動労千葉定期委員会 CTSと貨物を軸に決戦態勢 春闘3波の闘争方針確立 外注化粉砕へストライキ配置
動労千葉定期委員会
CTSと貨物を軸に決戦態勢
春闘3波の闘争方針確立
外注化粉砕へストライキ配置
動労千葉は2月28日、DC会館で第74回定期委員会を開き、春闘の決戦方針を確立した。確認された方針は以下のとおりだ。
①外注化に関連して組合員にかけられた不当な業務外しの攻撃に対し、3月上旬に第1波闘争を構え、検修職場全員を対象としたストライキを配置する。②JR貨物の賃金回答時期の3月17~18日に第2波闘争を設定し、ベアゼロ打破・大幅賃上げ獲得を掲げて貨物でのストライキを配置する。また、3月17日午後6時から、千葉市文化センターで動労千葉総決起集会を開催する。③CTS(千葉鉄道サービス)の賃金回答時期の4月段階に第3波闘争を設定する。さらに、CTSの雇用形態改悪攻撃との闘いを、春闘全過程を通した最重要課題と位置づける。④新段階に入った1047名解雇撤回闘争を新署名を武器に闘い、JRに直ちに採用を求める闘いに立つ。⑤春闘のすべての闘いを組織拡大闘争として位置づける。
「出向解除」で仕事奪う
JRは、検修業務の外注化によりCTSに出向させられた津田沼支部の50歳代の組合員に出向解除を命じようとしている。業務は丸ごと外注化されているから、JRに戻っても仕事はない。出向解除は、仕事を奪って労働者の誇りをずたずたに踏みにじるとともに、動労千葉の組織破壊を狙う攻撃だ。
すでに幕張支部の2人の青年部組合員にも出向解除の攻撃がかけられているが、今度は年配の組合員がその対象にされたのだ。JRが外注化の口実に掲げてきた「高齢者の雇用の場の確保」は、まったくのうそだったということだ。
さらに、60歳定年を迎える組合員に対するエルダー制度による再雇用先の提示も、本人が希望する職種や地域をまったく無視する形で行われている。大量退職期を迎え、定年後の再就職先をJRが確保するとしたエルダー制度は、完全に破綻しているのだ。
許しがたいことにJRは、京葉車両センターでの検修職を希望する繁沢敬一副委員長に対し、錦糸町での仕事を提示してきた。これは京葉支部の組織拡大を恐れる不当労働行為にほかならない。
外注化は労働者を徹底的に分断し、仕事を奪い合わせ、労働組合を破壊する。これに対し動労千葉は、「外注化粉砕・仕事と出向者をJRに戻せ」「65歳までの定年延長実現」を真っ向から掲げて春闘第1波の闘いに立つことを決断した。
JR貨物ではベアゼロが16年も続いている。昨年3月には祝日等勤務手当などの諸手当が廃止され、大幅賃下げ攻撃がかけられた。他方で、人員不足の中、高齢の労働者にも長時間の運転が強いられるなど、労働はますます過酷になっている。大幅賃上げ獲得と65歳まで働ける労働条件の確立は切実な課題だ。
雇用形態大改悪と対決
CTSは雇用形態を抜本的に改悪する就業規則の変更を4月1日に強行しようとしている。
これまでの「契約社員」と「パート社員」を「スタッフ社員」に変え、月給制から時給制に変更した上、スタッフ社員の雇用上限を5年に制限(1年契約で更新は4回まで)する。5年を超える雇用を望む者には試験を課し、不合格なら雇い止めにする。合格しても時給制の「限定社員」にしかなれない。
作業手当なども大幅に削られる。手取り13~14万円の超低賃金でこき使われる労働者にとって、月に6~7千円もの減額は、まさに死ねと言わんばかりの攻撃だ。
これに対するCTSの現場労働者の怒りはわき立っている。
組織拡大の一点にかけ
定期委員会であいさつに立った田中康宏委員長は、「組織拡大の一点にかけてこの時代に挑む」と切り出し、安保戦争法の制定と労働者派遣法の大改悪で社会全体が大転換していると強調した。そして、春闘第1波の闘争方針を提起して、「外注化とエルダー雇用の問題をひとつのこととして闘う新局面に入った。出向解除という形の攻撃に対し、腹を固めて闘おう」と訴えた。
また、CTSの雇用形態抜本改悪について「これはCTSの仲間だけの問題でも、動労千葉だけの問題でもなく、全労働者の問題だ。派遣労働者は3年で切り、有期雇用労働者は5年で切る。分割・民営化以来の大改悪に対し全面的な勝負に出る。この攻撃を組織拡大に大逆転させよう」と呼びかけた。
さらに、1047名解雇撤回闘争について、「国鉄分割・民営化以来の社会の大転換が始まっている中で、これと対決するために闘争を継続すると2・14集会で決断した。新段階に入った国鉄闘争を断固闘おう」と力説した。
繁沢副委員長が経過を報告し、佐藤正和執行委員が情勢を、関道利副委員長がJRを取り巻く情勢を説き明かした。川崎昌浩書記長が当面の取り組みについて提起した。
執行部からの提案を受け、活発な討論が交わされた。CTSの就業規則改悪を許さずに闘う決意や、外注化による車両故障が続発していることへの弾劾、エルダーの再雇用先をまともに提示しないJRへの怒り、低賃金と強労働を強いるJR貨物と闘う決意などが語られた。
総括答弁で田中委員長は、「すべてはこれまでの延長ではない。CTSの雇用形態改悪に対し、労働者が『ここまでやられたら動労千葉に入って闘おう』という気持ちになる情勢が来た。春闘第1波闘争をまず打ち抜き、第2の分割・民営化と立ち向かう新たな闘いを始めよう」と訴えた。
動労千葉はこの定期委員会で方針と態勢を確立し、春闘本番の闘いに突入した。