団結ひろば

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週刊『前進』04頁(2757号04面04)(2016/06/20)


団結ひろば

JR蒲田駅で2日間で『前進』1千部配布
 神奈川 汐見晴人

 6月11、12日の土日、JR蒲田駅前で仲間と一緒に『前進』を使って鈴木たつお弁護士への支持を訴えました。2日間で1千部を配布し、1時間半で一人で180部も配った仲間もいます。次々と受け取られていったというのが実感です。
 やった仲間はみな「楽しかった」と言っています。「参院選で労働者の新政党を」「動労東京ついに結成」と大書された見出し、そして新聞という体裁をフルに生かし、紙面全体が見えるように掲げながら配ります。それが老若男女を問わず多くの人を引きつけました。
 丁寧に折ってカバンにしまう女性、紙面を大きく広げて読みながら歩く男性も。驚きと懐かしさを込めた「おっ! 『前進』か!」という声も。「労働者の新聞です」という呼びかけで、街頭がちょっとした解放区です。労働者は『前進』に真の労働者党が登場する可能性を感じ取っているのだと思います。
 駅頭は事実上の選挙戦本番に突入しています。蒲田駅前も、日本共産党から右翼政党に至るまで既成政党がしのぎを削る大党派闘争の場でした。この中で最も階級的に登場することが仲間の団結と高揚感をつくり、それが駅頭の労働者を引きつけます。
 『前進』は1千万人の怒りと結び、新しい労働者の政党をつくる最高の力です。10万人に『前進』を届け、「労働者の新政党をつくろう」と訴える参院選決戦を全力で闘いたいと思います。

労働者の力を見下す「ブラック企業対策」
 千葉 綿貫 透

 最近日本共産党が配布している「JCP magazine」に「ブラック企業対策」とする同党の政策が載っている。だがまるで経営に対して「違法ではないが一部不適切」とアドバイスしているようなものだ。
 同誌によれば「長時間労働規制」では「残業を法律で年間360時間に制限する」とあるが、「年間360時間」とは、労基法の36協定における上限時間のことで、これではなんの規制にもならない。「36協定」が労働強化や過労死の原因になっていることは以前から指摘されていることだ。
 それ以外にも「企業の情報公開」だとか「パワハラ企業名の公開」というが、政府発行の官報を誰が見るのか。「国会でルールを決める」ことではなんの問題も解決しないし、労働者自身の力を見下しているとしか思えない。
 公共サービスの現場でも「変形労働制」や「みなし労働制」など「合法的」な長時間労働と短期間での雇用契約による雇い止めが乱発されており、個人による申し出では労基署でも問題にされないことが多い。
 そんな中で北九州市では家庭ごみの収集業者が、労働契約法の「無期雇用転換義務」を逃れるために、半年間の「全員解雇」を強行しようとしたことに対し、現場でストライキを構えて闘っている。必要なことは、われわれ労働者が自分の労働に誇りを持って働けることと、職場で経営に対して怒り、声を上げる力を取り戻すことではないだろうか?
 問題を解決する力はどんなに「ゆっくりとした一歩」であっても、現場を動かしている労働者の中にある。
 これからいよいよ参議院選挙が始まる。われわれは「職場に労働組合をつくり、ゼネストで安倍政権を倒そう」と堂々と訴えよう。そのためのスペシャル・ウイークがいよいよ始まる。

『獄壁を越えて』23号が参院選挙の底力に
 徳島・星野救援会 仙田哲也

 6・5国鉄集会の道中、星野文昭さんとの交流誌『獄壁を越えて』23号を読みました。国鉄集会で壇上に立った解雇撤回の争議団と動労総連合。その力強い登場に、星野救援にとっても、一つになって闘いぬいてきた万感の思いがこみあげました。
 冊子は、わずか51ページ。この23号自身が光を発しているようにさえ感じます。21人の寄稿と星野夫妻を加えちょうど23人。読み進むたび、獄壁に穴が開く。今の星野闘争の全体像を実感できます。それゆえの団結した明るさがあります。
 いちばん近くにいる私たちが及びもしないほど、皆さん獄中の星野さんを思い、考え抜き、自らと重ねておられるのが伝わってきます。
 福島の椎名千恵子さんが、絵を見た7歳の女の子の感想を紹介しています。「じょうずなえで、なみだがぽとんとおちた」。一枚の絵をとおして、星野のおじさんと女の子の心が共鳴したのでしょうか。
 「労働の奪還」論と「革命的共産主義」を実際に生きざまとして貫いていくことは、これほど共同性を奪還することなのだと感じました。こんな感動で結び合えた私たちは、必ず1千万人と結びついて、労働者の新しい政党をつくれる、そう確信させてくれます。
 この星野夫妻と一番厳しい時代から団結して、つるはし一本で獄壁に穴を開け続けてきた人こそ、星野再審弁護団長の鈴木たつお弁護士です。「生きる希望のすべてを奪う」無期懲役判決と正対し、一からではなく、ゼロから「鉄の扉」を開ける仕事を決断した人です。その意味でも『獄壁を越えて』23号は、参議院選挙の底力になると確信しました。

「朝日歌壇」に載った十亀弘史さんの短歌
 東京 新谷洋介

 迎賓館・横田爆取デッチあげ弾圧で3月14日、最高裁が上告棄却決定し、3人の被告が長期投獄されます。30年近い裁判で、一審の無罪判決を何の証拠調べもなく、破棄差し戻しし、逆転有罪判決を強行したのはとんでもないことです。
 しかし、3人の被告はまったくひるむことなく、この国家犯罪に対する煮えたぎる怒りと闘志をもって、下獄の闘いに入っています。16日に下獄する十亀弘史さんは、中でもユニークです。16年間の未決勾留の獄中で獄中句集『スパナ』を発行しました。「しつかりとスパナを掴(つか)む多喜二の忌」という句からつけられた書名です。
 今、俳句だけでなく、短歌でも次々と朝日歌壇(朝日新聞の毎週月曜日朝刊、4人の選者が各10首選ぶ欄)に選ばれています。
 特にこの間、上告棄却で下獄が決まってからの歌は、2回選ばれています。
 5月9日の朝日歌壇に載った2首。
☆獄中へ持ち行く本を買ひに来て分厚き本を選びてをりぬ
 入獄を前に末期(まつご)の眼(まなこ)めく空も川面も緑も美し
 ☆は2人の選者が選んだ作品。この日は3人が十亀さんの歌を選んだことになります。
 さらに、6月6日(板垣宏さん入獄の日です)の朝日歌壇に、またも3人が2首を選びました。
☆「健康に獄中生活送れる」と請合ふ医師に笑ひて礼す
 入獄の準備慌ただしき日々に夏の燕(つばめ)は風を切りをり
 毅然として、朗らかに「労働者階級の一員として」新しい戦場に赴く十亀さん。短歌を通じても多くの人びとに強烈な印象を残して下獄します。おそらく獄中からも朝日歌壇に挑戦することでしょう。革命勝利に向けての熱い心をそこから受けとめる人が続々と生まれることを期待します。

十亀弘史さんの短歌を見て詠みました
 ネジマワシ

 権力の憎しみを受け下獄するシニア左翼の矜持(きょうじ)をば知れ

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