全国水平同盟第5回大会 すべての人間の解放めざす 非正規職撤廃・労働の奪還で
週刊『前進』04頁(2759号04面03)(2016/06/27)
全国水平同盟第5回大会
すべての人間の解放めざす
非正規職撤廃・労働の奪還で
(写真 平沼事務局長の提起に集中し聞き入る参加者【6月12日 大阪市】)
全国水平同盟第5回大会が参院選決戦と一体で、6月12日、大阪市・難波市民学習センターに全国から130人が結集してかちとられた。
高槻支部が開会を宣言し、動労水戸、関西労組交流センター、大阪星野文昭さんを取り戻す会、婦人民主クラブ全国協議会、全学連、革命的共産主義者同盟が熱烈な連帯のあいさつを行った。
第1号議案「闘いの経過と総括」を久原正子委員長が、「第5回大会の課題」を平沼和典事務局長が提起した。
八尾北・西郡闘争の地平と勝利性
平沼事務局長は、まず「大恐慌と戦争の大激動の時代にゼネスト・革命で社会を根底からひっくり返す労働者の決起が始まった」という時代認識に立ち、八尾北・西郡(にしごおり)闘争の勝利の地平を確認した。「戦後革命期の大阪・八尾市西郡での診療所建設、住宅建設から今日の民営化・病院つぶしや住宅追い出し強制執行の攻撃を、団結で勝ち抜いてきた」「八尾北の勝利は労働組合を結成し民営化と闘ってきたことにある。西郡支部も物・金による結びつきではなく、階級的な団結で闘ってきた」と総括。「八尾北労組を軸に西郡支部が一体になることで地域のあらゆる課題を組織できる」ことを鮮明にさせた。
さらに「新自由主義の競争と団結解体の攻撃に対して、社会の主人公として今の社会を転覆し、人間本来の共同性を取り戻す。住宅闘争も医療の奪還も労働の奪還そのものの闘いだ」「部落民労働者が人間としての誇りを奪い返すためには労働組合が決定的だ」「労働組合と全国水平同盟は一体だ。資本との闘いの中で階級的団結は生まれるし、階級を分断する差別との闘いが階級的団結を強める」と強調。「非正規職撤廃と労働の奪還はすべての人間の解放を目指す部落解放闘争の課題だ」と核心を提起した。
そして「狭山闘争は新自由主義との闘いの最前線だ。石川一雄さんの最終意見陳述で再武装し、非正規職撤廃と狭山闘争で全国に水平同盟の旗を立てよう」と訴え、最後に鈴木たつお弁護士を国会に送る参院選への総決起を呼びかけた。
続いて各支部が報告と決意表明に立った。
各支部が次々と組織建設へ決意
まず西郡支部が登壇、代表して佃文弘青年部長が発言した。「職場や組合の中の温度差や溝を団結で突破したい。八尾北労組が地域の闘いの軸にすわれば敵の攻撃を粉砕できる。その力で戦争を止め世の中をひっくり返せる。八尾北労組と一体で団結を拡大し、支部・青年部建設へ頑張る」高槻支部は、「植木団地追い出し絶対反対を貫き、北摂地域の労働者人民の闘う拠点として支部の本格的建設に挑戦する」と述べた。
住宅追い出しと闘う京都からは、崇仁(すうじん)支部準備会のAさんが「6月23日にどんな判決が出ようが今後も闘う」と宣言。3月に不当な追い出し判決を受け、控訴審を闘う東三条のBさんも「最後まで頑張る」と力強く語った。
杉並支部は「石川さんの最終意見陳述の学習会を各地で積み重ねてきた。狭山闘争勝利へ闘う。非正規職撤廃の闘いと結び支部を建設する」と意気込みを語った。
休憩をはさんで熱烈な討論が行われた。
八尾北医療センター労組の藤木好枝委員長は、「命を救う医療が人を殺す労働にされている」と弾劾、「八尾北で予防医療をめざす糖尿病教室を始めた。労組の団結を軸に地域ソビエト建設に打って出る」と宣言。関西合同労組の山口幸一書記長は「八尾北・西郡、植木団地の闘いは、資本主義を倒した後の社会がどうあるべきかを実践的に始めている。一緒に闘おう」と呼びかけた。
階級として労組で一つに団結を
奈良市の自治体労働者は、下水道の民営化に反対し首をかけて雇用確保のための委託先業者との面接を拒否した労働者の闘いを紹介した。その上で、「自分も応能応益制度で家賃が8万円を超え、住宅を出ざるを得なかった。住宅に残った母親が亡くなり『もう帰るところがない』と思った。応能応益はムラの紐帯(ちゅうたい)をつぶし更地化する攻撃で許せない」と怒りをあらわにした。そして「労働運動も解放運動も一つだ。階級として一つになる団結をつくったら勝てる。組合を階級的団結で闘う組合に変え、すべてを奪い返す」と宣言した。さらに部落解放東日本共闘会議、高槻医療福祉労組、栃木の水平同盟員、埼玉の仲間、広島連帯ユニオンも発言した。
大会のまとめを田中れい子書記長が行い、久原委員長以下新執行部を選出。狭山闘争、星野闘争、参院選の勝利へ3本の決議案を採択した。
全国水平同盟が階級的労働運動と一体で闘う部落解放運動として新たな段階に入ったことを確信し、さらなる飛躍へ決意を固める大会として大成功した。
(全国水平同盟西郡支部・錦織進)