知る・考える 用語解説 「働き方改革」―戦後労働法制解体の大攻撃
週刊『前進』02頁(2764号02面05)(2016/07/14)
知る・考える 用語解説
「働き方改革」―戦後労働法制解体の大攻撃
安倍政権が大恐慌下での日帝大資本の生き残りをかけ、労働者への搾取を極限的に強めるために打ち出した攻撃。戦後労働法制のもとでの雇用や賃金制度を全面解体し、労働者階級が血と汗の闘いでもぎとった諸権利をすべて奪い、労働基本権と労働組合の破壊をも狙う。憲法9条の破棄と並ぶ今ひとつの改憲攻撃だ。
「同一労働同一賃金」を掲げたその攻撃の柱は、正規職の雇用・労働条件を破壊して全労働者を非正規職の水準に突き落とすことにある。資本の無制限の搾取から労働者の命と生活をぎりぎり守るために設けられてきた規制をすべて撤廃し、解雇の自由化や8時間労働制の解体を始め、雇用と賃金、労働のあり方を資本が好き勝手に変えて労働者に強制できる仕組みをつくり出す。成果主義賃金への転換により、賃金を労働者の最低限の生活保障とする考え方自体を否定し、食べていけない水準にまで賃金を切り下げることをも可能にする。
1980年代以来の新自由主義は、膨大な労働者を非正規雇用と貧困にたたき込み、子どもを生み育てることもできない状態をつくり出してきた。「働き方改革」は、この現状を改善したり長時間労働を是正するものではまったくなく、逆にそれを極限まで推し進める。安倍や経団連が言う女性・高齢者・障害者などの「多様な人材の活躍」とは、資本にとってより安価で使い捨て可能な搾取材料にするということだ。行き着く先は社会全体の崩壊であり、絶対阻止以外にない。