変える力はここにある 反原発福島行動が大高揚 集会での発言から

週刊『前進』02頁(2732号02面01)(2016/03/17)


変える力はここにある
 反原発福島行動が大高揚
 集会での発言から

(写真 デモ到着地点のJR郡山駅前で全参加者が再稼働阻止を誓い団結ガンバロー【3月11日】)

(写真 京大バリストへの不当弾圧と闘う学生がステージ上に並び、6人奪還と全国大学ストへ熱烈に決意表明)

原発のない時代を
 浪江町・希望の牧場代表 吉沢正巳さん

 第一原発の見える14㌔地点、空間線量が毎時2㍃シーベルトの放射能の中で、330頭の牛と運命をともにしています。原発の時代をのりこえるために残り人生をかけて頑張りたい。
 浪江町は発電所も原発もない町だ。しかし僕らの町にはもう意味がない。大勢の避難民は、新しい場所に新しい人生の根っこを張るために移住しようとしている。2万1千人の町が崩れようとしている。まともな産業やなりわいをつくることもできない。
 長い間、原発に依存しながらやってきた浜通り、双葉郡は、この原発の放射能によって意味を失おうとしております。
 あの中間貯蔵施設、できないでしょう。そうなればあの山のような3千万袋におよぶフレコンバッグは、そのまま仮置き場に残る。「やってます除染」「見えるところ除染」、あれはアリバイです。放射能は消えない。除染したって消えるわけじゃない。
 だから僕は原発事故が起きるとどうなるか、全国の立地自治体のところに行って、宣伝カーで一生懸命訴えています。
 戦争の時代も迫ろうとしている。僕たちは生きている間に必ずこの戦争の時代、原発の時代を終わりにする。そういう決意で、残り人生のテーマとして闘うことを、みんなの胸にぜひとも刻んでほしいと思います。
 みなさん、僕の牧場を見に来てください。2㍃シーベルトだよ。場所によっては9㍃もある。僕は5年間、330頭の牛とともに生きる意味を考え続けてます。牛たちに斑点が出ています。被曝の影響に間違いありません。国に対してこの斑点と被曝の因果関係の解明を求めても、彼らは逃げている。
 戦争の時代、原発の時代、やっぱり実力闘争が大事です。実力闘争によって、最終的に物事を決するべきだ。
 みなさん、新しい実力闘争をつくり出そう。広く深く、全国に津々浦々に広がるうねりをつくり出そう。

再稼働と闘う現場から

高浜原発止めたぞ
 京都府職員労働組合舞鶴支部 長岡達也さん

 福井県高浜原発から約10㌔、京都府ですが、日本海側は若狭湾に面した舞鶴で働いています。
 昨夜、高浜原発3号機が停止しました。
 1月29日の3号機の再稼働、2月26日の4号機の再稼働、さらに老朽原発である1号機、2号機まで規制基準に合格をさせようという中で、2月28日、舞鶴で「高浜原発再稼働絶対反対、今すぐ止めろ2・28舞鶴集会」を開催しました。
 その翌日に、関西電力は4号機を緊急停止せざるを得なくなりました。さらに3号機も稼働40日で運転停止ボタンを押させました。地元で勇気を出して「再稼働絶対反対、地元自治体労働者は原発を絶対に許さない」と声を上げてよかったと心から思います。
 原発の安全性なんて納得できません。避難計画も嘘とペテンで塗り固めたものです。事故で格納容器が壊れて放射性物質が漏れたら、漏れている場所に水鉄砲で水をかけてプルームにして落とす。漫画としか言えないようなことを、恥ずかしげもなく事故対策に書いています。避難計画に書かれているスクリーニングの予定地につながる橋は、バスが通れない。あまりにもお粗末です。まともな避難計画などできないことを開き直って被曝を強制する。地元は怒りでいっぱいです。
 私たちは〝でたらめな再稼働に突き進む以外にないことこそ、国家の絶望的なありさまだ。無理やり再稼働させたところで早晩破綻する。われわれが闘うことで息の根を止めることができる〟と闘ってきました。
 自治体労働者は被曝を強制される労働を絶対に認めない。労働者を犠牲にしてしか成り立たない原発はいらない。その闘いができるのは労働組合しかない。そこにこそ最前線の闘いがあります。
 京都府職労舞鶴支部は福島の怒りをわが怒りとして、真に闘う自治体労働組合を目指して頑張りたい。こうしてつながれたことが何よりの力です。ともに闘います。

常磐線開通を阻む
 動労水戸委員長 石井真一さん

 私は福島県の矢祭町の出身です。
 福島第一原発事故から5年がたちましたが、1号機から3号機までは燃料がどこに行ったかもわからず、手の付けようがない状態です。
 そして、汚染水をためたタンクがどんどん増えている。除染作業で出た土を入れたフレコンバッグがあちこちで積み上がっている。子どもたちに甲状腺がんが増え続け、167人にもなっている。そういう現実が福島を覆っています。
 安倍政権は、沖縄・辺野古基地建設においては工事中断の和解に応じながら、あくまで「基地は造る」と言い続けている。また、先日あるお母さんが発した「保育園落ちた、日本死ね」というツイートに対し、当初無視抹殺しようとしたが、怒りの爆発に直面し、あわてて「待機児童ゼロ」などと言ってる。もう安倍はぐらぐらです。
 そうした中で安倍は、「東京五輪前の2019年度までに常磐線全線開通」を宣言しました。「除染して線量が下がってきた。工事ができる状態になった」と言う。しかし除染してもすぐ上がるんです。福島県の人はみんなわかっています。乗客に、福島県民に「被曝しろ」と迫っているのです。絶対に許せません。
 動労水戸は原発事故以来〝被曝労働拒否〟を訴え、闘ってきました。
 JRでは今、常磐線全線開通のために運転士、車掌、駅員などをどんどん原ノ町運輸区や南相馬の地域に転勤させようとしています。労働者への配転と被曝の強制です。この攻撃にJR東労組は何も抵抗できません。
 この間、水戸運輸区の掲示板に東労組が「スト権確立模擬投票」を呼びかける紙を貼り出しました。「模擬投票」ではスト権は確立できないが、動労水戸・會澤君のライフサイクル反対のストライキに追い詰められ、そんなふうに騒ぎ出したのです。これは東労組の崩壊です。
 われわれはそこに徹底的にかみ込んで、第2、第3の會澤君や照沼君や羽部君を獲得し組織を拡大します。常磐線全線開通を断固阻止します。

患者・家族とともに
 福島診療所建設委員会 佐藤幸子さん

 みなさん、ようこそ3・11反原発福島行動にお越しくださいました。
 ふくしま共同診療所は今、本当に大事な場所になっています。
 前回の福島県民健康調査検討委員会の発表を聞いて、もう怒り爆発でした。「167人の子どもたちが甲状腺がん、または疑い」と発表しているのに、「放射線の影響は考えにくい」と言い続けている。子どもたちの命をこれほど脅かしているのに、医者として人として本当に恥ずかしくないのかと思いました。
 その子どもたち、ご家族たちのつながる場所がこれまでありませんでした。なぜか。
 2年前の3月11日の報道ステーションで、甲状腺がんのことが初めて全国に報道されました。あの時に取材を受けたお母さんは、子どもが甲状腺摘出手術を受けた後に県立医大の鈴木眞一教授に「お子さんが甲状腺がんだということを言わないほうがいい。就職や進学に不利になる」と言われたと証言しました。
 ふざけるな、です。どんな病気の方たちでも難病の方たちでも、患者会があるじゃないですか。鈴木教授の発言はそれをつくらせず、患者や家族を分断するためのものだと私は受け止めました。
 そんな中でようやく5年たって、患者の家族会が発足するというニュースが流れました。名乗りを上げてくださった患者の方たち、ご家族の方たちに「本当にありがとう」と言いたいです。ようやくここでつながって一つになって、放射能の影響が私たちの子どもや孫に出ているということを世の中に訴えることができるようになったんです。この人たちと私たち、ふくしま共同診療所はつながっていきながら、子どもたちの命を国の間違った政策で殺させてはいけないという思いで活動していきたいと思います。
 福島診療所建設委員会は、これからもますますみなさんへのご協力をお願いすると思います。どうぞよろしくお願いいたします。

不当逮捕と闘う学生から

第2のバリストへ
 京都大学同学会中央執行委員会 纐纈貴文さん

 私たちは昨年10月、戦争反対のバリケードストライキを京都大学で行いました。これに対して、2月29日から3月1日にかけて、全国の学生6人を「威力業務妨害」容疑をデッチあげて逮捕するという弾圧がかけられています。
 私たちはなぜ反戦バリケードストライキに立ったのか。今全国の大学で軍事研究が始められています。これに対して私たちは京大当局に対して「軍事研究はやめろ」、あるいは 「軍事研究に協力しない立場を表明せよ」という要望を何度も出してきました。しかし当局がまったく無視し、私たちと対話もしない、こういう態度を貫いてきたからこそ、ついに委員長が出案してバリケードストライキを打ちました。
 これに対して京都大学当局はただちに「刑事告訴をする」という声明を出して、警察の弾圧を導き入れました。
 京都大学は声明でバリケードストライキについて「一般社会においては到底容認できることではない。犯罪行為である」と言っています。ストを犯罪と言いなして学生を警察に売り渡す、これが今の大学の姿です。
 現在、6学生の奪還に向けて、街頭でキャンパスで宣伝を行っています。ここでの反応は非常にいいですね。「学生は弾圧に負けず頑張ってくれ」という声が非常に多くあります。署名もすでに300筆くらい集まっています。
 今こそストライキが必要だとみんなが理解しています。この現実を京大の理事たちはわかっていない。警察にお願いして学生を弾圧させることなど絶対に許さない。私たちは6学生奪還へ頑張ります。あさって日曜日には京都の町をデモします。街中に打って出て、京大当局と警察の不当性を暴きます。
 安倍政権が狙う戦争・改憲と原発推進に対し、全国の大学でバリケードストライキを闘います。京大でも第2のバリストへ向けてますます頑張ります。

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