反戦ストへの弾圧許すな全学連6学生取り戻そう マルクス主義学生同盟中核派・京都大学支部

週刊『前進』04頁(2731号03面01)(2016/03/14)


反戦ストへの弾圧許すな全学連6学生取り戻そう
 マルクス主義学生同盟中核派・京都大学支部

(写真 大学当局のスト破壊策動を撃退しバリケードを防衛【昨年10月27日 京大吉田南キャンパス】)


 国家権力による全学連・斎藤郁真委員長、京都大学同学会・作部羊平委員長ら6学生の不当逮捕と全国13カ所の不当捜索を絶対に許すことはできない。だが反撃の闘いは京大生を先頭に飛躍的に前進している。米韓合同軍事演習が朝鮮半島の戦争危機を高める中、京大弾圧粉砕の闘いは朝鮮侵略戦争を阻止し、安倍を打倒する大決戦だ。全国学生と京大生はともに立ち上がろう。

朝鮮戦争阻止 大学から未来切り開く闘い

 2・29~3・1学生弾圧との闘いは、世界大恐慌が激化する中、侵略戦争と階級戦争以外に延命の道がなくなった安倍との一大政治決戦だ。「安倍のために死んでたまるか」----この怒りは戦争法阻止に決起した1千万人の怒りとして爆発した。京大同学会はこの怒りに応え、「戦争反対! 安倍打倒!」のストライキを決行した。
 戦争法の強行と前後して、防衛省から大学への軍事研究公募、奨学金受給者を対象にした経済徴兵制の導入議論など、再びの戦争動員が始まろうとしている。大学から戦争を止め、未来を切り開くために、京大ストライキは闘われた。この求心力に恐怖した安倍は京大同学会と全学連に対し、体制の延命をかけた弾圧に踏み込んできたのだ。
 京都学連事件(1925〜26年)と京大滝川事件(33年)は、かつて日帝が侵略戦争に突入する過程で、学生運動と「大学自治」「学問の自由」をめぐる闘争が非和解の治安弾圧の対象となったことを示している。京都学連事件は治安維持法の最初の適用例であった。また滝川事件をめぐる闘争が敗北した後、大学関係者や弁護士会を始め全社会的戦争翼賛勢力化が進んだ。日帝は同時に労働組合の解体と産業報国会化を推進しつつ、アジア・太平洋戦争へと突き進んだ。「大学から戦争が始まる」----これが歴史の教訓だ。
 3月7日から、史上最大規模の米韓合同軍事演習が始まった。原子力空母や最新鋭ステルス戦闘機を動員した大軍事演習は、朝鮮半島―東アジアの軍事的緊張を著しく高めている。そして自衛隊がこの戦争に参戦するための安保関連法が29日にも施行されようとしている。この戦争突入情勢において、一人ひとりの人生的決断が問われているのだ。
 こうした情勢の中で、安倍の戦争政治の手先に転落したのが京大・山極寿一総長だ。

権力と一体化 本性を現した京大山極体制

 6学生を警察権力に逮捕させた直後、京大当局は「本学は、本件捜査に協力するとともに、学内でも厳正な対処を検討してまいります」という歴史的談話=転向宣言を発表した。しかし、多くの教官は告訴の事実を知らされておらず、学内でしかるべき検討や手続きが踏まれたのかさえ疑わしい。同学会中央執行委員会がこれに抗議すると、学生担当課長は「刑事告訴については答えられない」「新聞に報じられたことが事実だとは限らない」などと逃げ続けた。山極総長の過疎支配が浮き彫りになっている。
 京大学生運動は、法大闘争と並んで全人民の注目と怒りを引きつけている。街頭宣伝では熱烈な支持表明が寄せられ、救援署名やカンパも破竹の勢いで集まっている。
 2006年から始まった法大闘争は、新自由主義大学と学生存在の非和解性を突き出し、労働者階級とともに闘う新たな質の学生運動を登場させた。その教訓を糧に、われわれは福島原発事故を居直る関西電力元会長を京大経営協議会から追放し、12年に同学会の歴史的再建を果たし、全国の学生自治会再建運動の突破口を開いた。さらに14年公安警察摘発事件―15年反戦ストライキで「学生はこの時代をいかに生きるべきか」を問い、新自由主義の中で奪われてきた学生の誇りと団結を取り戻してきた。
 これに追い詰められ、京大当局は本性を現した。「自由の学風」を売りにしてきた京大当局は、今回の刑事告訴によってついに国家権力と一体化した。京大当局の言う「自由」とは、学生の政治活動の自由でもなければ、学生が経済事情にかかわらず自由に学べる教育環境を意味するものでもない。むしろそれらを禁圧し、代わりに「資本の金もうけの自由」「国家権力の自由」を実現しようとするものだ。
 同じことは法大でも起きている。法大当局は裁判所と結託し、ビラまき・情宣活動が「営業権」=大学の金もうけの自由を侵害していると言って禁圧して恥じない。京大生の政治的活動の自由と自治をめぐる闘いもまた、学内民主主義の問題ではなく、国家権力との非和解の階級闘争にほかならないのである。

逮捕なんてもので俺の人生は壊せない!

 京大当局は来年度から自治寮への入寮募集の停止、団交拒否、確約破棄、学内向けの副学長会見の廃止など、安倍政権の大学改革攻撃の核心である自治解体攻撃にのめり込んでいる。これに対し、京大生の中から「もうストライキしかない」と声が上がっている。京大生にとって、ストライキが本格的に選択肢になり始めている。
 「俺たちが正しいと思ったことをやっていいんだ。逮捕なんて俺の人生を壊す力はまったくないんだ。団結に依拠して生きるんだ。ストライキはそういう当たり前の正しいイデオロギーを見せる場だったと思います」(3・3全国学生総決起集会にて)----これが反戦ストライキに立ち上がった京大生の総括だ。
 ストライキは資本の支配から人間主体を解放した。「こうやってともに生きよう。人間らしい社会をともにつくろう」という最高のアジテーションだった。ストライキで表明した資本の支配に対する人間的怒りとそこから生まれた解放感・連帯感の中に、次の社会の萌芽が生まれた。
 しかし昨年の反戦ストは本当にささやかなものにすぎない。6学生を取り戻し、キャンパスのあらゆる怒りと結合して、京大をプロレタリア革命の拠点とする本格的ストライキはこれからだ。戦争・改憲阻止、安倍打倒の2016年決戦を京大から切り開こう。6人の仲間を取り戻そう。
 すべての京大生のみなさん、マルクス主義学生同盟に結集し、ともに闘おう!

------------------------------------------------------------
京都学連事件 戦前の全国学生団体である学生社会科学連合会(学連)に所属する京都帝国大学社会科学研究会が、軍事教練反対を訴えるビラを学内外でまいたことに対し、1926年1月に治安維持法が初めて適用され、京大など全国の大学で学生・教員38人が逮捕・起訴された。

------------------------------------------------------------
法大裁判スケジュール

法大武田君処分撤回裁判控訴審
 判決
 3月16日(水)午後3時30分〜東京高裁

このエントリーをはてなブックマークに追加