安保も自衛隊も天皇制も容認‼ 戦争へ大転向の共産党

週刊『前進』02頁(2756号02面03)(2016/06/16)


安保も自衛隊も天皇制も容認‼
 戦争へ大転向の共産党

資本主義体制の枠内の運動

 参院選を前に、日本共産党が戦争絶対反対の党ではないこと、それどころか「自衛戦争賛成」の戦争翼賛勢力に成り果てていることが次々と明らかになってきている。
 そのことを怒りを込めて弾劾し、日本共産党をのりこえて新しい労働者の政党をつくることを心から呼びかけたい。
 参院選で民進、共産、社民、生活の4野党は、32の1人区で野党統一候補を立てる。そのうち、香川県は共産党候補を他の野党が推す形になる。そこで6月3日、香川県の共産党と民進党の代表が「基本的事項の確認書」を交わした。これは怒りなしに読めない、とんでもないものだ。
 「野党4党の共闘路線を重視し、有権者の正しい理解を求めるため、04年共産党新綱領の趣旨に従い、改めて以下を確認する」として、以下の諸点を挙げている。
 「①今日の日本社会に必要なのは社会主義的変革ではなく、資本主義の枠内での民主的改革であり、私有財産の保障が基本となる。②平和外交を重視するが、日米安保条約の廃棄や自衛隊の解消という共産党の政策は野党共闘に持ち込まない。③天皇制を含めた現行憲法の全条項を守る。天皇制のあり方は、国民の総意によって決せられるものである」
 これは直接には、民進党支持者が共産党候補の名を記すことに抵抗感があることを解消することに狙いがある。ここで「共産党新綱領の趣旨に従い」とわざわざ強調しているのは、これが選挙のための一時的方便ではなく綱領に明記された基本路線であると共産党内に徹底させたいからだ。

04年新綱領で「国民の党」へ

 04年に改定された共産党綱領は、階級政党から「国民の党」への大転向を最後的に明記した。資本家と労働者の階級的利害は非和解的に対立していることを否定し、資本主義の枠=体制を守る、資本家階級を守ることを宣言するものだ。今日、新自由主義的帝国主義が完全に行き詰まり、戦争と革命の時代が到来している中で、この新綱領の反動性、反労働者性が全面開花している。
 「資本主義の枠内の改革」「私有財産の保障」とは、「資本家階級の利益に反することはしません」「私有財産の侵害はしません」と誓うものだ。これは実はストライキを否定し、労働運動を否定する論理である。
 また、「安保廃棄や自衛隊解消を持ち込まない」とは、安保と自衛隊を活用して自衛の名による戦争をするということだ。そして「国民の総意」の名で、天皇制を完全に認める。それは天皇臨席の国会開会式出席によりすでに踏み出されている。

オバマの広島訪問も大絶賛

 共産党の戦争翼賛は、米大統領オバマの広島訪問に際して鮮明に示された。オバマは、被爆者への謝罪をせず、核兵器の不使用を誓わず、核の独占を居直った。共産党はこれを持ち上げる安倍とマスコミに唱和して、「前向きの歴史的な一歩となる行動だった」(志位和夫委員長)と絶賛した。アメリカ帝国主義が世界中で侵略戦争を繰り返し、人民を虐殺してきたこと、核兵器を作り続け、さらに核戦争体制を現に強化していることに対する弾劾は一言もない。そのトップであるオバマは、なんと「核攻撃のボタン」を平和公園に持ち込んだ。これに対する弾劾デモの対極に共産党はいたのだ。
 何よりも、オバマ広島訪問は、現下の朝鮮情勢の緊迫下で、北朝鮮のそれ自身は反人民的体制を、核を使っても転覆するという侵略戦争宣言だった。この朝鮮侵略戦争のために、安保法制=戦争法も制定されたのである。ところが共産党は「朝鮮戦争はリアリティがない」と言って、現実を見据えようともしない。それは朝鮮侵略戦争に対する反戦闘争をやらないという意思表示だ。
 共産党が戦争反対の党であり、労働者の味方であると信じてきた多くの党員の中から、「これはおかしい」「戦争反対ではないのか」「資本家を擁護するのか」という疑問や怒りが噴き出してきている。今こそ、共産党と決別し、新しい労働者の政党をつくる運動に加わろう。安倍を倒し、革命をやろう。

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