耕作権裁判 NAAのウソを追及NAAのウソを追及 〝訴訟の即時却下求める〟

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週刊『前進』04頁(2729号03面02)(2016/03/07)


耕作権裁判
 NAAのウソを追及NAAのウソを追及
 〝訴訟の即時却下求める〟

(写真 報告集会であいさつする市東孝雄さん。右は葉山岳夫弁護士【2月29日 千葉市】)


 2月29日、市東孝雄さんの耕作権裁判の弁論が千葉地裁民事第2部(岸日出夫裁判長)で開かれた。
 市東さんが耕作する成田市南台の農地の一部を、NAAが「不法耕作」と決めつけ、その明け渡しを求めて起こしたこの訴訟は、農地強奪のために重ねた違法・脱法行為の数々が暴かれ、NAAの墓穴に転化している。反対同盟と顧問弁護団、支援の労働者・農民・学生・市民は、怒りも新たに法廷に臨み、70近い傍聴席が埋まった。
 開廷し、直ちに弁護団が準備書面の陳述を開始した。「空港会社による本件訴訟は訴権を濫用(らんよう)するものであり、却下されるべきである。ないしは空港会社の土地明け渡し請求は信義則に違背し、違法無効であるから棄却されるべきである」との結論を、冒頭にたたきつけた。
 1991年から成田空港をめぐる公開シンポジウムと円卓会議が開かれ、運輸大臣は「反省」「謝罪」を表明し、2期工事のB・C滑走路を「白紙に戻す」とし、「あらゆる意味で強制的手段が用いられてはならない」との結論を受け入れた。NAAの黒野社長は05年に「東峰部落のみなさまへ」という手紙で「一方的計画」を進め「生活環境を破壊」したことを認め、「人間の尊厳に触れる問題」などと精いっぱい「おわびと反省」を表明した。もちろんこれらは空港反対運動を懐柔し解体する意図で進められたものであり、東峰部落・反対同盟がその土俵に上がることは一切なかったが、彼らが公的立場で表明したこれらの言辞は、彼ら自身の行為を縛り、行動に貫かれる義務がある。
 ところがそれをいとも簡単に踏み破り、市東さんに土地の明け渡しを迫る訴訟を起こした。明らかな訴権濫用だ!
 さらに弁護団は、市東さんが耕す南台の農地がすべて、賃借権がある土地、または時効取得された土地であり、市東さんに揺るぎない耕作の権利があると明らかにした。また空港公団が1987年、千葉県収用委員会に審理再開を働きかける中で、収用委から書類の不備を指摘されて焦り、地主と示し合わせて地籍測量図を偽造し、市東東市さん(孝雄さんの父)の署名・印鑑まで偽造した経緯を突き付けた。NAAの代理人たちは悪事の一部始終を突き付けられ、うつむくのみだ。
 次回期日は4月25日、さらなる徹底追及が続けられる。
 千葉県弁護士会館で伊藤信晴さんの司会で報告集会が開かれた。最初に市東さんがあいさつし、「私が訴えられるのはまったく不当であると、きょうの裁判であらためて明らかにされた。今年1年全力で頑張ります」と力強く決意を述べた。
 葉山岳夫弁護士を始め弁護団がそれぞれ発言し、文書隠しを続けるNAAを許さず、さらに追い詰めることを確認した。動労千葉の滝口誠さん、関西実行委、市東さんの農地取り上げに反対する会、全国農民会議の小川浩共同代表が連帯発言を行った。小川さんはTPP推進の安倍政権を弾劾し反対同盟とともに闘う決意を表した。
 最後に萩原富夫さんが3・27全国集会大結集と、7・3三里塚50周年集会への広範な参加を熱く呼びかけ、この日の闘いを締めくくった。

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三里塚裁判日程
◎第3誘導路裁判
 3月15日(火)午前10時30分開廷 千葉地裁
 (傍聴券抽選のため30分前に集合)

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