動労総連合出向無効訴訟 JRの主張を論破 安全崩壊の居直りに怒り
週刊『前進』04頁(2727号02面03)(2016/02/29)
動労総連合出向無効訴訟
JRの主張を論破
安全崩壊の居直りに怒り
(写真 裁判に先立ち、JRを徹底的に弾劾する抗議行動を行った【2月24日 東京地裁前】)
動労総連合強制出向無効確認訴訟の第14回口頭弁論が2月24日、東京地裁民事第11部(佐々木宗啓裁判長)で開かれた。これは、検修・構内業務の外注化により外注先への出向を強いられた動労千葉、動労水戸、動労連帯高崎の組合員が、JR東日本に対し出向命令の取り消しを求めて闘っている裁判だ。
法廷で原告代理人の弁護士は、JRが出してきた書面を徹底的に批判した。この裁判で原告は、「戻る職場のない出向は実質的な転籍だ」と強く弾劾してきた。これに対してJRは、「会社には就業規則に基づく出向命令権がある」「出向延長も会社の人事権の範囲内」と居直った。資本に「出向命令権」などという「権利」を認めれば、まさに人身売買が復活する。JRの言い分はまったくのでたらめだ。
また、JRは「JRに戻った社員に今までと同じ仕事をさせる必要はない」と言い出した。検修職場で技術を磨いてきた労働者から、検修の仕事を奪っても、それは資本の勝手だというのだ。
さらに許しがたいのは、JRが外注化による安全崩壊を全面的に居直ったことだ。この裁判で原告は、外注化による事故の多発を、職場の実態を踏まえてつぶさに暴いてきた。これに対してJRは、「事故や車両故障は日常的に発生している」と認めた上で、「事故が発生したからといって、外注化で安全が損なわれたとは言えない」と強弁してきたのだ。
だが、外注化が事故の原因であることは、JR東日本社長の冨田哲郎自身が社内誌『JRひがし』で認めている事実だ。まともな反論ができなくなったJRは、〝安全などどうでもいい〟という、鉄道事業者として言ってはならない本音を口にし始めたのだ。
原告代理人は、JRの主張に対し全面的な反論の書面を出すと通告した。次回期日は4月27日午前11時30分から。
総括集会で動労総連合は、裁判でもJRを徹底的に追い詰めていることを確認し、勝利に向けて闘いぬくと誓い合った。