熊本大地震 川内原発を今すぐ止めろ 自衛隊と米軍で住民圧殺する安倍

週刊『前進』02頁(2742号01面02)(2016/04/21)


熊本大地震
 川内原発を今すぐ止めろ
 自衛隊と米軍で住民圧殺する安倍

新自由主義で自治体が崩壊

 4月14日から九州の熊本県〜大分県で繰り返し発生している大地震は、甚大な被害を出している。倒壊した家の下敷きとなって42人が亡くなり、なお10人前後が不明だ(4月17日現在)。地震活動は収束するどころか、他の断層帯に影響を及ぼし、新たな地震活動が北東および南西方向に拡大しつつある。
 今回の震災は「第二の阪神・淡路」「第二の3・11」ともいうべき大震災だが、発生した災害や事故、復旧対応や原発継続政策に、新自由主義日帝と安倍政権の超反動性があらわになっている。
 20万人の住民が避難生活を余儀なくされているが、水も食糧も足りず、避難所も足りていない。停電・断水で病院も機能せず、薬も医師も不足している。報道によれば、障害者が体育館の外でブルーシートで雨をしのいでコンクリートの上に寝ているという。
 この間、安倍と支配階級は資本の危機を救うために、公営部門の民営化、外注化・非正規職化を進め、徹底的に自治体職員の数を減らし、病院や学校の廃止・統合を行い、社会保障を解体してきた。鉄道・道路・水道・治山・治水・営林など、住民生活に不可欠な事業を切り捨て、地方を過疎化し荒廃させてきたのだ。

この大震災は階級的災害だ

 これらすべてが震災被害を拡大し、大規模災害が起きた時の自治体の対応能力を完全に失わせた。だからこれは「抵抗し難い自然災害」というものではなく、絶望的に延命してきた帝国主義・新自由主義の反人民的な施策がもたらした「人災」「階級的災害」というべきである。
 さらに許しがたいことに、安倍政権と九州電力は、すぐ近くで大地震が頻発しているにもかかわらず、九州電力川内原発1、2号機(鹿児島県薩摩川内市)の運転を続けている。丸川珠代環境相は16日の震災対策本部会議で「原子力規制委は川内原発を停止させる必要はないと判断した」と報告し、運転の継続を容認した。これが安倍政権の「原子力防災担当相」なのだ!
 菅官房長官も「現状において停止する必要はない」と強調した。だが、震源域は北東方向だけでなく、日奈久断層帯の南西方向、つまり川内原発に近い方向にも広がっている。すでに原発周辺の震度は5弱だ。現在もなお原発が稼働しているために、被災地の人びとがどれほどの不安やストレスを負わされていることか。原発事故が起きてからでは遅いのだ。ただちに川内原発の運転を止めろ!
 さらに今回の地震は関東から九州まで続く約千㌔の大きな断層帯「中央構造線」の延長上で起きている。孤立した断層が動いたのではない。今後、震源が北東へ延びて中央構造線に波及する可能性も指摘されている(地図参照)。四国の北側海岸線に沿って伸びる「中央構造線」の6㌔南に四国電力伊方原発(愛媛県伊方町)がある。原子力規制委員会が3月に伊方原発3号機の工事計画を認可し、四国電力は7月下旬再稼働を狙っているが言語道断である。地元の自治体労働者、地元住民と連帯し再稼働を絶対に阻止しよう。

九州新幹線で全車輪が脱線

 JR九州の安全無視体質、九州新幹線の危険性もあらわとなった。走行中の回送列車(6両編成)が14日夜の大地震で脱線した。48の車輪すべてがレールから外れたのである。新幹線の脱線事故は中越地震や3・11東日本大震災などで過去3件あるが、全車輪脱線は初めてだ。そもそも脱線の現場にはレールの内側に「脱線防止ガード」を設置していなかった。JR九州の幹部は「強い揺れを想定していなかった」と許しがたい安全無視発言を行っている。
 安倍首相は、自衛隊員2万5千人を出動させた。防衛省・自衛隊は陸・海・空自の統合任務部隊を編成し、航空機や艦艇なども投入。この3年間で事故率が倍増した米海兵隊の危険な殺人輸送機オスプレイまで飛ばした。まさに治安出動であり、戦争訓練そのものである。安倍政権は大震災の発生に右往左往しながらも、だからこそ自衛隊の大量動員をもって「緊急事態」条項の先取り的発動を狙い、被災地を軍隊で制圧し、労働者人民の怒りと闘いが爆発することを力づくで抑えつけようとしている。
 大震災をめぐって完全に階級的激突情勢である。大恐慌とアベノミクスの破産で、伊勢志摩サミットを前に、安倍は決定的に危機を深めている。国鉄決戦を軸に改憲・戦争絶対阻止、安倍打倒を闘おう。

動労総連合と共に救援を!

 動労総連合・九州が救援運動の呼びかけを発した。動労福島もカンパを訴えている。動労福島の組合員のKさんは今回大きな被害が出た熊本県益城町の出身で、実家の両親が被災した。被災者に支援のカンパを送ろう。
 5月沖縄闘争の大高揚をかちとり、伊勢志摩サミットを粉砕し、辺野古新基地建設を絶対に阻止しよう。朝鮮侵略戦争阻止、外注化粉砕・非正規職撤廃、労働法制改悪阻止、安倍打倒をかけて、7月選挙決戦に総決起しよう。
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