東北大職員大量解雇許すな 非正規職3243人に解雇通告 組合を結成し反撃に立とう
週刊『前進』04頁(2757号03面03)(2016/06/20)
東北大職員大量解雇許すな
非正規職3243人に解雇通告
組合を結成し反撃に立とう
国立大学法人東北大学は今年3月から4月にかけ、非正規職労働者3243人に対し、2018年3月31日をもって解雇すると通告しました。非正規の職種は大学学部の事務職、大学や研究所の研究支援者、非常勤講師、大学病院の事務、薬剤、看護補助など多数に渡ります。
東北大学の通告内容は以下の通りです。
①東北大学が国立大学法人となる04年以前から勤務している雇用上限のない非正規労働者(399人)は引き続き更新の限度はなしとする。
②法人化後に勤務した非正規労働者3243人は13年4月1日からカウントして原則5年上限で雇い止め解雇する。
③例外として、各部局長が「優秀」と評価したごく一部の非正規労働者は無期転換候補者として推薦し、理事が認可。
13年4月の改悪労働契約法の施行により、13年4月以降、雇用契約が5年以上継続した場合、すべての非正規労働者に無期転換申込権が生じます。この時点で、東北大学は1年ごとの更新で3年上限としていましたが、実際には5年を超える非正規労働者は半数近く見込まれ、厳密な一律の上限はありませんでした。
就業規則変更で雇用終了日記載
東北大学は、労働契約法に対応するため、14年に非正規労働者の就業規則を「通算契約期間の上限は原則として5年以内とする」に変更し、労働条件通知書には雇用の終了年月日を新たに記載、それを同意書としたのです。そして実際に、14年度から毎年千人もの非正規労働者を解雇し続けてきたのです。15年では、国立大学法人東北大学の正規職員は4686人、非正規職員は5771人。16年でも非正規職労働者は53%にも上る。これが、「ブラック企業」と言われる東北大学の実体です。
東北大学は、各部局長が「優秀」と評価した者を無期雇用転換候補者として推薦し、理事が認可するとしています。しかしその人数は、各部局にわずか1、2人でしかないのです。しかも、評価の基準は「事務一般職に替わり、同程度の職務を担当させた際に、これと同等、あるいは同等以上の成果を出すと見込まれた者」とされています。
全職員1万人強のうち一度に3243人もの労働者を解雇する攻撃は同時に、正規職労働者に対する激しい労働強化となって襲いかかります。また「優秀」として無期転換した非正規労働者には「正規以上の成果」が要求され、より激しい労働強化が襲いかかります。こうして、幾人もの労働者を過労死に追い込んできた東北大学当局を絶対に許してはなりません。
18年春の一斉解雇と闘おう!
労働契約法は5年を超えた非正規労働者に無期雇用の転換を保障するものと言われますが、それ自体、一生、低賃金の非正規雇用を強いるものです。それどころか、改悪労働契約法施行から5年目となる18年4月を前に、1400万人余の非正規労働者を一斉に解雇する衝動に資本家階級を駆り立てるものです。東北大学による非正規労働者3243人に対する2018年解雇通告と、それに対する非正規労働者の闘いの開始は労働契約法の正体を暴くと同時に、「2018年問題」の巨大さを衝撃的に突き出しました。「5年で雇い止め」を制度化する就業規則改悪問題は、2018年攻防をめぐる最大の焦点です。
労働契約法、労働者派遣法を突破口とする労働法制大改悪、正社員ゼロ・総非正規職化、解雇自由化をめぐる大決戦が始まりました。
動労千葉は、ストライキでCTS(千葉鉄道サービス)における「5年雇い止め」就業規則改悪の4月1日実施を阻止しました。正規・非正規が団結し、闘えば勝利できます。動労千葉の闘いは2千万非正規労動者、6千万労働者階級全体の未来をかけた闘いです。
東北大学で働くすべての非正規職労働者の仲間たち! みやぎ連帯ユニオンに加入し、ストライキで解雇攻撃をうち破ろう! 就業規則の一方的変更を許さず、東北大学に闘う労働組合を結成しよう! 6〜7月参院選決戦に勝利し、闘う労組拠点を建設しよう。
(宮城・井上学)