鈴木たつおさんを推薦します 日弁連解体攻撃はね返した 憲法と人権の日弁連をめざす会事務局長 武内更一弁護士
週刊『前進』04頁(2761号02面02)(2016/07/04)
鈴木たつおさんを推薦します
日弁連解体攻撃はね返した
憲法と人権の日弁連をめざす会事務局長 武内更一弁護士
2000年11月1日、日弁連(日本弁護士連合会)の歴史上最大規模の臨時総会が、東京霞が関の弁護士会館で開催された。議場の「クレオ」は約千人の会員弁護士で満杯となり、議場内の映像を中継する講堂前ロビーや他の会議室にも多数の会員が詰めかけた。
議案は、政府の「司法制度改革審議会」(司法審)が打ち出した、司法試験合格者数を年3千人に激増させ、その実現のために法科大学院制度を導入するとの方針に、日弁連として同意する趣旨の決議案であった。
弁護士の激増は、弁護士総体の経済基盤を破壊し、国や行政権力、大企業等からの独立性を失わせ、法科大学院卒業を司法試験受験資格とすることは、弁護士、裁判官、検察官など「法曹」の志望者に数百万円もの学費と2〜3年の時間的負担を強いるもので、法曹を富裕層出身者で占めるようにする。その狙いは、日本の戦争国家化の障害とみなされた弁護士・日弁連の解体にあった。
正午から始まった総会では反対意見が続出し、午後5時時点でも70人を超える発言通告が出ていた。その時、唐突に議場から執行部が仕込んだ「討議打ち切り」動議が出された。それを契機に議長が残りの発言者を絞る動きをしたことから議事は大荒れとなった。ヤジと怒号の中、続会動議、議長不信任動議、仮議長の就任、仮議長不信任動議など反対派から次々と議事規程に基づく対抗手段が繰り出された。なおも議事を強行しようとする議長に怒った会員が続々と詰め寄った。
その先頭で鈴木たつおさんは議長団の前に立ちはだかった。議事は停止と進行を繰り返し、議長不信任動議、続会動議の「否決」も討議打ち切り動議の「可決」も議場が騒然とする中で賛否をカウントすることなく強行採決された。本議案自体も執行部が号令をかけてかき集めた「白紙委任状」の数で採決が強行された。議長が閉会を宣言したのは午後10時を回っていた。日弁連の歴史に大きな汚点を残した「強行採決」は安保関連法案の「採決」を強行した昨年の国会と違いはない。
鈴木たつおさんは、後日、総会の議事を妨害したとして、執行部を支持する会員らから懲戒請求され、第二東京弁護士会の綱紀委員会の調査に付されたが、全国的な懲戒阻止闘争により、同委員会全会一致の「懲戒不相当」議決をかちとった。
その後04年から法科大学院制度が導入され、漸次、司法試験合格者の増加が行われた。しかしその結果もたらされた弁護士志望者の深刻な「就職難」と法科大学院出身弁護士の多くが負債にあえぐ事態により、司法審提言の矛盾と破綻が明確になった。
今年2月の日弁連会長選挙では、日弁連の権力翼賛姿勢を変えようと訴えてきた高山俊吉会員に約5千人の会員弁護士が票を投じた。00年総会以来の鈴木たつおさんの闘いは、弁護士・日弁連解体の攻撃をはね返してきた。
「おしゃべり小屋」に堕している国会のあり方を変えるため、闘う弁護士鈴木たつおさんを国会に送り込もう。