革命を目指して立ち上がり保育の共同性を取り戻そう 労働者の闘いが保育をかちとる

週刊『前進』04頁(2753号02面03)(2016/06/06)


革命を目指して立ち上がり保育の共同性を取り戻そう
 労働者の闘いが保育をかちとる


 戦後、とりわけ1970年を前後して、女性たちは「生きさせろ!」の闘いとして、実力で保育をもぎり取ってきました。当局のデスクに赤ちゃんとおむつを置いて「通常の勤務をしろというなら保育して!」と実力でママさんダイヤをかちとった東京交通労組(東交)の闘いがあります。地域でも共同保育所を自分たちで建設し、行政闘争をやって補助金を出させたり、公立保育所を建てさせたり、働く権利、子どもを安全にすこやかに過ごさせる権利をもぎり取っていきました。大阪府高槻市では教職員組合が保育所を作り運営したといいます。
 私たちは、70年闘争時、さらに二重対峙・対カクマル戦の過程においても、同志の団結で保育しながら生きかつ闘い抜いてきました。ある地区では数人子どもがいましたが、誰が誰の子どもかわからないくらい共同で保育していました。大衆集会でも集会託児所を設置して、子どもを持つ母親が積極的に参加できるように取り組んできました。
 保育をかちとるこれらの闘いは、70年安保決戦が切り開いた時間と空間の中で、女性が奪われていた政治と社会性、共同性を奪い返していく解放闘争としての意義がありました。

親と労働者分断した新自由主義

 人間は本来、類的存在です。つまり、生まれたときから集団(仲間と)生活することで、共同生活のやり方を学んでいく。相手の気持ちを知り、けんかという形で起こるあらゆる不一致を、その都度解決していく。どうやって解決するかを学んでいく、ルールを作っていく。それはどうやって団結するかということです。母親(父親)同士、また保育労働者とも団結して子育てをしていく。子ども同士も泣いたり笑ったりともに生きる。保育所とはそういう協働と共生の場です。
 しかし、今の保育はサービス業。保育は商品化され、買うもの、与えられるものとなっています。親と保育労働者は、協同して子育てする関係ではなくなり、サービスを受けとる人と提供する人の関係に分断されています。闘いによってもぎり取ってきた、人間の生活に必要な「保育の共同性」が奪われたのは、新自由主義によるものです。同時に資本と労働者との非和解的な関係をあいまいにし「市民サービス」「公立守れ」と、「左」から新自由主義を推進した自治労本部や自治労連本部など体制内労働運動の結果です。

「待機児童ゼロ」叫び非正規職化

 資本主義の枠内で本来の保育は取り戻せません。新自由主義の攻撃一つひとつに絶対反対で闘って資本からすべてを奪い返す革命を目指して立ち上がる中で、団結を取り戻し、本来の保育の共同性を奪還できるのだと思います。それは非正規・正規が職場で団結して闘うことと一体です。
 「保育園落ちた日本死ね!」ブログから爆発した怒りは、保育所問題を超えて、この社会のあり方への根底的怒りとして深く大きく広がっています。資本主義が破綻している中で資本が「与える」福祉・教育・保育も破綻しています。非正規化と貧困、分断の新自由主義に対して「生きさせろ!」の声を、政府は「待機児童問題」に切り縮めようとしています。そもそも「待機児童」という言葉自体、小泉純一郎元首相の造語です。2001年「待機児童ゼロ作戦」であらゆる規制緩和、非正規職化、無資格化、株式会社化を進めて公的保育をつぶしにかかってきました。小泉は現場にさまざまの「支援サービス」を強制し、そこへ非正規職の労働者をどんどん導入しました。非正規職化で職場をバラバラにして保育所の団結をつぶしていったのです。その結果、認可保育所での死亡事故が一気に増え、今や現場の安全が崩壊しています。

参院選で安倍を倒し未来開こう

 〝「処遇改善で人材確保」なんてふざけるな!〟が現場の思いです。安倍自公政権の3・29「緊急対策」は、さらに規制緩和して起こる事故の一切の責任を現場労働者に押しつけるもので、絶対に許せません。
 民進党や日本共産党などが、「処遇改善」として5万円、10万円アップなどと言っていますが、「公立保育士は高すぎるから民間並みに下げろ」とする「同一労働同一賃金」の攻撃です。民主党は、政権時代に「子ども子育て支援新システム」を推進して公的保育を解体してきた張本人であり、日本共産党は「法律が決まれば仕方がない」として共産党に関係する社会福祉法人が民営化の受け皿になって裏切ってきました。こんな野党に何の期待もできません。
 戦争をやり、総非正規職化をやり、子どもたちの未来を奪う安倍は打倒するしかありません。7月参院選では、「みんなの力で新しい労働者の政党をつくろう」と呼びかける鈴木たつおさんを押し立てて未来を取り戻そう! ゼネストをやって革命に挑戦しましょう!
(関西自治体労働者委員会)
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