生涯非正規と労組解体狙う 労働契約法は撤廃を

週刊『前進』04頁(2741号02面03)(2016/04/18)


生涯非正規と労組解体狙う
 労働契約法は撤廃を


 安倍政権と資本は、戦争・改憲と一体のものとして労働者を総非正規職化する攻撃に躍起となっている。
 その攻撃の先頭に立っているのがJRだ。JR東日本の子会社であるCTSは、非正規労働者の契約期間を最長5年に制限し、試験に合格した者だけを継続雇用するという就業規則の改悪をたくらんだ。だが、動労千葉の2波の春闘ストライキは、850人のCTS労働者の怒りを引き出して、就業規則改悪の4月1日実施を阻んだ。
 JP資本は、スキル評価でC以下の労働者は雇い止めにするという制度を導入し、JP労組はこれに合意した。
 こうした攻撃のテコとして使われているのが、改悪労働契約法だ。
 12年に改悪され13年4月に施行された改悪労働契約法第18条は、有期契約が5年を超えて反復更新された労働者には、労働契約を無期契約に転換する権利が生じると定めている。
 だが、改悪労働契約法の真の狙いは、5年未満で非正規労働者を雇い止めにし、徹底した雇用の流動化を進めることにある。実際、労働契約法を解説した厚生労働省のパンフレットは、5年を超えて継続雇用する労働者を選抜するための「ルールの制定」や、「一時的業務」に携わる労働者に対してあらかじめ短期の雇用期間を明示するよう、資本に促している。
 07年に制定された労働契約法は、労働組合を解体し、資本による一方的な労働条件の決定を可能にして、総非正規職化を進めるためのものだ。
 それまで労働基準法に盛り込まれていた労働契約や就業規則に関する規定は労働契約法に移されて、労基法からは削除された。労基法は、例えば36協定も結ばず1日8時間以上の労働を強いた使用者への刑事罰を定めているように、使用者に刑罰を科すことによって最低限の労働条件を確保することを目的とする法律だ。だが、労働契約法は「民法の特別法」とされ、使用者への罰則もない。また労働組合と資本との団体交渉はまったく位置づけられず、労働条件の決定は資本と個々の労働者との契約にゆだねられている。これは、労働者は資本の言いなりになれというに等しい。
 また労働契約法第16条には、資本に解雇権があることが明記された。
 さらに労働契約法第10条は、就業規則の改悪による労働条件の切り下げも「合理性」があれば可能としている。御用労組が合意すれば、就業規則改悪に「合理性」があるとされてしまうのだ。
 また、法制定過程の当初には、金銭解雇制度を労働契約法に盛り込むこともたくらまれていた。
 労働契約法は撤廃・粉砕の対象だ。非正規労働者を5年未満で雇い止めにする攻撃が全職場で始まっている。これとの闘いは、2千万非正規労働者、全労働者階級の命運をかけた決戦だ。労働法制改悪にゼネストで立ち向かう韓国やフランスなど全世界の労働者と連帯し、非正規職撤廃へ立ち上がろう。CTS就業規則改悪を阻止した動労千葉に続き、非正規職労働者の怒りを結集して労働契約法を労働者派遣法ともども葬り去ろう。

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