU離脱決定」という形で怒りがたたきつけられました。ブラジルでもオリンピックへの怒りが爆発しています。各国の戦争政府を労働者人民の力で打ち倒す。これが戦争を止める道です。その現実性は私たちの目の前にあります。反戦スト弾圧粉砕こそ、改憲・戦争を阻止する道です。
大学・学生の未来取り戻す
処分撤回闘争は、大学・学生の未来を取り戻す闘いです。京大当局は今年2〜3月、バリストに関わったとして全学連6学生を京都府警に逮捕させました。しかし、不当逮捕に怒って京大生が立ち上がり、全国の仲間がこれに応え、不起訴釈放をかちとりました。この大勝利の上に、同学会執行部は4月新歓で真っ向から第2波ストライキを訴えてきました。
大学当局は必死に反動的な宣伝を行いました。「同学会は非公認」なる総長名での告示を連発し「バリストは不起訴だったが無罪ではない」などと書き立てました。毎月開催の情報公開連絡会も廃止し、学生の追及からひたすら逃げ続けてきました。にもかかわらず、6月の同学会執行部選挙では第2波ストの実現を掲げた新執行部が信任されました。処分は、この闘いに追い詰められた京大当局の最後の手段です。「無期停学」とは、大学構内での学生運動を無期限禁止するものです。すでに職員十数人が動員されて同学会の活動を妨害しに来ています。しかし、当該4人を含む執行部と京大生は一歩も引かず闘っています。その姿に多くの京大生が注目しています。大学の主人公は学生であり、大学は学生のものです。
戦争翼賛大学を覆す闘いを
今回の処分は京大が「戦争を進める大学」に大きく転換したことを示しています。京大は松本紘前総長から「国際戦略強化」を掲げ、日帝資本の侵略の片棒を担いできました。つまり「安保政策と、安倍がたびたび『成長戦略の要』と発言している『グローバル人材育成』の交錯点にあるのが鉄道・原発・武器をはじめとしたパッケージ・システム輸出だ。インフラを海外に売り込み、労働者の闘いを弾圧するための『グローバル人材』の育成拠点として大学が位置づけられている」(14年5月19日京大支部アピール)のです。
バングラデシュ・ダッカのレストラン襲撃事件で殺害された日本人労働者に明日の京大生の姿があります。「グローバルリーダー」と持ち上げられ、海外侵略の現場へ赴任させられ殺される。
「テロ」で殺されるだけではありません。「入社3年目の男性(当時26歳)は11年9月に約2週間のインド出張」「約10日後、工場の塗料槽が故障するなどトラブルが続き、現地スタッフを巻き込む大規模なストライキが発生。対応に追われた男性は、宿舎の自室で命を絶った」(7月16日付毎日新聞)
昨日まで学生だった労働者が、明日には海外で資本に殺される。なお無責任に「国際高等教育」「グローバル人材」「英語教育」とあおり立てる京都大学は、もはや率先して戦地に学生を送り出す戦争翼賛大学そのものです。こうした授業に単位をつけて権威化し、学生を縛り、他方で高い学費でバイト苦に追い込む。耐えきれない学生は絶望し、病気を抱えて大学を去る。公然と反発する学生は処分でたたき出す。殺されているのは戦場の兵士だけではなく、大学から追い立てられているのは被処分者だけではありません。大学のあり方総体を根本から覆し腐りきった資本主義社会を根底的に粉砕して革命することが必要です。
4学生の処分撤回にすべての学生・大学の未来がかかっています。これ以上、仲間が大学を追われ、職場で殺されるのを黙って見ていることはできない! 怒りを力にかえましょう。団結の力を示す第2波反戦ストを必ず実現しましょう!
〔マルクス主義学生同盟中核派・京大支部〕