3・1杉並 ビキニデーで集会 布施ふくしま共同診療所院長が講演

週刊『前進』02頁(2730号01面03)(2016/03/10)


3・1杉並
 ビキニデーで集会
 布施ふくしま共同診療所院長が講演

(写真 ふくしま共同診療所の布施幸彦院長が講演し福島の現状を伝えた【3月1日 杉並勤労福祉会館】)

(写真 「原発なくせ!戦争やめろ!3・1ビキニデー集会」で160人が反核・反原発へ新たな決意)


 ビキニ事件から62年目となる3月1日、「原発なくせ!戦争やめろ!3・1ビキニデー東京集会」がNAZEN(すべての原発いますぐなくそう!全国会議)の主催で、杉並勤労福祉会館ホールで開催され、160人が参加しました。
 自治体の非正規労働者が司会を務めました。司会から、アパレル関連の合同労組が新たに結成され青年労働者の闘いがグイグイと進んでいることが報告され、集会が始まりました。
 主催者から、NAZEN杉並の北島邦彦・東京西部ユニオン副委員長が、ビキニデーを闘う現在的意義について、①3・11原発事故から5年、福島の怒りをともにすることと、②朝鮮半島で切迫する戦争、とりわけ核戦争の危機を止めることだと提起しました。軍隊慰安婦に関する日韓合意を弾劾する韓国・民主労総を始めとする闘いに連帯し、労働者の国際連帯で戦争を止めることが訴えられました。
 ふくしま共同診療所・布施幸彦院長が「原発事故から5年 フクシマの現実と怒り」と題して講演を行いました。布施院長は、「ヒロシマ―ナガサキ―ビキニ―そしてフクシマ、その交錯点にふくしま共同診療所が全国・全世界の労働者民衆の願い、闘いの結晶として建設された」と指摘しました。また、「避難・保養・医療」の原則を掲げるからこそ、子どもたちの甲状腺エコー検査から浮き彫りになる真実を、安倍政権―福島県による隠蔽(いんぺい)を打ち破って主張していけると語りました。さらに、仮設住宅での健康相談や除染労働者の検診・治療、全国での講演活動を通して福島の怒りを広範に発信している実践が報告され、ふくしま共同診療所へのさらなる支援が呼びかけられました。
 断じて許せないことに、集会直前の2月29日から3月1日にかけて、全学連委員長の斎藤郁真さんを始め6人の学生が、昨年秋の京大反戦ストライキを「威力業務妨害」にデッチあげられ不当逮捕されました。弁護士の鈴木たつおさんが、学生運動への今回の弾圧の歴史的・階級的意味を説き明かし、東大ポポロ事件判決を実力闘争でぶち破る闘いに発展する展望を示し、その闘いの渦中でこそ新しい労働者の政党をつくる7月参院選に勝利しようと訴えました。
 NAZEN吉祥寺の仲間が保養プロジェクトの活動を報告し、NAZEN江戸川の自治体労働者が「東京から被曝労働拒否の闘いを」と決意を語りました。NAZEN池袋の仲間が、映画「A2―B―C」上映会の可能性を語りました。
 集会の最後にNAZEN東京から、3・11反原発福島行動16への結集が呼びかけられました。
 集会を通じて、3・1ビキニデー闘争がきわめて現在的な闘いであることをあらためて確信できました。原発絶対反対―再稼働反対・全原発即時廃炉と3・1ビキニデーは切り離すことのできない一体的な闘いです。そして3・1ビキニデーを原点とする核廃絶の闘いは、現に私たちの眼前で進められている朝鮮半島での侵略戦争を止めることぬきにはありません。
 動労総連合建設を先頭にして、戦争を止め原発をなくすストライキ―ゼネストを貫徹できる階級的労働運動の拠点をつくり、それを基盤にして労働者階級の国際連帯を前進させること──ここに3・1ビキニデー闘争の核心があることを明瞭にできた集会でした。
(NAZEN杉並・北島邦彦)

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ビキニ事件 1954年3〜5月、米帝は南太平洋マーシャル諸島ビキニ環礁で6回の水爆実験を行った。3月1日、近海で操業中のマグロ漁船「第五福竜丸」がこの水爆実験に遭遇し、多量の放射性降下物(死の灰)を浴びて被爆し、同年9月、無線長・久保山愛吉さんが死亡した。日本中に大きな衝撃を与え、原水爆禁止運動がここから始まった。東京・杉並区などが原水爆実験禁止署名運動の発信地となった。

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