6・5国鉄集会への大結集で労働法制大改悪と対決しよう 戦争・改憲―雇用破壊の安倍打倒を

週刊『前進』02頁(2748号02面01)(2016/05/19)


6・5国鉄集会への大結集で労働法制大改悪と対決しよう
 戦争・改憲―雇用破壊の安倍打倒を

「JRに法的責任あり」武器に分割民営体制粉砕へ

 国鉄闘争全国運動は、国鉄1047名解雇撤回闘争の解体を狙った2010年4・9政治和解の大反動に対して「国鉄闘争の火を消すな!」の旗のもと、これまで国鉄闘争をともに闘ってきた全国・各界の人びとを結集して始まった。
 国鉄闘争全国運動が呼びかける6・5全国集会(要項1面)の最大の獲得目標は、国鉄闘争を継続・発展させ国鉄闘争全国運動を第2ステージへと前進させることだ。昨年6・30最高裁決定で「JRに法的責任あり」は明確となり、国鉄闘争は再びみたびJRに解雇撤回・JR採用をストレートに要求する闘いに到達した。国鉄1047名解雇撤回闘争はこれからが本番だ。
 1047名解雇をめぐる1998年5・28東京地裁判決は、「JRは旧国鉄と別法人であり、JRに不当労働行為責任はない」という黒を白と言いくるめる超反動判決だった。国労本部はこれに立ち向かえず、ほどなく国鉄改革法の承認に行き着き、反対する組合員を警察に売り渡すところまで転落した。
 他方、この5・28判決を逆バネに全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部・全国金属機械労組港合同・動労千葉の3労組共闘(98年11・8全国労働者総決起集会)が始まった。
 国鉄分割・民営化は日本における新自由主義の出発点だった。中曽根政権による労働組合破壊の国鉄分割・民営化攻撃に2波のストライキで闘った動労千葉を除き、国鉄労働運動は闘わずして降伏した。そして1970〜80年代に同質の攻撃を打ち破って前進してきた関生、港合同、動労千葉の3労組が4・9政治和解を打ち破って国鉄闘争全国運動を生み出し、新自由主義と闘うあらゆる努力と結合して、今日の地平にたどり着いた。
 国鉄闘争は、1047名解雇撤回闘争と外注化阻止闘争を両輪に国鉄分割・民営化体制を粉砕する新たな段階に入る。これは新自由主義への反転攻勢であり、それを逆包囲する闘いだ。国鉄闘争を軸に新自由主義と闘う労働運動を創り出そう。

「合意の原則」で労働法制の根幹壊す労働契約法

 燃費データ不正が発覚した三菱自動車は日産傘下に入った。不正経理が発覚した東芝と台湾企業に身売りしたシャープの営業赤字は計1兆円、三井物産・三菱商事・住友商事など5大商社の減損も計1兆円近い(16年3月期決算)。
 大恐慌の中で絶体絶命の危機に駆られた日帝ブルジョアジーは、外への侵略戦争と内への階級戦争の攻撃を仕掛けている。安倍政権は改憲・戦争と労働政策の原理的大転換という2大攻撃に踏み込んできた。労働法制改悪は労資関係における改憲だ。いずれも核心は労働組合の破壊にある。これとの対決こそ国鉄闘争の戦略的課題である。
 安倍政権の労働政策転換の土台にある労働契約法は、「戦後労働法体制」の原理的転換を狙って制定された。労働契約法は民法に代わる特別法とされている。労働者を保護するため最低限度の労働条件を資本に強制する労働基準法とはまったく違う。労働契約法は、その根本に「労働者と使用者の自主的な交渉のもとで、労働契約が合意により成立し、または変更されるという合意の原則」(1条)を置いている。これは労働者保護や労働組合を法認して集団的労使関係で労働条件を形成することを前提に置く戦後労働法体制を土台から否定するものだ。
 労働契約法は就業規則改悪による労働条件変更を法制化し、さらに「労働契約の内容は就業規則で定める労働条件とする」と明記した。採用時に就業規則を示せば、それは労資で合意した労働契約となるというのだ。
 就業規則の不利益変更について、従来の判例では「高度の必要性を要する」とされてきたが、労働契約法はこれを「合理性」にダウンさせた。しかも、変更後に採用された労働者には、変更された就業規則が労働契約の内容になるという法的構成になっている。
 解雇濫用(らんよう)規制法理(16条)についても、安倍政権の産業競争力会議は「(労働契約法の考え方として)16条は解雇を規制しておらず解雇は原則可能であり、例外的に濫用が規制されているだけ」と主張し、現在でも金銭解雇は可能だとして、法律で金銭基準を設定することを提案している。労働時間規制の適用除外(残業代ゼロ制度)についても、労働者が同意すれば問題ないというロジックで強行しようとしている。
 第1次安倍政権は教育基本法改悪、改憲国民投票法制定、防衛庁の省への格上げなどを強行したが、07年8月、戦後労働法制の転覆を狙った労働国会の渦中に政権を追われた。その後、福田政権によって同年11月に労働契約法は成立した。だが08年リーマンショック後の派遣切りなどへの怒りが爆発して自民党政権はいったん打倒された。民主党政権と連合により、労働契約法は「5年で無期転換」制度導入や「有期と無期との間の不合理な労働条件の違いの禁止」など、階級協調的な調整が加えられ、派遣法も日雇い派遣の原則禁止や違法派遣の場合の派遣先への直接雇用規定などの改定が行われた。
 2011年3・11などを経て12年に政権を奪回した安倍政権は、第1次政権時とは比較にならない危機の中で、昨年の派遣法の大改悪を手始めに戦後労働法制を粉砕・一掃し、雇用と労働を根本から破壊する攻撃に出てきたのだ。

朝鮮侵略戦争を労働者国際連帯とストで阻もう

 それに先行・並行して、あらゆる産別・職場で激しい雇用破壊・賃金破壊・労働破壊の攻撃が始まっている。
 JRでは、千葉鉄道サービス(CTS)が、労働契約法18条で規定された有期雇用の無期転換制度を悪用して、契約社員・パート社員に勤続5年を超える前に試験を受けさせ、選別された労働者のみを無期雇用で新規採用し、残りは雇い止めにする雇用制度改悪を強行しようとしている。まさに国鉄分割・民営化方式の解雇攻撃だ。
 JRだけでなく郵政や自治体などあらゆる産別で労働契約法を悪用した雇用破壊・労働破壊の攻撃が吹き荒れている。安倍政権の雇用・労働政策の大転換は、正社員をゼロにする大攻撃である。
 安倍政権の「外への侵略戦争と内への階級戦争」の大攻撃と対決し、労働者の団結を回復し、総反撃を開始する時だ。
 安倍政権は5月伊勢志摩サミット後の27日に被爆地・広島に米帝オバマを招き入れ、米日帝による朝鮮侵略戦争=核戦争のために反戦反核闘争をたたきつぶそうとしている。だが、この戦争・改憲への突進は大恐慌の深化、アベノミクスの総破綻などで追いつめられた末の絶望的なあがきだ。安保戦争法に対する数十万人の国会包囲の闘いや各地で勃発するストライキは、階級情勢の転換を告げている。
 韓国や欧州でも労働法制改悪に対して繰り返しゼネストが闘われている。国鉄闘争の勝利の地平は、全世界の労働者の新たな決起と団結を生む。6・5国鉄集会は朝鮮侵略戦争阻止の国際連帯集会だ。
 労働運動の再生は可能だ。新署名運動を全国で展開し、6・5集会を大成功させ、戦争・改憲と労働法制改悪に反撃を開始しよう。6〜7月の選挙決戦に総決起しよう。
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