三里塚誘導路裁判 「市東は騒音を受忍せよ」 国の主張を徹底弾劾

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週刊『前進』04頁(2735号03面04)(2016/03/28)


三里塚誘導路裁判
 「市東は騒音を受忍せよ」
 国の主張を徹底弾劾


 3月15日、千葉地裁民事第3部(阪本勝裁判長)で、第3誘導路裁判の弁論が開かれた。三里塚芝山連合空港反対同盟と顧問弁護団、支援の労働者・学生は、天神峰・市東孝雄さんに対する新たな攻撃に出てきた国・成田空港会社(NAA)に対して、激しい怒りで闘いぬいた。
 被告の国・NAAが今回出してきた準備書面の新たな主張は、市東さんに対する攻撃の重大なエスカレートである。「原告・市東は、自由意思で天神峰の家に戻り住み続けているから、騒音被害を受忍すべきだ。市東の居宅は、土地収用法で収用されるはずだった土地なので、人の居住を予定していない。騒防法、騒特法が騒音被害からの保護を規定する対象は〈空港周辺〉であり、騒音の発生源である空港敷地に住む市東には、騒音を受けない利益を保護する法律はない。市東に原告適格はない」
 一字一句を、怒りなしに読むことはできない! 〝自分の意思で戻り住んでいるのだから、騒音を我慢しろ。嫌なら出て行け〟とは、居直り強盗の論理であり、古今東西の侵略者、略奪者が使ってきた論法だ。
 午前10時30分開廷。裁判長交代に伴う更新意見陳述として顧問弁護団は直ちに発言に立った。
 成田空港は、住民の反対の意思を暴力で打ち砕いて開港し拡張してきた違憲・違法の存在だ。そして今度は、〝市東さんの受けている騒音被害は法律の埒(らち)外だから耐え忍べ〟と言い出した。本末転倒だ! 
 市東家は90年以上営農してきた。そこに空港が割り込んできた。事業認定の期限が切れて失効し、土地収用法による土地収用は不可能になった。だから市東さんは農業を継ぐ決意を固めて戻ってきた。その市東さんを追い出すために建設されたのが第3誘導路だ。国・NAAは「成田の公共性」を主張するが、農業を破壊して造られる成田空港は反公共的存在だ。市東さんは自宅と畑を空港施設に包囲され、日々巨大な騒音にさらされる被害者だ。第3誘導路を違法と認めよ。
 圧倒的な陳述が展開され、傍聴者席からの怒りの声も廷内に響くと、阪本裁判長はいら立ち「発言するな」と繰り返した。だが「裁判長こそ陳述を聞け!」という反撃に直面し立ち往生した。
 次回期日を5月17日として閉廷した後、千葉県弁護士会館において伊藤信晴さんの司会で報告集会が開かれた。
 葉山岳夫弁護士を始め弁護団全員が発言し、被告側の準備書面を弾劾し大反撃を約束した。
 また被告らが「原告の騒音調査はあてにならない。防音工事をやれば被害は大したことはない」「地元経済界、地元住民から第3誘導路建設など空港機能拡張への期待が強い」とぬけぬけと主張していることについても徹底的に批判した。
 動労千葉の滝口誠さんが連帯発言に立ち、CTS(千葉鉄道サービス)就業規則改悪の4・1実施を延期に追い込んだことを報告し、3・17スト総決起集会への参加を呼びかけた。
 3・27三里塚全国集会大結集を確認して報告集会を終えると、反対同盟と支援連は千葉市繁華街に繰り出し、強風の悪条件にもかかわらず、農地取り上げ反対緊急5万人署名を訴える情宣活動を行った(写真)。

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