三菱自工燃費不正で下請けの解雇が続く 岡山マスカットユニオンが水島製作所に申し入れ
三菱自工燃費不正で下請けの解雇が続く
岡山マスカットユニオンが水島製作所に申し入れ
4月20日の燃費データ不正発覚以降、三菱自動車工業水島製作所(岡山県倉敷市)で軽自動車の生産ラインが停止し、工場の3分の1の労働者、約1300人が長期の自宅待機を強いられ、賃金や一時金のカットが行われている。三菱自工の労組は会社の賃金カット提案を早々に受け入れた。
労働組合岡山マスカットユニオンは、5月1日のメーデー行動で「解雇・賃下げを許さないアピール」を発した。続く5月17日には、三菱自工に「解雇・賃下げを許さない申し入れ」を行い、出勤する労働者にビラを配布し訴えた。(写真)
すでに100人を超える首切り
1次・2次を合わせて509社、2万4千人といわれる岡山県内の三菱自工の下請け部品メーカーへの影響は深刻であり、生産が全面停止している企業もある。部品メーカーばかりでなく、典型的な企業城下町である水島では、物流を始め全産業に影響が表れている。三菱自工の下請けは、中小・零細企業が多い中で、日給月給制、期間雇用、派遣の労働者が多く、解雇や派遣切りが相次いでいる。県の調査でも解雇が100人を超えている。
三菱自工の1次・2次下請けの企業は全国に7777社あり、41万2千人の労働者が働いている。岡山工場の社員を愛知県の工場に一時的に配転し、そこの派遣社員を解雇した会社もある。
日産との合併で水島製作所の存続は決まったが生産再開の見通しは立っていない。下請けメーカーもさらに激烈な受注競争にさらされることになる。
データ不正事件の一切の責任は、三菱自工の経営陣にある。技術や性能開発への投資を渋り、不正や虚偽データで低燃費競争に生き残ろうとした資本の責任である。現場で額に汗して働く労働者に責任はない。しかし、三菱資本は解雇・賃下げや下請け会社・関連会社を犠牲にしてのりきろうとしている。絶対に許すことはできない。
だが、これは三菱だけの問題ではない。東芝やシャープを始め、資本家たちは自らの生き残りのために数千人の労働者、さらに下請けの膨大な労働者の首切り・大リストラを無慈悲に行っている。彼らにとっては労働者がどうなろうとどうでもいいということだ。
今こそ労働組合の本領を発揮する時だ。工場を、会社を、そして社会を動かしているのはわれわれ労働者なのだ。労働者は団結してストライキに立ち上がろう。外に向かっては侵略戦争をしかけ、内に向かっては労働者階級に矛盾を押しつけて生きのびようとする安倍政権と資本家階級を倒そう!
(労働組合岡山マスカットユニオン執行委員長・清水久美子)