埼玉県警の不当捜索弾劾 福島視察のどこが「犯罪」か!

週刊『前進』04頁(2729号02面02)(2016/03/07)


埼玉県警の不当捜索弾劾
 福島視察のどこが「犯罪」か!


 2月26日早朝、埼玉県警公安三課は、埼玉労組交流センター事務所と会員宅など計4カ所の家宅捜索を強行した。容疑はなんと昨年9月5日、福島県楢葉町の帰町宣言の日に行われたNAZENさいたまの楢葉町現地視察ツアー(本紙2700号報道)が、道路運送法4条及び99条に違反するというものだ。道路運送法4条は、「一般旅客自動車運送事業を経営しようとする者は、国土交通大臣の許可を受けなければならない」となっているが、これに反するというのだ。
 マスコミが沈黙する中で、福島の実情を自らの目で見るために、レンタカーを借りてレンタル代、ガソリン代、高速道路代を参加者で負担し、仲間同士で運転し、避難している楢葉町民の案内で現地を視察する行為のどこが「一般旅客自動車運送事業を経営する」ことになるのか! 被曝と帰還を強制されている楢葉町を視察するのに、なぜ「国土交通大臣の許可を受けなければならない」のか!
 これこそ3・11原発事故とその後の被害をなかったことにしようとする安倍政権による福島切り捨ての攻撃だ。
 埼玉労組交流センターの事務所には、早朝の午前7時から午後3時まで延々と家宅捜索が行われた。埼玉県警公安三課は事務所の窓ガラスをバールでたたき割って乱入した。土足で室内に侵入してから初めて捜索差し押さえ令状を提示し、警察手帳も抗議されるまで示さなかった。
 県警は楢葉ツアーに参加した仲間や、3・11以降、一貫して埼玉での反原発闘争の先頭に立ってきた3人の仲間の自宅の家宅捜索も強行した。しかも、被疑者は団体であるNAZENさいたま(旧称・反原発埼玉アクション)だというのだ。
 安倍政権は2月26日、高浜原発4号機の再稼働を強行した。その日に強行された家宅捜索の目的はあまりに明白だ。朝鮮侵略戦争・核戦争への参戦を狙う安倍政権は、福島を圧殺し、被曝と帰還を強制し、原発再稼働を強行している。
 規制緩和と非正規職化で軽井沢ツアーバス事故を引き起こしながら、その責任もとらず、労働法制を改悪し「同一労働同一賃金」と言って総非正規職化を進める安倍への怒りは高まっている。安倍打倒の闘いが広がっていることへのあせりに駆られて、この弾圧は行われたのだ。
 この弾圧は常磐線全線開通の攻撃や2月17日の関西合同労組への暴力行為等処罰法を用いた弾圧と一体だ。丸川珠代環境相や高市早苗総務相の暴言とも同根のものだ。何よりも京大反戦ストライキを「威力業務妨害」として6人の学生を不当逮捕した大弾圧と一体のものだ。この暴挙を弾劾し、絶対に粉砕する。
 被曝労働拒否の闘いを大発展させ、3・11反原発福島行動16(郡山)の大高揚をつくりだし、動労総連合を全国に建設して反撃する。2月28日の埼玉春闘集会から3・11に猛然と決起しよう。春闘を闘い、7月選挙決戦勝利へ全力で闘いぬく。埼玉県警公安三課の権力犯罪を絶対に許さない。労働者・学生・人民の怒りの行動で安倍を打倒しよう。
(埼玉労組交流センター・B)
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