三里塚耕作権裁判 千葉地裁へ怒りのデモ NAAの違法を全面暴露

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週刊『前進』04頁(2765号04面03)(2016/07/18)


三里塚耕作権裁判
 千葉地裁へ怒りのデモ
 NAAの違法を全面暴露

(写真 「耕す者に権利あり」と市東さんを先頭にデモ【7月11日 千葉市】)


 7月11日、千葉地裁民事第2部(内田博久裁判長)で市東孝雄さんの耕作権裁判の弁論が開かれた。三里塚芝山連合空港反対同盟と顧問弁護団、支援の労農学市民125人は、農地取り上げ攻撃への怒りも新たにこの日の闘いに臨んだ。
 午前9時、千葉中央公園に結集し、太郎良陽一さんの司会で集会が始まった。最初に東峰の萩原富夫さんが「参院選で自公与党が3分の2勢力を形成したが、これと対決し三里塚から社会を変えよう」と呼びかけた。
 続いて動労千葉の田中康宏委員長が発言し、「昨日の選挙の結果を見て、闘う労働組合をよみがえらせる決意を新たにした。反対同盟と動労千葉が築いた労農連帯の力を発揮し、労働法制改悪と戦争の攻撃に立ち向かう時だ」と訴えた。
 関西実行委、市東さんの農地取り上げに反対する会、顧問弁護団の発言を受け、シュプレヒコールを上げて炎天下の千葉地裁へ向けデモが出発した。宣伝カーからは婦人行動隊・宮本麻子さんの「空港会社の訴えを棄却せよ!」のコールが響いた。地裁前では参加者の怒りの声が高まった。

訴訟を棄却せよ

 午前10時30分、約70の傍聴席を満席にして開廷。耕作権裁判が重要局面を迎える中、危機感を燃やした国家権力中枢が送り込んできたのが、8年の検事歴を持つ内田新裁判長だ。更新手続きとして、顧問弁護団の総決起で成田空港会社(NAA)の違法を全面的に暴く意見陳述が行われた。
 NAAは天神峰の市東孝雄さんが耕す南台(みなみだい)農地の一部を「不法耕作」と決めつけ、明け渡しを求めて06年に提訴した。祖父の代から百年耕す農地を受け継いだ市東さんを、「空港の土地を無断で耕作する男」としてマスコミに宣伝させた。なんという侮辱か!
 だがそもそも畑の位置特定がデタラメだ。NAAは、故市東東市さん(孝雄さんの父)と旧地主が交わしたとされる「同意書」「境界確認書」と添付図面を唯一の証拠としているが、この文書は偽造されたものだった。鑑定の結果、東市さんの署名も偽造と判明。証拠価値はゼロだ。
 旧地主は耕作状況を把握せずに買収交渉に応じ、空港公団(NAAの前身)の主導でずさんな書面・図面がデッチあげられたのだ。
 市東さんが耕す土地すべてに揺るぎない耕作権がある。NAAは転用目的で農地取得したと主張するが、具体的な転用計画・見通しなど存在せず、17年も市東家が耕作し続けることを黙認してきた。明らかに農地法第5条違反だ。
 NAAは自らの違法・脱法の露呈を恐れ、買収交渉に関連する報告書などの文書を隠し続けている。裁判所による「文書提出命令」が確定した今も、提出を拒んでいる。NAAの訴訟は直ちに棄却されるべきである。
 1時間半の弁護団の確信に満ちた主張が法廷を圧倒した。NAA代理人は意気消沈している。

9・7最高裁へ

 次回期日を10月17日として閉廷した後、近くの会場で報告集会が伊藤信晴さんの司会で開かれた。最初に市東さんがあいさつに立ち、「裁判長は、訴訟進行をやりやすくして時期をうかがっているという感じで、許しがたい。今後も傍聴をお願いします」と訴えた。
 葉山岳夫弁護士を始め弁護団が重要ポイントを解説し、農地法裁判上告審と一体で勝利する決意と展望を語った。支援団体の連帯発言として、斎藤郁真全学連委員長が、参議院選挙戦の奮闘を報告し、「日本社会を変えるまでわれわれの挑戦は続く」と決意を述べた。
 最後に萩原富夫さんが、7・3三里塚50周年東京集会の成功の意義を述べ、行動方針として9月7日の農地強奪を許さない最高裁への第3次署名提出とデモへの結集を呼びかけた。

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三里塚裁判日程
第3誘導路裁判
 7月19日(火)午前10時30分開廷 千葉地裁
団結街道裁判
 8月5日(金)午前10時30分開廷 千葉地裁
(傍聴券抽選のため30分前に集合)

戦争反対! 改憲・労組破壊の安倍打倒! 関空の軍事使用反対!
関西空港反対7・24全国集会
 7月24日(日)午後1時集合、1時30分開会
 (集会後、デモ)
 泉佐野市末広公園コミュニティひろば
 主催 関西新空港絶対反対泉州住民の会 関西労働組合交流センター

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