最大の争点は改憲阻止だ 鈴木たつお候補の主張と政策 (中)

週刊『前進』02頁(2760号02面01)(2016/06/30)


最大の争点は改憲阻止だ
 鈴木たつお候補の主張と政策 (中)

(写真 演説を聞き「資本主義は終わりだ!」と共感し鈴木候補と握手【6月25日 池袋駅西口】)

 イギリスのEU(欧州連合)からの「離脱」が国民投票で多数をとった衝撃を受け、世界大恐慌はさらに激化・深化し、イギリス帝国主義の没落、分裂・解体とEU崩壊への過程がついに始まった。こうした中、「資本主義の命脈は尽きた! 世界の労働者と団結して社会を根本から変革しよう」と訴える鈴木たつお候補の演説に、青年を始めとした多くの労働者・学生の熱い注目が集まっている。他方で安倍・自民党は、この危機からの活路を求め、今まで以上に戦争・改憲へと突き進む衝動を強めている。参院選の最大の争点は戦争・改憲をめぐる攻防だ。

改憲を宣言した安倍

 鈴木たつお候補は「戦争・改憲絶対反対」「沖縄の全基地撤去」「朝鮮半島での新たな戦争を絶対に許さない」を真正面から掲げる唯一の候補者だ。戦争・改憲の安倍政治を断ち切る道は、「野党共闘」などという腐敗した既成政党同士の野合ではなく、労働者が団結してストライキ・ゼネストに立ち上がること、そしてその荒々しい闘いの中から新しい労働者の政党をつくることだと、鈴木候補は確信を持って訴える。今、この熱烈な訴えが、安倍の戦争政治に怒る多くの人びとを奮い立たせている。
 他方、アベノミクスの大破産にあえぐ安倍は、危機の中でますます改憲への衝動を強めている。安倍は6月19日、ネット番組での党首討論の場で、改憲について「参院選の結果を受け、どの条文を変えていくか、条文の中身をどのように変えていくかについて、議論を進めていきたい。次の国会から憲法審査会を動かしていきたい。自民党の総裁としてぜひ動かしたい」と言明した。
 「自分の任期中に改憲をやる」と宣言してきた安倍にとって、自民党総裁の任期切れとなる18年9月までに国民投票を実施するためには、17年の通常国会までに改憲原案をまとめ、同年秋の臨時国会で発議までこぎつけなければならない。そのためには、次の国会で憲法審査会を始動させることが必須となるからだ。
 だが、それにもかかわらず、自民党は今次参院選で「改憲」を真正面から掲げることができず、全269項目にわたる選挙公約でも、その末尾に「(改憲に向けて)国民の合意形成に努める」と小さく記したにすぎない。前回(2013年)の参院選で「憲法改正に積極的に取り組む」と押し出したのとは対照的だ。公明党に至っては公約で「改憲」に一切言及していない。
 要するに、安倍・自公は労働者人民の闘いに火がつくことを恐れ、改憲を真正面から打ち出せないところに追い詰められており、だからこそ参院選をのりきった後で一気に改憲へ突き進むというクーデター的手段に訴えようとしているのだ。この安倍の悪らつな意図を許さず、鈴木候補を先頭に戦争・改憲阻止の大闘争を巻き起こそう。

民進党も「改憲政党」

 今回の参院選に先立ち、野党4党(民進、共産、社民、生活)は政策協定を結び、一定の選挙協力を図った。この間、安倍の改憲を阻止するにはこの「野党共闘」に希望をたくす以外にないかのような宣伝が、日本共産党や「リベラル」を自称する学者などによって声高に叫ばれている。
 だが、この「野党共闘」こそ、労働者人民の闘いを敗北の泥沼に引きずり込むものだ。
 そもそも「野党共闘」の最大の実体をなす民進党は、党綱領の第一項目に「時代の変化に対応した未来志向の憲法」を掲げる正真正銘の「改憲政党」だ。さらに参院選公約では、「グレーゾーン事態に備え……領域警備法をつくる」「PKO法を改正し……業務の幅を広げる」「(領土問題などについて)主権を断固守る」「テロ対策の強化」「自衛力の整備」「日米同盟の深化」等々と、まさに「第2自民党」というべき内容を列挙している。
 さらに、沖縄・辺野古への新基地建設について「着実に実施する」と明言していることだ。これは「野党共闘」の政策合意事項ともあからさまに矛盾する。
 この民進党にすり寄ることでますます転向を深める共産党の志位和夫委員長は、先のネット番組で「共産党は自衛隊を認めないのか」と安倍に追及され、「(自衛隊は憲法違反だが)急迫不正の主権侵害、大規模災害など、必要に迫られた場合には、自衛隊を活用する」と答えた。「自衛」の名による戦争に共産党は反対しませんと安倍の前で誓ったに等しい。

日本でもゼネストを

 22、23日に朝日新聞が実施した情勢調査では、改憲について「反対」が48%を占め、「賛成」の31%を大きく上回った。特に無党派層では、「反対」53%、「賛成」20%と大きな開きを見せた。
 それにもかかわらず、「野党共闘」が統一候補を立てた1人区でも自民優勢が予想されている。共産党の大転向と一体で進む「野党共闘」の路線的破産は明らかだ。こうした中で、鈴木候補への支持・応援の声が急速に広まっている。
 今、朝鮮半島での一触即発の戦争危機(核戦争―第3次世界大戦の危機)が高まる中、韓国・民主労総はパククネ政権打倒を掲げ、7・20第一次ゼネストへ闘いぬいている。総選挙でパククネ与党を大惨敗に追い込み、新しい労働者の政党をつくる闘いも始まっている。この闘いと固く連帯し、日本でのゼネストと新しい労働者の政党の建設を、鈴木候補を先頭に闘いとり、戦争・改憲の安倍を打倒しよう。
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