6・5国鉄集会に大結集し労働法制大改悪と闘おう 日韓連帯で朝鮮戦争阻止を
6・5国鉄集会に大結集し労働法制大改悪と闘おう
日韓連帯で朝鮮戦争阻止を
国鉄闘争全国運動が呼びかける6・5全国集会は目前に迫った。集会に大結集し、国鉄闘争を基軸に安倍の戦争と改憲、労働法制改悪の攻撃を打ち破ろう。集会には韓国・民主労総から鉄道労組ソウル地方本部のパクチョンソン本部長ら3人の代表団が参加する。6・5は日韓労働者の国際連帯で朝鮮侵略戦争を阻む闘いだ。集会の成功をばねに6~7月選挙決戦に躍り込もう。
「1億総活躍」叫び労働法を一括改悪
6・5集会は、国鉄分割・民営化に際して動労千葉組合員を解雇するために作られた「不採用基準」の不当労働行為性を最高裁に認めさせた昨年の6・30決定の地平に立ち、JRに直接、解雇撤回を迫る新たな1047名解雇撤回闘争への突入を宣言する集会だ。
同時にそれは、JR資本を最先兵に職場で具体的に始まっている「正社員ゼロ化・解雇自由化」の攻撃と対決し、その集大成としてある労働法制の大改悪を阻止するための集会だ。
そして、労働法改悪にゼネストで立ち向かう韓国・民主労総との国際連帯をさらに強固に打ち固め、朝鮮侵略戦争を阻むための集会だ。
さらに、6・5の大成功を跳躍台に、6〜7月選挙決戦に全力で突入するのだ。
安倍政権は、ついに労働法制大改悪に踏み込んできた。5月18日に安倍政権がまとめた「1億総活躍プラン」は、「同一労働同一賃金の実現に向けて、我が国の雇用慣行には十分に留意しつつ、躊躇(ちゅうちょ)なく法改正の準備を進める」「労働契約法、パートタイム労働法及び労働者派遣法の一括改正等を検討し、関連法案を国会に提出する」と押し出している。昨年9月に強行された労働者派遣法の改悪に続き、労働法制の抜本的・全面的改悪を強行するということだ。
同プランは「正規か、非正規かといった雇用の形態にかかわらない均等・均衡待遇を確保する」と言うが、これは正社員をなくし、すべての労働者を非正規職にして、正規と非正規の区別自体をなくしてしまうということだ。朝鮮侵略戦争が切迫する情勢のもと、これと一体のものとしての「労資関係における改憲」とも言うべき攻撃が本格的に始まろうとしているのだ。
安倍政権の労働者階級に対する攻撃の司令塔になっている産業競争力会議や規制改革会議では、そこに向けての議論があけすけになされている。
新自由主義のイデオローグであり、国際基督教大学教授の八代尚宏が産業競争力会議・雇用人材分科会に提出した意見書には、「派遣法の『常用代替防止』は、派遣社員との競争から熟練度の高い正社員を保護する、諸外国に例のない規定であり、対等な立場での競争条件を保障するべきである」と書かれている。実際、昨年9月の派遣法改悪で、そのとおりに「常用雇用代替禁止」の原則は破棄されて、企業は永遠に派遣労働者を使い続けられるようになった。
八代は「配置転換・転勤なしの条件で仕事がなくなれば雇用契約の終了という『職務・地域限定正社員』を、労働契約法における『社会通念上相当な働き方』として、広く普及させる必要がある」とも言う。
同会議に労働政策研究・研修機構研究員の濱口桂一郎が出した意見書は、もっと露骨に「(限定正社員の場合)労働契約で職務、労働時間、勤務地が限定されることの論理的帰結として、当該職務の消滅・縮小が解雇の正当な理由になるというだけ」「労働契約法16条は解雇を『規制』していない。『客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない』解雇を権利濫用(らんよう)として無効としているだけ。解雇できるのが原則」と言い放っている。
これらが示しているのは、戦後労働法制の原理的な転換だ。「限定正社員」「ジョブ型正社員」を社会に定着させることにより、総非正規化と解雇自由化を達成することはできると日帝ブルジョアジーは見ているのだ。
勤務地や職務が限定された「限定正社員」なら、事業所や職務が廃止されれば、たとえ無期雇用であっても即時解雇は有効になる。それが「社会通念」となる「正社員ゼロ社会」が安倍の目指しているものなのだ。
安倍がもくろむ労働契約法、パートタイム労働法、派遣法の一括改悪は、まさにそうした基本方針に基づき強行されようとしている。
労働契約法を盾に「正社員ゼロ」狙う
ところが連合中央は、安倍の1億総活躍プランに対し、「その内容には連合が提起してきた政策と重なる点も見られる」「雇用形態間の均等待遇原則の法制化は、連合が求めてきた政策であり、労働政策審議会において早急に議論をスタートすべきである」などとする逢見直人事務局長(UAゼンセン出身)の談話を出し、「プランに盛り込まれた課題を参議院選挙前のアドバルーンで終わらせる(な)」と安倍の後押しまでしている。日本共産党や全労連も、同一労働同一賃金を推進している点は同じだ。
「正社員ゼロ化・解雇自由化」の攻撃は、労働法の一括改悪を待たず、現場で次々と強行されている。その基盤となっているのが07年に制定され、12年に改悪された労働契約法だ。
同法の12年改悪で、有期契約が5年を超えて反復更新された労働者には、労働契約を無期契約に転換する権利が生じることになった。しかし、職場で現に進行している事態は、無期転換権の発生を阻止するため、非正規労働者を5年未満で雇い止めにする攻撃だ。
JR東日本の子会社のCTS(千葉鉄道サービス)がたくらむ就業規則改悪は、現在の契約社員とパート社員を「スタッフ社員」に変更し、更新4年目でスタッフ社員には試験を課して、不合格なら5年目の更新を行わず雇い止めにするというものだ。試験に受かっても雇用期間が無期になるだけで、時給制の「限定社員」にしかなれない。これは非正規労働者を大量に雇い止めにするとともに、その過程で産業競争力会議や規制改革会議が唱える「限定正社員」「ジョブ型正社員」を定着させてしまおうとするものだ。同様の攻撃は全産業で始まっている。
そのために資本は、労働契約法が就業規則改悪による労働条件の切り下げを「合理性」があれば可能としていること、同法が労働条件の決定は「労使合意の原則」によるとしていることを最大限に利用しようとしている。いわば「就業規則万能」論で、雇用破壊を強行しようというのだ。
闘えば勝てること実証した動労千葉
だが、これは労働者・労働組合の団結を徹底的に破壊しなければ貫徹できない。
動労千葉は16春闘2波のストライキでCTSの就業規則改悪4月1日実施を阻んだ。しかも、JR本体の労働者がCTSの非正規労働者の利害をかけてストに立ったことが決定的だった。
労働者を自由に解雇し、雇用を徹底的に破壊する攻撃に対し、労働者は自らの労働と人間的共同性の奪還をかけて反撃する。韓国やフランスを始め、全世界で労働者は労働法制改悪に対しゼネストに立っている。労働者が団結を崩さず反撃すれば、資本の攻撃に勝利できることを、動労千葉の闘いは示した。攻防の本格段階はこれからだが、緒戦で勝利をもぎり取った意味は大きい。正社員ゼロ化・解雇自由化に向けた攻撃と職場で一つひとつ反撃することこそが、ゼネスト情勢をこじ開けるのだ。
6・5国鉄集会で、労働法制改悪に対する壮大な反撃の陣形を生み出そう。国鉄1047名解雇撤回闘争はこの闘いの基軸になる。解雇撤回の新署名と動労千葉物販を武器に、6・5への総結集をつくり出そう。
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労働法制改悪の狙いを示す産業競争力会議の議論
「派遣法の『常用代替防止』は、派遣社員との競争から熟練度の高い正社員を保護する、諸外国に例のない規定であり、対等な立場での競争条件を保障するべきである」
「(限定正社員の場合)労働契約で職務、労働時間、勤務地が限定されることの論理的帰結として、当該職務の消滅・縮小が解雇の正当な理由になるというだけ」「労働契約法16条は解雇を『規制』していない。『客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない』解雇を権利濫用(らんよう)として無効としているだけ。解雇できるのが原則」