●2016年メーデーアピール 新しい労働者の政党を 鈴木たつお弁護士を国会へ 動労総連合とゼネストで安倍倒そう

週刊『前進』02頁(2744号01面01)(2016/04/28)


●2016年メーデーアピール
 新しい労働者の政党を
 鈴木たつお弁護士を国会へ
 動労総連合とゼネストで安倍倒そう

(写真 鈴木たつお弁護士 元日放労【NHK労組】長崎分会委員長。職場で反戦闘争、組合運動を取り組む。1991年に弁護士登録。労働者・学生の権利のために闘う。現在、動労千葉顧問弁護団、星野文昭さん再審弁護団などを担う。「許すな改憲!大行動」代表呼びかけ人。1940年生まれ。)


 全国でメーデーに集まった労働者のみなさん! 九州・熊本大震災からおよそ半月の間に、安倍政権の腐敗ぶりがどんどん明らかになっています。「命より金もうけ」の新自由主義がもたらした社会の崩壊が、被災した多くの人びとの命を、そして私たち労働者の未来を奪おうとしています。今こそ怒りの声を結集し、闘いのメーデーを復権させましょう。全国全民衆の団結で被災地を救援しましょう。6・5国鉄闘争全国集会と7月選挙で新しい労働者の政党を登場させよう!

被災地救援・原発とめろ

 九州・熊本大震災の中で、安倍政権への怒りの声が全国で巻き起こっています。安倍が最初に震災対策本部長に任命した松本文明(自民党、内閣府副大臣)は、昼夜を問わず住民のために奮闘する被災地の自治体労働者に向かって、「物資が被災者に行き届かないのはあんたらの責任だ。政府に文句を言うな」などと罵倒(ばとう)したあげく、選挙への影響を恐れた安倍によってわずか6日間で更迭されました。
 また政府は、すべてのライフラインが停止しているにもかかわらず、最も危険な原発の稼働は続けています。安倍首相の「盟友」であるNHK・籾井勝人会長は、「原発については公式発表のみ」を報道するようにと指示を出し、政府に都合の悪い事実を隠すことに努めています。その上、米軍のオスプレイまで受け入れて「震災対策」を口実とした事実上の軍事演習まで行っています。
 こうした現実に対し、動労総連合・九州の声明(本紙前号掲載)は、怒りを込めて以下のように訴えています。
 「安倍政権をはじめとした歴代政権は、......1%の資本家ばかりを優遇・救済する政策を実行する一方、99%の労働者民衆の健康と生活に関わる地方や福祉の切り捨てを続けてきました。その結果、地方は......過疎化・高齢化、貧困と荒廃の震源地になってきました」「どの自治体も病院、学校、役場など労働者民衆の社会生活に直結した施設の人員削減を行わざるをえず、......手つかずの現状が放置されてきました」
 現在、地震により熊本県内で役場庁舎や病院が倒壊し、使用不能となっています。本来防災本部や避難場所となるべき施設の耐震整備が遅れたのは、まさに新自由主義による地方切り捨てが原因です。2003年時点で熊本県に94あった市町村は、たった7年間で45に減らされました。この巨大な合理化攻撃で人員・予算が削減され、自治体の労働組合が解体されました。すべては、この新自由主義が元凶です。同時に、その出発点となった1980年代の国鉄分割・民営化に屈服し、外注化・非正規職化を認めてきた既成の労働組合指導部の問題です。
 だからこそ今、労働組合が被災地支援、民営化・外注化絶対反対、非正規職撤廃、そして何より「安倍打倒!」を掲げて先頭に立つことが必要です。労働組合の闘いなくして、命も安全も守れない。それが「3・11」の教訓です。
 今こそ、必死に生き抜く被災地の人びとと力を合わせ、自治体や郵政、学校をはじめとする労働組合が先頭に立って、私たちの労働と社会そのものを取り戻しましょう!

労働者は国境越えて一つ

 新自由主義とその破綻に対する怒りは全世界で巻き起こっています。パナマ文書は世界の支配階級がタックスヘイブンを利用してばく大な脱税をやり、ぼろもうけし腐敗しきっている現実を明らかにしました。これへの労働者の怒りが国境を越えて爆発しています。日本の企業もタックスヘイブンで約15兆円を脱税しているといわれています(これもほんの一部。これだけあれば被災地も救援できるし、消費税を増税する必要などないではないか!)。
 今年のメーデーは世界の労働者にとって、団結の新たな出発点です。フランスでは、非常事態宣言下の激しい弾圧を打ち破って3月31日、120万人の大デモとゼネストが闘われました。解雇や労働時間の延長をより容易にできるようにする労働法制の改悪に反対し、学生と労働者が一体となって闘っています。
 韓国では、労働法制大改悪と対北朝鮮の戦争を狙うパククネ政権に対して、4月13日の総選挙で怒りの審判がうちおろされ、与党・セヌリ党は惨敗にたたき込まれました。この闘いの原動力となったのは、2千以上の組合・80万人を組織する民主労総の何波にもわたるゼネストです。民主労総は、ハンサンギュン委員長をはじめ74人の指導部を警察に拘束されながらも、この弾圧をものともせず「労働改悪阻止・最低賃金1万㌆」「朝鮮戦争阻止」を掲げてメーデーを闘い、さらに6月大ゼネストへと突き進んでいます。
 アメリカでは、国際港湾倉庫労組(ILWU)ローカル10が「黒人組合員の虐殺弾劾」「最低賃金15㌦」などを掲げ港湾封鎖行動に立ち、そこに地域の労働組合や学生団体が結集して西海岸地域全体のメーデー闘争をかちとっています。アメリカはメーデー発祥の地でもあります。今から130年前、シカゴの労働者が「8時間労働制」を掲げてストライキに立ち上がったのがメーデーの始まりです。
 そして日本においても、30年にわたって闘い抜かれてきた国鉄分割・民営化反対闘争を先頭に非正規職労働者、とくに青年労働者が立ち上がり、勝利する展望を開いています。とりわけ今、安保・戦争法を強行し、改憲=9条破棄へと突き進もうとする安倍に対して、日本の労働者・労働組合の闘いが世界中から注目されています。今こそ戦争反対で闘う労働組合をよみがえらせ、安倍を打倒する時です。
 労働者階級は国境を越えて一つの階級であり、こうした全世界の仲間とともに、その一員として闘うことで戦争をとめ、社会を根底から変革する存在です。労働者の国際的団結を行動でうち固める本物のメーデーを、ともにかちとりましょう。

正規・非正規が団結し闘う

 安倍政権は改憲・戦争の攻撃と一体で、労働法制改悪による総非正規職化と、闘う労働組合の解体を狙っています。改悪労働契約法の「5年ルール」によって2018年には1400万人の有期雇用労働者を雇い止めにし、さらに改悪派遣法によって3年で職場から労働者をたたき出す攻撃をかけています。これは労働者を全員非正規・一生非正規へとつき落とす攻撃です。
 こうした中で、動労総連合の先頭に立つ動労千葉(国鉄千葉動力車労働組合)は、JRの下請け会社である千葉鉄道サービス(CTS)の非正規職労働者と団結してストライキを闘い、改悪労働契約法に基づいて5年で雇い止めとする「就業規則改悪」の導入を阻止しました。
 また生コン車を運転する3カ月雇用の非正規労働者で組織する東京西部ユニオン鈴木コンクリート工業分会は、組合破壊の雇い止めを次々と粉砕しています。同じく合同・一般労働組合全国協議会の小竹運輸グループ労組は4月20日、労働委員会で組合側の主張を全面的に認めさせる画期的な大勝利をかちとっています(2面に記事)。
 非正規労働者は「救済の対象」ではなく、労働組合の先頭に立って現在の労働運動をぬりかえる中心勢力です。そもそも解雇などの攻撃は、一部の「労働貴族」が牛耳る労働組合が安倍や資本家に協力することでしか成立しません。だからこそ安倍は闘う労働組合の復活を恐れ、連合すら分裂させようと策動しています。今こそ非正規・下請けの労働者が自らの手に労働組合を取り戻し、一人ひとりが新たな組合指導部を担う時です。
 今ある既成政党はもうダメです。民進党も日本共産党も、新自由主義と闘う労働運動をまったくやらず、戦争絶対反対で闘うこともできません。日本共産党はこの間、京都大学の反戦ストを「犯罪」呼ばわりして弾圧に手を貸し、さらに都内でも反戦ビラを学内でまいていた全学連の学生を警察に通報し逮捕させました。絶対に許せません!
 今、必要なことは資本主義社会をひっくり返す革命です。そのために闘う労働者・労働組合が中軸となって、農民、女性、高齢者、障害者、外国人労働者や被差別部落民など、資本主義・新自由主義によるあらゆる抑圧と分断への怒りを、新しい政治勢力として結集させましょう。
 それが7月選挙決戦の課題です。参議院東京選挙区にはNHK労組出身の鈴木たつお弁護士、衆議院解散・総選挙となれば東京8区・杉並で斎藤いくま全学連委員長が出馬を表明しています。これまでの政党の枠をうち破る新しい労働者の政党を首都・東京に荒々しく登場させましょう。闘う労働者の政治新聞である本紙『前進』は、そのための武器です。
 最後に、今の社会のあり方に怒り、変革を求めて闘う全国の労働者・学生のみなさんに訴えます。マルクス主義青年労働者同盟、マルクス主義学生同盟、革命的共産主義者同盟に結集し、労働者党建設の壮大な事業をともに担い、日本革命―世界革命に勝利しようではありませんか。

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