耕作権裁判 市東さんの農地守ろう 窮地のNAA追い詰めろ
週刊『前進』04頁(2761号04面04)(2016/07/04)
耕作権裁判
市東さんの農地守ろう
窮地のNAA追い詰めろ
(写真 3・27三里塚全国集会をかちとった後の成田ニュータウンでのデモ )
耕作権裁判は、天神峰の市東孝雄さんが耕す南台農地の一部を、NAAが「不法耕作」と決めつけて明け渡しを求めて06年に提訴したものである。NAAは現在最高裁に係属する「農地法裁判」(賃貸借契約を解除し土地明け渡しを請求)に先立ってこの耕作権裁判を起こし、マスコミで市東さんを「空港の土地を無断で耕作している男」と宣伝させたのだ。
何が「不法」か! NAAの卑劣な攻撃を絶対に許すことはできない。市東さんが耕す耕作地すべてに、正当な耕作権が存在するのだ。
市東さんは心底からの怒りに燃えて法廷に臨んだ。
裁判が始まると、NAAが数々の違法・脱法に手を染めていた事実が法廷で明らかにされた。
空港公団(NAAの前身)は旧地主から底地を買ったというが、耕作者である市東家に無断で秘密裏に買い取ることは悪質な農地法違反であり、無効だ。NAAが地主の顔をして市東さんに立ち退きを求める資格はまったくない。しかも賃借地の位置、境界線の特定がデタラメ。したがって「不法耕作」という決めつけも根拠がない。
それどころか、NAA側が唯一「証拠」として出してきた「同意書」「境界確認書」は、添付図面を含め、偽造されたものと明らかになった。
そして決定的なことに、旧地主との買収交渉に関連する記録・報告書などについて、裁判所から「文書提出命令」が出されたにもかかわらず、NAAは「見つからない」「担当者が死んだので分からない」などとシラを切り、提出を拒んだ。2年にわたる攻防の末に、14年7月に「文書提出命令」が確定した。
NAAが命令を無視し提出を拒否し続ける以上、裁判所は当然にも市東さんの主張を正しいと認めなければならない。このように、市東さん側が圧倒的に主導権を握って闘われてきた。
現状に危機感を燃やした国家権力中枢は、〝逆転〟を狙って千葉地裁民事第2部に内田裁判長を送り込んできたのである。この策動を断固粉砕し、50年の歴史を担う反対同盟の「農地死守」の気概を示す時だ。NAAを一層の窮地に追いつめ、さらに耕作権裁判と不可分一体の農地法裁判上告審の勝利の道を切り開こう。
参議院選投票の翌日、疲れも見せず午前9時に千葉市中央公園に駆けつけ、千葉市内デモに立ち上がろう。10時30分開廷の耕作権裁判を傍聴しよう。
(田宮龍一)