安倍の労働法制改悪に棹さし資本主義に幻想あおる共産党
週刊『前進』04頁(2743号02面03)(2016/04/25)
安倍の労働法制改悪に棹さし資本主義に幻想あおる共産党
7月参院選に向けて日本共産党は、〝資本主義の枠内でブラックな働き方を変える改革提言〟なるものを言い出した。その内容は非正規職化と貧困に怒り立ち上がる労働者の闘いを抑えつけ、資本主義への幻想をあおって、安倍政権による戦争・改憲と一体の労働法制大改悪の攻撃に棹(さお)さすものだ。
「同一労働同一賃金」を主張し安倍を尻押し!
共産党の参院選東京選挙区候補・山添拓の「改革提言」パンフは、「同一労働同一賃金」を掲げて安倍の攻撃の尻押しをしている。「正規でも非正規でも同じ仕事には同じ賃金を」は、安倍の主張とうり二つだ。安倍は非正規職労働者の怒りを逆手にとって、「同一労働同一賃金のための法改正」を表明し、人事評価・選抜試験による成果主義の人事・賃金体系への大転換、総非正規職化と大幅賃下げ、労働者の分断・団結破壊を正規職の中にも非正規職の中にも持ち込もうとしている。改悪労働者派遣法や労働契約法は「限定正社員制」と一体で、正規職も含め全労働者を「全員非正規」「一生非正規」にする極悪の法律だ。それをさらに改悪しようというのだ。
これに対し4月15日付『赤旗』は、「安倍首相が同一労働同一賃金の実現を表明するなか、同一労働同一賃金を真に具体化するために何が必要なのか考え合おう」とする全労連の学習会を報じ「同一労働同一賃金を実現するためには職務を評価する基準も必要だ」とまで強調した。
資本にすり寄り労働者の怒りと闘いねじ曲げる
しかし評価制度こそ安倍の攻撃に手を貸す主張だ。同一労働同一賃金のペテンを許してはならない。そうではなくて「生活できる賃金を払え!」の闘いが必要なのだ。労働者の4割が非正規職だ。労働者はバラバラにされて誇りを奪われ、過労死寸前までこき使われて首を切られ、生活できるだけの賃金ももらえない。職場に怒りがあふれ、動労総連合を先頭に「生きさせろ!」の16春闘ストライキが闘われている。安倍打倒のゼネストへ、一律大幅賃上げ、解雇絶対反対、非正規職撤廃・外注化阻止、派遣法・労契法廃止こそ闘いのスローガンだ。
この決戦の時に、資本と非和解的に激突する労働組合の現場の闘い抜きに「ブラック企業規制法制定で総ホワイト化」できるとする主張は、資本主義への幻想と階級協調をあおり、資本にすり寄って労働者の闘いに敵対するものだ。
同パンフは「企業全体が賃上げに踏み切れば、国内の消費が上向き、企業の経営環境の根本的な改善に」「景気回復のカギは賃上げ」とまで言った。そうではない。大恐慌は資本主義の生命力が最後的に尽きたことを示している。1930年代や戦後革命期を超える戦争と革命の時代の到来であり、階級的労働運動が躍り出る時だ。労働者の敵、日本共産党スターリン主義を許してはならない。
ゼネストを闘い社会を奪い返す労働者の政党を
共産党は「日本は1億総ブラック化」「合法ブラック拡大阻止を」と言う。しかし追いつめられているのは安倍の側だ。安倍の労働法制大改悪に対し、国鉄決戦を基軸に職場の絶対反対のストとゼネストで闘おう。国鉄解雇撤回闘争を解体し労働運動総体の絶滅を狙った2010年4・9政治和解に共産党幹部も率先して応じた。この金銭解雇攻撃との対決は労働法制大改悪をめぐる決戦の前段といえる闘いであった。これに勝ちぬいた動労千葉―動労総連合を先頭に、解雇撤回・原職復帰、外注化阻止・非正規職撤廃のストライキが、安倍と資本の支配を揺るがしている。
動労千葉のCTS就業規則改悪4月実施阻止の勝利こそ、正規・非正規の全労働者の怒りを結集し、労働法制大改悪の階級戦争に立ち向かって、資本主義を打ち倒す闘いの始まりだ。5・1メーデーを闘い、国鉄闘争全国運動の6・5集会に大結集し、7月選挙決戦に攻め上ろう。ストで闘う労組拠点建設を進め、新しい労働者の政党をつくりだそう。
(大迫達志)