5・19国会前 新捜査手法の参院採決を弾劾 鈴木弁護士を先頭に抗議行動
週刊『前進』02頁(2750号01面02)(2016/05/26)
5・19国会前
新捜査手法の参院採決を弾劾
鈴木弁護士を先頭に抗議行動
(写真 国会に向けて「盗聴拡大、司法取引を許さないぞ!」「戦争と治安弾圧を粉砕するぞ!」とシュプレヒコール【5月19日 霞が関】)
5月19日の昼過ぎ、「現代の治安維持法と闘う会」の呼びかけで、刑事司法改革関連法案(新捜査手法)の参院での採決を阻止するため、20人が参議院議員会館前で集会と座り込みを行った。
闘う会の西村正治弁護士が「新捜査手法はデッチあげと冤罪(えんざい)を生み出す」と弾劾し、全学連の斎藤いくま委員長が立川駅街宣「傷害デッチあげ」弾圧を粉砕する決意を語った。葉山岳夫弁護士が「新捜査手法は現代の治安維持法そのもの。しかし、これを日弁連の執行部が推進している」と弾劾し、「取り調べには完黙が原則だ」と訴えた。
鈴木たつお弁護士が、NHKの籾井会長の熊本地震に関して「原発について政府発表以外は報道するな」と言った言論統制や舛添都知事の公金不正支出、オリンピック招致の裏金問題などを弾劾し、「革命をもって戦争情勢と対決していこう」と訴えた。
刑事訴訟法など10本を一括改悪する刑事司法改革関連法案は参議院法務委員会で採決が強行され、自民、公明、民進などの賛成多数で可決された(翌日、本会議で可決)。集会参加者は怒りを込めて弾劾のシュプレヒコールをたたきつけ、最後まで廃案へ向けて闘いぬくことを確認した。
新捜査手法は、取り調べの録音・録画、盗聴の拡大、他人を売り渡せば罪が軽くなる司法取引の導入などだ。
取り調べの録音・録画は日弁連執行部が「可視化」などと呼ぶがそんなものでは断じてない。4月に裁判員裁判で判決が出された栃木・今市事件では、被告本人が否認し、客観的証拠がないにもかかわらず「自白」の録画映像のみで無期懲役判決が下された。このように、密室での取り調べを捜査機関が録音・録画し、その一部分を裁判でデッチあげの証拠として使うというものだ。
盗聴拡大は、盗聴の対象とする犯罪を拡大し、通信事業者の立ち会いがなくても盗聴できるように警察に対する規制を取り払った。司法取引は他人の犯罪の供述、あるいは証拠を出せば起訴を免除されたり、減刑を受けるという制度だ。
これらは安倍政権の戦争と治安弾圧を狙う攻撃だ。新捜査手法法案を絶対に廃案に追い込もう。