知る・考える 用語解説 国鉄分割・民営化-戦後最大の労働運動破壊攻撃

週刊『前進』02頁(2728号02面06)(2016/03/03)


知る・考える 用語解説
 国鉄分割・民営化-戦後最大の労働運動破壊攻撃


 労働運動の破壊のために仕掛けられた戦後最大の新自由主義攻撃。
 公共鉄道として国が運営していた日本国有鉄道は、1987年に民営化され、JRと名前を変えて東日本、西日本、東海、北海道、九州、四国と貨物の7社に分割された。JRへの移行に際し、国鉄労働者は徹底した選別にかけられ、労組役員や活動家はJRから排除された。
 81年から国と資本家団体、マスコミを挙げた「巨額の国鉄債務は国鉄労働者・労働組合の責任」とするデマ宣伝が展開され、86年に国鉄改革法が成立し、首切り攻撃の嵐が吹き荒れた。約42万人いた国鉄労働者のうち約20万人が退職、200人あまりが自殺に追いやられ、国労は約24万人から約4万人に激減した。動労カクマル(今日のJR総連)は民営化に賛成し、この攻撃の先兵になった。
 当時の中曽根首相が「国労をつぶし総評・社会党を壊滅に追い込むためにやった」「お座敷をきれいにして立派な憲法を床の間に安置する」と公言したとおり改憲・戦争への転換をかけた国家的不当労働行為であった。同時期制定の労働者派遣法、男女雇用機会均等法とともに、今日の全面外注化・非正規職化と貧困、安全の崩壊と労働人口減少、地方消滅の危機をつくり出していった。
 この攻撃に対し動労千葉はストで闘って団結を守り、1047名解雇撤回闘争をつくり出した。30年を超える闘いは国鉄分割・民営化に労働者階級の側から決着をつける新段階を切り開いている。
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