動労千葉定期委員会 〝運転士の誇りかけ〟 運転保安確立へ新たな方針
週刊『前進』04頁(2761号02面04)(2016/07/04)
動労千葉定期委員会
〝運転士の誇りかけ〟
運転保安確立へ新たな方針
(写真 各委員から背面監視など締め付け強化に対する激しい怒りが噴出した【6月26日 DC会館】)
激動情勢見すえ
動労千葉は6月26日、DC会館で第75回定期委員会を開いた。参院選とイギリスのEU離脱への動きという大激動のただ中で、動労千葉は反合理化・運転保安闘争路線をあらためて確認し、新たな方針を確立した。開会を宣言した長田敏之執行委員は、歴史が大きく動く中で、労働運動の復権へ闘うための方針確立を訴えた。
田中康宏委員長があいさつに立ち、まず「われわれは歴史の転換点にいる。イギリスのEU離脱は戦争と社会の全面崩壊の引き金を引く。安倍は参院選後の改憲を狙っている。動労千葉弁護団の鈴木たつお先生の闘いは重要だ。改憲に立ち向かう労働運動の力を取り戻そう。国鉄分割・民営化と首をかけて闘い団結を守ってきた30年の経験は、そのために絶対に必要だ」と提起した。
さらに、「分割・民営化は全面崩壊した」と喝破した上で、方針の第一として反合・運転保安闘争の強化を訴えた。JRでは外注化による事故が絶えないだけでなく、運転士への背面監視や締め付けが強化され、乗客をあおって「運転士が居眠りしていた」「スマホを操作していた」などのキャンペーンが行われている。田中委員長は「分割・民営化前と同じような雰囲気だ。会社は国鉄採用者が退職した後の労務政策を考えて、労働組合の全面解体を狙っている」と攻撃の本質を明らかにし、「いつでもストに入れる体制を構築し、徹底反撃を」と訴えた。
方針の第二として、動労千葉の外注化反対闘争に追い詰められたJRが幕張車両センターに東労組千葉地本の専従役員だったカクマル分子をエルダー社員として送り込もうとしていることを弾劾し、組織破壊攻撃との徹底対決を打ち出した。
方針の第三として、本格的な大量退職が始まる中でエルダー制度が全面破綻している現実を突き出しつつ、繁沢敬一副委員長に対し本人希望を無視して錦糸町駅を再雇用先として示した会社の攻撃への総反撃を訴えた。
方針の第四として、CTS(千葉鉄道サービス)が10月1日実施を狙う就業規則改悪を、全労働者の未来をかけて阻止しようと強調した。
また、1047名解雇撤回へ新署名を10万筆を超えて達成しようと呼びかけ、「6・5集会で国鉄闘争を断固継続すると訴えた。動労千葉がどの道を進むかにより時代は決まる。戦争と労働者の権利破壊を阻止しよう。そのためにも組織拡大の実現を」と力説した。
動労千葉を支援する会の山本弘行事務局長があいさつし、「支援する会は7月23日の総会で動労千葉に応える決戦方針を確立する」と表明した。
繁沢副委員長が経過を、佐藤正和執行委員が情勢を、大竹哲治副委員長がJRをめぐる動きを、川崎昌浩書記長が当面する取り組みを提起した。
恒常的スト態勢
討論では、千葉機関区支部の委員がJR貨物の夏季手当1・5カ月分という超低額回答と、JR発足以来続く55歳以上の賃金3割カットへの怒りを表明した。また、蘇我駅構内に留置してある機関車の点検中に隣接線を京葉臨海鉄道の機関車が走り、組合員がひかれそうになった3月24日の事故について、「JR貨物がまともな設備を造っていないことが原因だ」と強く弾劾した。佐倉支部の委員は、職場の青年運転士がささいなミスで「運転士不適格」とされ、駅に強制配転されたことを怒りと悔しさをにじませて報告し「彼が動労千葉の組合員だったらストで闘っていた。他労組であれ職場の仲間を守って闘うのが動労千葉だ。反合・運転保安闘争で反撃する」と述べた。津田沼支部や銚子支部など運転職場の委員も、会社にあおられた乗客が運転士の背後で写真やビデオの撮影までする現実への怒りを語った。「運転士の居眠り」があげつらわれているが、ダイヤ改定のたびに乗務行路が伸ばされ、労働が過酷になっていることが原因だ。各委員から、運転室のカーテンを下ろすなどの具体的闘争方針を求める意見が出された。
車両技術分科の代表は重大事故を続発させながら安全対策をとる部署もないCTSに業務を受注する資格はないと怒りを込めて発言した。幕張支部の委員は、カクマル分子を送り込んで組織破壊を狙う会社の攻撃と徹底対決する決意を示した。
さらに、CTSでの組織拡大や、1047名解雇撤回闘争の今後の展望をめぐり、突っ込んだ議論が交わされた。
総括答弁に立った田中委員長は、「貨物の55歳以上賃金3割カット、エルダー制度の全面破綻、CTSの就業規則改悪はひとつの問題であり、反撃の手がかりが見えてきた。会社を攻める段階に入ろう」と訴えた。特に運転保安について「どこかで具体的闘争に踏み切らなければならない。何千人の乗客の命を預かっている運転士の誇りを貫くことが闘いの核心だ」と提起した。
当面する方針を確認し、動労千葉は激動情勢下の新たな闘いに踏み出した。