「光コラボ」大合理化は第2の電電民営化だ! 非正規職撤廃闘う労働運動を
週刊『前進』04頁(2751号02面03)(2016/05/30)
「光コラボ」大合理化は第2の電電民営化だ!
非正規職撤廃闘う労働運動を
福島と沖縄が闘いの先頭に
戦後政治の総決算攻撃=国鉄分割・民営化との30年の闘いは、新自由主義との激しい闘いとして展開されてきた。そして、われわれは動労千葉・動労水戸―動労総連合の闘いを先頭に、ついに新自由主義の歴史的な破産と崩壊をたぐり寄せてきた。危機に立つ日帝・安倍政権は一層の新自由主義攻撃と朝鮮侵略戦争へ絶望的な突進を開始しているが、それはさらなる労働者階級の怒りと闘いを引き起こすだけである。昨年の安保国会決戦への100万―1千万人の決起は日本の労働者階級のゼネスト決起に向けた壮大な序曲であり、熊本大震災はさらに新自由主義と闘う新たな決起を生み出さずにはおかない。
電通労働者もまた、新自由主義=電電公社民営化との30年の闘いを国鉄で闘う同志とともに闘いぬいて勝利した。何よりも日本革命の戦略的要衝であるフクシマとオキナワにおいて、全原発廃炉の闘いと米軍基地全面撤去の闘いの先頭で電通労働者が今日も闘いぬいている。「復帰」44年の5・15沖縄闘争には全国の電通労働者が結集し、非正規職撤廃を闘う電通労働運動をつくり出そうと決意を固めた。
JRとともに民営化・外注化、非正規職化攻撃の最先頭をつっ走ってきたのがNTT資本だ。それはNTT労組体制内執行部の全面的な協力なしには成立しないものだった。このNTT労組体制内執行部への怒りが爆発し、体制内執行部自身の危機と崩壊が始まっている。とりわけ非正規職の青年労働者の怒りがついにわれわれの存在・闘いと結びつく情勢を迎えている。動労総連合を全国に建設する闘いの先頭で電通労働者は決起しよう。そして闘う電通労働運動をつくり出そう。6・5国鉄闘争全国運動集会へ総結集し、7月選挙決戦に勝利しよう!
広域流動強制する拠点集約
世界大恐慌の激化のもと、情報・通信産業は軍事化する帝国主義・大国間争闘戦のるつぼに投げ込まれている。その中でJRと同様にNTTは、合理化・外注化・非正規職化をさらに推し進めている。NTT資本は2012年に中期経営戦略「新たなステージを目指して」を発表し、その中で、「クラウドサービスの強化」と「グローバル展開の加速」をうたった。2014年5月13日にはNTTグループの新成長戦略を発表し、「フレッツ光」の卸売り=「光コラボレーションモデル」(以下「光コラボ」)の提供を打ち出した。またこれに先だって、NTT西日本では2013年10月1日(NTT東日本では2014年7月1日)、「業務運営体制の見直し」を開始した。さらに01年の「NTTグループ3カ年経営計画」(以下「新3カ年計画」)時に強行された50歳退職・再雇用制度を廃止する「処遇体系の再構築」が行われた。
「業務運営体制の見直し」「処遇体系の再構築」は、「光コラボ」提供をにらんで行われてきた。そしてこの「光コラボ」提供のもとで、NTT東西の労働者には、かつての「中期事業計画」の「1県1拠点」から「1ブロック1拠点」化での本格的な広域流動が開始されようとしている。
新自由主義の崩壊はNTT資本をも直撃している。電電公社の民営化はJRと同様に技術継承と安全を無視するNTTの職場をつくり出してきた。その中でNTT資本はNTT東西そのものをも「卸売り」=解体して延命しようとしている。「光コラボ」とは、「第2の電電民営化」とも言うべき究極の大合理化=外注化と非正規職化の攻撃だ。
「光コラボ」提供とは資本の利潤のためだけに行われる。そのために労働者には出向から転籍へ、そして広域流動と遠隔地配転と職場の廃止という、分断と団結破壊が開始されようとしている。
始まったことは、沖縄においてはNTTの職場がなくなるということであり、沖縄のNTT労働者は正規職・非正規職を問わず、「福岡(九州)に異動するか、退職するか」の二者択一が迫られるということだ。
われわれはかつての「離島事業所廃止」の時に、「この攻撃を許したら、次は沖縄全体が『離島』として、事業所廃止の攻撃が始まる」と訴えて闘ったが、その正しさが誰から見てもハッキリする情勢の到来だ。「雇用確保」の名目でNTT資本とNTT労組が結託して行った「離島事業所廃止」は、けっして雇用の確保などにはならなかった。
そしてついに、沖縄のNTT労働者すべてに対する広域異動と、「自主退職」という解雇攻撃が始まった。実際、「サテライトはいずれ廃止される。『光コラボ』の状況にもよるが、廃止されるということには変わりはない」と管理職も公言している。すでにフィールドテクノでは「開通支援担当」は福岡に集約され、沖縄拠点は廃止されている。また、コンサルティングセンターも(沖縄を含めて)九州4カ所を福岡に集約することが始まっている。沖縄の1カ所は当面存続されるが、「1年後はどうなるか」と言われている。そして沖縄以外の3カ所の福岡への集約は既定事実とされているのだ。
職場は合理化に伴う数値目標の達成の要求を管理職が毎朝ゴリゴリ確認し、また「マルチ化」が推し進められている。各人の成績の張り出しなども開始されギスギスした職場に嫌気がさし、また「光コラボ」によって仕事がなくなり、「いずれこの職場もなくなるのでは」と職場を辞める労働者も出始めている。「自主退職」という名の首切り攻撃が始まっている。
営業系の全廃と設備系の丸投げ外注化にNTT資本はかじを切った。だから広域流動=本土への異動は〝片道切符〟だ。なぜなら、「1ブロック1拠点」化のもとでは沖縄のNTT職場はなくなることと同義だからだ。
青年労働者の怒りと結合し
もはや、NTT資本やNTT労組執行部が言う「雇用確保」に唯々諾々(いいだくだく)と従うわけにはいかない。電電公社時代に採用された労働者が毎年退職を迎えて職場を去り技術の継承もままならず、電通労働者が闘い取ってきた権利も奪われる一方だ。そして非正規職の労働者は、10年20年と働いても賃金も上がらず、正規職にもなれないという現実がのしかかってくる。このような現実に対する非正規職の青年労働者の決起は不可避であり実際に始まっている。動労総連合を全国に建設する闘いと一体で、非正規職撤廃を闘う電通労働運動に挑戦しよう。『前進』を武器に青年労働者と結びつき、体制内執行部を打倒して闘う労働組合をつくり出そう。
〔革共同電通労働者委員会〕