「新捜査手法」法案成立弾劾 完黙・非転向と団結で粉砕しよう

週刊『前進』04頁(2755号04面03)(2016/06/13)


「新捜査手法」法案成立弾劾
 完黙・非転向と団結で粉砕しよう


 盗聴拡大・司法取引・証人隠しと、警察・検察による取り調べの録音・録画など「新捜査手法」を導入する盗聴法・刑事訴訟法改悪法案が5月24日、衆院本会議で自民・公明・民進党などの賛成で可決、成立した。徹底弾劾する。「完全黙秘・非転向」の闘いをさらに推し進め、階級的団結を強化、拡大して攻撃を打ち破ろう。

闘いの爆発恐れ法の改悪を強行

 「新捜査手法」は、これまで公安警察が違法・秘密裏に行ってきた、対象団体への日常的盗聴やスパイ化工作、デッチあげを合法化するものだ。革命党や労働運動・学生運動、反戦運動の解体を狙う「共謀罪」と不可分一体の「現代の治安維持法」であり、「特高警察復活」の攻撃だ。
 世界大恐慌下で帝国主義間・大国間争闘戦が激化し、朝鮮侵略戦争が切迫している。こうした中で帝国主義としての生き残りをかけて戦争と改憲に突き進む安倍政権に対して、沖縄をはじめとして労働者民衆が怒りを爆発させ、陸続と反撃に決起している。盗聴法・刑事訴訟法改悪は、これに恐怖した治安弾圧攻撃にほかならない。
 しかし、フランスでは、非常事態宣言下で労働者・学生が労働法制改悪に反対してゼネストに立ち上がっている。治安弾圧法のもとでも労働者階級人民は立ち上がり、プロレタリア革命を引き寄せずにはおかない。

日弁連執行部と共産党が先兵に

 安倍政権は昨年内に、日弁連執行部の屈服、協力のもとに「新捜査手法」を導入し、今年には国際公約と称する「共謀罪」を成立させ、伊勢志摩サミットに臨むことを狙った。しかし、戦争法や沖縄新基地建設などで安倍政権への怒りが爆発し、革共同や全学連への度重なるデッチあげ弾圧も、完黙・非転向の闘いと弾圧粉砕の闘いの拡大によって粉砕された。
 危機を深める安倍の先兵となってきたのが日弁連執行部と日本共産党スターリン主義だ。
 日弁連執行部は警察・検察による取り調べの録画(有罪デッチあげのための実質証拠を取得する監視カメラ設置)を「可視化」と「美化」し、刑事司法改悪を推進してきた。そして、ついに今回「盗聴拡大・司法取引」の法案を積極的に推進するまでに転向を深めた。こうした事態に対する怒りが爆発し、昨年は参院で採決できなかった。
 今年に入ってからも、「現代の治安維持法と闘う会」が先頭に立って、霞が関での連続街宣や国会前での座り込み・抗議行動などを闘い、安倍を追いつめてきた。
 2月の日弁連会長選挙では、憲法と人権の日弁連をめざす会代表の高山俊吉弁護士が、「新捜査手法」絶対反対を訴えて5千票を獲得した。日本共産党の推薦する執行部派の対立候補が自民党・稲田朋美に献金していた問題などを暴いて、徹底的に追いつめた。
 5月17日には、日弁連の本拠地・弁護士会館で、闘う弁護士が労働者人民と共同で「改憲・治安立法・裁判員制度に反対する5・17集会」を210人で成功させた。19日には直ちに国会闘争に立ち上がり、鈴木たつお弁護士を先頭に参院法務委員会での採決強行に怒りをたたきつけた。

鈴木たつお勝利へ総決起しよう

 怒りの抗議に直撃された安倍政権は、サミット直前に翼賛国会での法案成立を強行せざるをえない状況に追いこまれた。しかし結局、伊勢志摩サミットはアベノミクスとともに歴史的大破産を遂げ、安倍は何の展望もないまま参院選に突入せざるを得なかった。
 闘いはこれからだ。治安弾圧など、安倍政権もろとも階級的団結で吹き飛ばせる。動労東京結成と6・5国鉄集会の大成功をバネに、参院選決戦に総決起しよう。弾圧粉砕の先頭に立ち、「新捜査手法」絶対反対で闘う鈴木たつお弁護士の勝利へ闘おう。
(吉澤夏樹)
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