都知事選 都の労働運動に敵対する3候補ぶっ飛ばし闘おう
週刊『前進』02頁(2766号01面02)(2016/07/21)
都知事選
都の労働運動に敵対する3候補ぶっ飛ばし闘おう
舛添無罪放免で募る人民の怒り
東京都知事選が14日に始まった(投開票日は31日)。自公と連合東京が推薦した舛添要一が公金私的流用、巨額海外出張費などの問題で労働者人民の怒りを買い、在職2年余りで辞職に追い込まれた。その上で退職金2200万円と夏季手当380万円まで持ち去った舛添に労働者人民の怒りは心頭に発している。どこまで無責任でせこく腐った人間なのか。この舛添を徹底的に追及せず無罪放免にした都議会にも、労働者人民は怒りを募らせている。与野党は歴代知事に屈服し、あるいはなれ合い、都議会で「おしゃべり」さえしなくなっているのだ。逆に与野党とも舛添の腐敗と汚職(その根っこは極右・石原慎太郎元知事だ)を追及すれば、それを容認してきた自らに火の粉が飛んでくることを恐れるあまり辞職でお茶を濁し、参院選に乗り移った。
だが舛添を引きずり降ろしたのは都議会やその与野党ではなく労働者人民の怒りだ。石原、猪瀬直樹、舛添らの都政や小渕政権に始まる自公政権、民主党政権、とりわけ安倍政権の強権的な新自由主義攻撃、戦争政治、改憲策動への労働者人民と都の公務員労働者、都労連組合員の怒りは、その一端が参院選での鈴木達夫氏への1万6187票として表された。本格的な爆発は、大恐慌の深化と朝鮮戦争―世界戦争危機、日帝・安倍政権の危機激化のもとで起ころうとしている。
戦争・改憲、労働法制改悪の先兵
都知事選で安倍政権与党の自公が推す増田寛也元総務相・元岩手県知事は、民営化・外注化・首切り合理化・総非正規職化・労組破壊・社会保障破壊の新自由主義攻撃の先兵だ。14年に「896自治体消滅」の増田レポートを出し、新たな自治体民営化・外注化、非正規職化・労組破壊を提唱した。この東京都版を推進することが自公から期待されている。増田が強調する「待機児童解消プログラム」は保育園民営化・株式会社化、総非正規職化、低賃金・過重労働強制、安全破壊、労組破壊の政策だ。増田も戦争・改憲派だ。利権に群がる自公のもとで東京オリンピックの巨大化は不可避だ。さらに増田=自公は原発推進である。東京都とりわけオリンピック会場の放射能汚染を放置し職員、都民、選手らに被曝を強制しようとしている。
自民都連の承認を得られなかった自民党の小池百合子元防衛相は根っからの改憲・戦争派であり、東京でのアベノミクス推進や東京を金融都市にするなどと強調している。民営化・労働法制改悪、首切り・低賃金化、労組破壊、社会保障破壊を強行しようとしている。都政を透明にすると言うが、支配階級内部で利権争いをしていることの表現でしかない。
東京に労働組合拠点建設しよう
元毎日新聞記者・ジャーナリストの鳥越俊太郎は、立候補をとりやめた宇都宮健児の政策を取り入れると言っており、民進党が中心となって担ぎ上げた野党共闘の候補である。民進、共産、社民、生活の4野党とも安倍政権の集団的自衛権行使容認と安保法制強行に反対しつつ個別的自衛権、専守防衛論、日米安保・自衛隊を容認・推進する戦争勢力だ。安倍政権下での改憲と集団的自衛権行使に反対しているだけで、戦争・改憲絶対反対ではない。また非正規職の待遇改善、格差是正をうたうが、民営化・外注化反対でもなく非正規職撤廃の立場でもない。鳥越は「コンパクトなオリンピック」を主張するが「返上」ではない。「できるだけ原発をなくしていく方向にしたい」と、段階的な脱原発を打ち出した。全原発即時廃炉・再稼働反対ではないのだ。
「介護や少子化対策、福祉にお金を回すと経済が回る」とケインズ政策(予防反革命)への幻想を振りまく。野党共闘には職場生産点での労働者の闘いに敵対し、労働組合運動、都労連を屈服させ解体・圧殺しようとしているのだ。
他の18人の候補もすべて体制内派だ。3候補もろともぶっ飛ばして階級的労働運動の拠点を東京に幾つもつくり出し、それらを基盤に新しい労働者の政党をつくることこそ労働者人民の課題だ。国鉄決戦を基軸として、労働法制大改悪と闘い労組拠点をつくり出そう。