3・8国際婦人デー行動へ 始まった女性の階級的決起労働者解放へ女性指導部を

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週刊『前進』02頁(2726号02面02)(2016/02/25)


3・8国際婦人デー行動へ
 始まった女性の階級的決起労働者解放へ女性指導部を


 世界大恐慌下で世界戦争が切迫する時、青年と女性の決起が必ず始まる。「戦争に動員される」「殺し、殺される」ことをリアルに感じ、行動で戦争を止めようとする。昨年の安保法案反対の国会闘争では女性の決起がきわだち、女性組合員は約312万人(昨年6月末)と前年比6万6千人も増えた。女性の階級的な決起が始まった。3・8国際婦人デー行動に立ち、労働者階級の女性指導部を建設しよう。

 労働者階級の状態そのものである女性の抑圧された状況に対する改善闘争は必要だ。しかし資本主義を打倒しない限り、その努力は女性を永遠に「資本の奴隷状態」に置くものとなる。体制内女性運動は女性の要求をブルジョア社会での「権利擁護」に押しとどめ、女性を反動的に組織している。
 危機を深め革命の現実性におびえる帝国主義は戦争突入への体制をつくるため、「階級融和」の思想で労働者階級の階級性を解体しようとする。体制内勢力もそれに呼応し、日和見主義から「祖国擁護」の排外主義に転落していく。今こそ女性を革命に組織する女性解放運動が必要であり、体制内勢力と対決する党派闘争が決定的である。

ロシア革命の突破口=「3・8」

 国際婦人デーは、1908年3月8日にニューヨークで女性労働者が婦人参政権を要求したデモを受けて、ドイツの革命家クララ・ツェトキンが1910年の国際社会主義婦人会議で「婦人の政治的自由と平等のために闘う」記念日とするよう提唱したことから始まった。そして1917年3月8日、第1次世界大戦に参戦中のロシアで2月革命の突破口を開く女性労働者のストライキとデモにまで発展した。
 しかし、第2次世界大戦後、ソ連スターリン主義はこの日を祝日に、国連は国際女性デーと定め、その革命性を奪った。イタリアでは「ミモザの日(男性が女性に花を贈る日)」にしてしまった。帝国主義は女性解放運動がプロレタリア革命へと発展することを恐れて体制内的に変質させようとしたのだ。
 労働者階級への大反動であった国鉄分割・民営化と同時期の85年に男女雇用機会均等法がつくられ、99年には男女共同参画社会基本法が制定された。これらは女性の「解放」どころか資本主義のもとでの「平等要求」へと運動を変質させ、労働運動の体制内化を推し進める攻撃であった。
 資本主義はその発展とともに21世紀の現在まで女性の強搾取を続けている。均等法で法律上は「男女差別の禁止=均等待遇」となっても、30年間、男女の賃金格差は変わっていない。マルクスは、女性労働者の貧困が「賃労働と資本」という階級関係から生まれていることを﹃資本論﹄で解明した。だが、体制内勢力はそれを男性労働者の「意識」の問題とし、労働者階級の分断にさおさしてきたのである。

女性の「活躍」と「参画」は同一物

 安倍政権が打ち出している「女性の活躍」と連合の「女性の参画」に違いはない。経団連は16年「経労委報告」で、資本の危機への対応の第一に「『女性の活躍』の戦略的推進」を掲げた。新自由主義が極限的に進められ、女性労働者の非正規化と貧困は増大し続けている。これに対する反乱、資本主義社会の転覆、反戦闘争への決起を政労資で抑え圧殺するのが「活躍」「参画」なのだ。
 すでに非正規の女性労働者は5割を超え、非正規全体の約7割に達している。この7割の女性労働者と3割の男性労働者を分断し、労働者階級の団結を破壊する攻撃が「非正規労働者と不本意非正規労働者」という経団連の規定である。16年経労委報告は「自発的に非正規になった人も多い」としているが、その実態はパートの女性労働者だ。労働者全体の非正規化と低賃金化が進められた上、子育てが女性に集中する中で、女性がパートで働かざるを得ない状況に追い込まれている。それを「自発的」と言い、非正規労働者を分断しているのだ。さらにその中に能力主義を持ち込み、競争をあおって分断し、さらなる低賃金化の攻撃をかけている。

労組で闘い階級の団結つくろう

 いまや単身女性労働者の3割が手取り10万円未満の「貧困状態」にたたき込まれている。この現状を打破するには資本との非和解的な対決、階級的な団結が必要である。労働者の基礎的団結形態である労働組合で闘うことで、女性労働者は誇りを取り戻し自己解放性を発揮できるのだ。この闘いをとおして党と労働組合の一体的な建設(階級的労働運動の前進)がかちとられる。労働者階級の団結を基礎に、女性労働者の階級的な団結をつくりだすのが国際婦人デー闘争なのだ。
 1886年、日本で初のストライキを打ったのは甲府の雨宮製糸場の女工だった。1888年に労働運動の変革をもたらしたイギリス初の非正規労働者の労働組合は女性マッチ工の組合だった。そして今、韓国では民主労総が労働改悪阻止・パククネ政権打倒までやむことのないゼネストに突入している。ハンサンギュン委員長とともにそれを指導するイヨンジュ事務総長は女性である。労働者階級の指導部としての女性労働者の登場が希求されているのだ。
 女性解放運動の歴史的総括、階級的労働運動の発展をかけて、3・8国際婦人デー行動―東京の3・6闘争を成功させよう。三多摩地区委員会は女性解放闘争を正面課題にすえ、3・8行動を闘い取る決意である。
(革共同三多摩地区委員会)

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男女雇用機会均等法 1985年に「男女差別の解消」「男女平等」をうたい制定された。社会党(当時)や日本共産党、総評幹部、女権拡張を求める女性団体ら体制内勢力は積極的に評価した。しかし、妊娠・出産以外の女性保護規定を削除する政府の政策により、労働基準法で定めた女性の時間外労働の制限、深夜業の禁止が撤廃され、「生理休暇」の名称も削除された。そして、低賃金で過酷な労働を女性に強いる均等法をテコに極限的な搾取と労働強化が労働者全体に襲いかかった。安倍政権が法制化を狙う、評価で賃金を決める「同一(価値)労働同一賃金」は均等法制定を機に声高に叫ばれるようになった。

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関連年表
1799年 イギリスで「団結禁止法」制定
1833年 イギリスで「工場法」制定
1867年 マルクス『資本論』第1巻刊行
1871年 パリ・コミューン。労働者が権力を初めて樹立
1886年 雨宮製糸場(甲府)の女工が労働時間の延長と賃金引き下げに反対し日本で初のストライキ
1888年 イギリスでマッチ工場の女工がストライキ。未熟練女性労働者を労働組合に組織する初の挑戦
1908年3月8日 ニューヨークで数百人の女性裁縫労働者が「パンと婦人選挙権と労働組合設立」を要求し集会とデモ
1910年8月27日 デンマークのコペンハーゲンで第2回国際社会主義婦人会議。国際婦人デーを決議
1911年 日本で「工場法」制定
1917年3月8日 第1次世界大戦下、ロシア第2の都市ぺトログラードで数万の女性労働者が「パンと平和」を求めストを宣言してデモ。ロシア2月革命の突破口に

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3・8国際婦人デー行動

■宮城
 3月6日(日)午後2時30分 エル・ソーラ仙台大研修室/主催 3・8国際婦人デー企画実行委員会
■東京
 3月6日(日)正午開場 豊島区生活産業プラザ/集会後、デモ/主催 3・8国際婦人デー行動実行委員会
■相模原
 3月20日(日)午後2時 大野南公民館/主催 婦人民主クラブ全国協議会相模原支部
■関西
 3月6日(日)午後1時30分 エル大阪視聴覚室/集会後、大アピール行動/主催 婦人民主クラブ全国協議会関西ブロック、関西労組交流センター女性部
■広島
 3月5日(土)午後1時 幟会館/集会後、デモ/主催 国際婦人デー記念3・5行動実行委員会
■福岡
 3月5日(土)午後1時 農民会館/集会後、デモ/主催 婦人民主クラブ全国協議会福岡支部
■沖縄
 3月13日(日)午後2時 沖縄県青年会館/主催 婦人民主クラブ全国協議会沖縄支部結成準備会

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