ストライキに敵対の共産党 「私有財産の保障が基本」叫び

週刊『前進』02頁(2758号02面04)(2016/06/23)


ストライキに敵対の共産党
 「私有財産の保障が基本」叫び


 日本共産党の変質と転向が、民進党との「野党共闘」を契機にして一層深まっている。日米安保も自衛隊も天皇制も資本主義も認めるというなら、自民党といったいどこが違うのか?
 香川県で共産党が民進党と結んだ確認書の内容は、恐るべきものだ。その内容を共産党の山下芳生副委員長が6月5日の国会前集会で繰り返した。すなわち、次のような発言である。
 「日本の社会に必要なのは社会主義的変革ではなく、資本主義の枠内での民主的改革であり、私有財産の保障が基本である」「日米安保、自衛隊、天皇制は認める」
 山下はこれを「私たち共産党にとっては当たり前、綱領に書いている。知られていないですねえ」と開き直った。
 何が当たり前か! まったく許せない。
 山下はできるだけ裏切り性をごまかそうとしているが、「資本主義の枠内での改革」「私有財産の保障が基本」ということは、資本家階級に向かって「私たち共産党は革命をやりません」「革命をやる勢力とは闘います」と誓いを立てたに等しい。労働者階級への襲撃であり、許しがたい反革命宣言である。

資本家階級への全面的屈服

 04年改定の綱領では、それでもアリバイ的に「生産手段の所有・管理・運営を社会の手に移す生産手段の社会化」に言及していた。社会主義・共産主義の痕跡を残していた。ところが、日本共産党は今や、それすら一切言わないことにした。「社会主義的変革」は実現不可能なものとして永遠のかなたに追いやり、「資本主義の枠内の改革」「私有財産の保障」をひたすら強調するのが共産党の路線である。大恐慌と戦争の時代に、ただただ帝国主義権力に屈服し転向することで延命を認めてもらおうとしているのである。
 現在と同じように「世界革命か世界戦争か」が問われた1930年代に、ソ連を先頭とするスターリン主義は世界革命を裏切って帝国主義の強盗戦争に加わり、その結果、幾億もの労働者人民が血の海に沈められた。スターリン主義に起源・本質を持つ日本共産党は同じ道を転落している。
 私有財産とは、資本家が持つ財産(資本)のことだ。労働者階級は働いて財産を築けるか? とんでもない。労働者が働いて得るものは、「賃金」という名の、自分のぎりぎりの生活を維持するのにやっと足りるだけのものだ。それすら大恐慌のもとで今や保障されず、賃下げ・首切り、非正規職化で多くの労働者が苦しめられている。低賃金ゆえに長時間労働を強いられ、ダブルジョブ・トリプルジョブすら強制されて病気になり、生活できなくなっている労働者が相次いでいる。
 資本家は労働者を搾れるだけ搾って、剰余労働を搾取し、莫大(ばくだい)な富を築いている。日本の大企業は今や366兆円もの内部留保もため込んでいる。
 一方における労働者階級の低賃金と貧困・窮乏、長時間労働と健康破壊、他方における資本家階級の巨額の私有財産(資本)の蓄積は、〈賃労働と資本〉という同じ関係の中でつくられている。資本主義的生産関係のひとつの事柄の表と裏である。
 共産党が「私有財産の保障が基本」ということは、この資本の暴虐な力をすべて認めるものだ。

富は労働者が生産している

 さらに共産党の主張は労働者がストライキで闘うことを否定するものである。なぜならストライキは実力で工場を止め、機械を止め、そうすることで社会の本当の主人公は誰なのかを実力をもって支配階級に突きつける。ストライキは資本家の私有財産を侵害し、労働者階級が奪われたものを、社会(共同体)に奪還していく第一歩である。社会のすべての富を生産しているのは労働者階級であり、産み出した富は本来、すべて労働者階級のものだ。革命ですべてを奪還しよう。
 職場では民営化・非正規化と何一つ闘わず、労働組合がストライキで闘うことに猛反対する。大学では、ビラまきを警察に通報して学生の反戦運動を弾圧する——これが共産党の正体だ。鈴木たつお候補の勝利で、新しい労働者の政党をつくろう。
このエントリーをはてなブックマークに追加