JR採用へ新署名運動を 派遣法粉砕・非正規職撤廃を闘う合同労組運動への弾圧を許すな 2~3月国鉄・春闘集会かちとろう

週刊『前進』04頁(2725号01面01)(2016/02/22)


JR採用へ新署名運動を
 派遣法粉砕・非正規職撤廃を闘う合同労組運動への弾圧を許すな
 2~3月国鉄・春闘集会かちとろう


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 年初来の世界的な株価と原油価格の暴落、欧州に続く日帝の「マイナス金利」導入は、08年以来の恐慌対策が総破産し世界大恐慌が全面的に激化していることを示している。それは世界経済の一層の分裂とブロック化、大恐慌と戦争の道を加速する。ここからの出口はプロレタリア革命以外にない。今こそ労働者階級が「資本主義の墓掘り人」として世界史の前面に登場し、資本家の支配を打ち倒して、新しい社会をつくる時だ。青年労働者と学生こそが先頭で闘おう。超切迫する米日韓の朝鮮戦争策動と対決し、「解雇撤回・JR採用」を求める国鉄闘争の新署名運動を全国で展開しよう。大幅賃上げと「派遣法粉砕・非正規職撤廃」をめざし、16春闘をストライキで闘おう。関西合同労組に対する大弾圧を総力で粉砕し、階級的労働運動の拠点建設・組織拡大へ闘おう。

JR資本を直接の相手に

 1987年の国鉄分割・民営化による不当解雇を弾劾し、全国9カ所で開かれた2・14国鉄集会は、JR資本を直接の相手として〈解雇撤回・JR採用〉を要求する新たな国鉄闘争の開始を宣言した。1987年1〜2月のJR採用候補者名簿の不記載基準策定の際に、JR設立委員長が国鉄当局と結託して組合差別の不当労働行為を行ったこと、不当労働行為がなければ「原告らが採用された可能性は相当程度にあった」ことを最高裁が認めた以上、JRには1047名の解雇を撤回し、職員に採用する法的な責任・義務がある。全国で集める巨万の署名を武器にして、この責任・義務の履行をJRに強く強く迫っていこう。
 この署名運動はまた、動労千葉の闘いを全国に広げることを通じて、連合や全労連など、資本に屈服している体制内労働運動幹部を打倒し、全国の職場に階級的労働運動をよみがえらせる闘いである。
 新署名運動は、すべての労働者を獲得できる署名である。すでに学校職場や自治体職場を回った労働者は、「予想を超える反響で多くの労働者が署名してくれた」と報告している。
 ロシア革命で、ボルシェビキの労働者の地をはうような組織活動が1917年の革命の勝利を準備したように、また今日、ハンサンギュン委員長のもとで韓国・民主労総が粘り強い全国オルグで数十万人のゼネストを実現しているように、新国鉄署名の全国的な大運動は、必ず日本の階級的労働運動の再生とプロレタリア革命の勝利を切り開くだろう。JR職場はもとより全国すべての産別・職場に署名を持ち込み、最高裁段階の10万筆を超える数十万の署名を集めてJR資本に突きつけ、解雇撤回・JR採用を実現しよう。

戦争・改憲、労働法大改悪

 1980年代の国鉄分割・民営化と労働者派遣法制定以来の、30年ぶりとも言うべき階級決戦が煮詰まっている。安倍政権は昨年9月の派遣法大改悪に続き、今国会で労働時間規制の撤廃と成果主義を狙う「残業代ゼロ法案」と、解雇の自由化(金銭解雇)を狙っている。それは韓国パククネ政権の5大労働法改悪と同様に資本家階級が危機ゆえに仕掛けてきている階級決戦的な大攻撃だ。
 昨年9月の派遣法改悪は、「派遣労働者は〈一時的・臨時的〉な業務に限る」という建前を完全に取り払い、〈派遣=非正規〉の働き方を例外ではなく普通の雇用のあり方として全面的に解禁した。まさに「正社員ゼロ法」である。これによって資本は3年ごとに労働者を入れ替えればずっと派遣労働者を使い続けることが可能となる一方で、派遣労働者は3年ごとに必ず首を切られ、団結を破壊され、何の生活・雇用保障もなく路頭に放り出される制度になった。
 非正規職化は、低賃金・無権利・強労働で労働者を搾取し、労働者の団結と人間的尊厳を奪い、資本家どもへの全面的な屈服を強いる攻撃である。労働の協働性・共同性をばらばらに破壊し、安全を崩壊させ、労働者を「労働力商品」として使い捨てにする攻撃である。1月15日のスキーバス事故も、政府・支配階級の規制緩和・非正規化、金もうけ至上主義が15人もの労働者・学生の命を奪ったのだ。
 「雪や雨が降っても待機する場所もなく、濡(ぬ)れながら入区する電車を待つこともあります。副所長は暖かい事務所で雪が降ったことも知りませんでした。お昼を食べながら洗濯機を回して雑巾を洗うこともあります」(動労千葉を支援する会の「外注化阻止ニュース」2月3日付)
 これは千葉鉄道サービス(CTS)で働く動労千葉組合員の声だ。多くの職場で非正規労働者には休憩室も待機室もなく、社員食堂も使わせないという差別が横行している。
 上場企業3600社の株主への配当総額は史上最高、10兆円を超えた(15年度)。労働者の賃金を生きられないほどに極限的に押し下げ、労働者から奪った分を資本家どもが山分けしている。これを「強盗」と言わずして何と言うか!
 だが、これに労働者が屈服すると思ったら大間違いだ。動労千葉は解雇撤回闘争とあわせて、外注化阻止闘争を十数年間にわたって闘い、外注化を阻んできた。労働者が労働組合に結集し、団結して立ち上がれば、力関係は逆転する。労働組合は労働者を強くし、その力を何倍にも鍛え上げる。労働者は怒りと悔しさをばねにして、反撃の刃(やいば)を研ぎ澄ます。「動労千葉に加入して初めての春闘です。一致団結して満足できる回答をかちとるぞ!」とCTSの労働者は、きっぱりと決意を語っている。
 大幅賃上げをめざす16春闘は、同時に戦争・改憲と労働法制大改悪を阻止する一大決戦だ。ストライキで闘い、勝利しよう。2〜3月国鉄・春闘集会に結集しよう。
 動労千葉の闘い方を職場で実践し、組合員の固い団結で不当解雇撤回をかちとった鈴コン(東京西部ユニオン鈴木コンクリート工業分会)の勝利は、全国の労働者、とりわけ非正規労働者に勇気と励ましを与えている。鈴コン闘争の記録『非正規が闘って、勝った!』を読み、武器として全国の労働者に広めよう。

朝鮮戦争の切迫と闘おう

 欧州に続く日銀の「マイナス金利」導入は、資本主義の歴史上かつてない異常事態であり、資本主義の断末魔のあがきである。それは、アベノミクスの大破産を告げるものであり、日本帝国主義の危機を救うどころか、一層の破局をもたらす。15年10〜12月期の国内総生産(GDP)は年率換算1・4%減のマイナス成長に落ち込んだ。激しい危機の中で日帝・安倍政権は軍需生産・武器輸出と戦争・改憲の道にますますのめりこんでいる。
 この中で米日韓の軍事体制・核臨戦態勢が強化され、北朝鮮スターリン主義の反人民的な核開発と弾道ミサイル実験をえじきにして、朝鮮戦争の危機が超切迫している。
 米韓合同軍事演習「キー・リゾルブ」と「フォール・イーグル」が3月7日から4月末まで行われる。これは直ちに開戦につながるような戦争挑発である。韓国国防省は過去最大の23万人規模で行うと発表、一方、米海軍は原子力空母ロナルド・レーガンとジョン・C・ステニスの二つの空母打撃群を参加させる。最新鋭のステルス戦闘機F22や戦略爆撃機B52、ステルス爆撃機B2も投入する計画だ。
 演習では北朝鮮の都市・軍事基地を先制攻撃する新作戦計画「5015」の訓練を行う。この中には、「北朝鮮に核兵器を使う兆候がある場合」に、特殊部隊が「承認権を持つ人物」=キムジョンウン第一書記を暗殺する訓練も含まれる。このために米軍はイラクやアフガニスタンで武装組織の幹部を殺害した特殊部隊を派遣した。
 日本では3月末に戦争法が施行される。「集団的自衛権」を行使して米韓の朝鮮戦争に日本が参戦できる体制がつくられるのだ。パククネ政権は労働者階級の闘いに追い詰められ、その圧殺のためにも戦争を狙っている。「韓米日軍事体制反対」を掲げて闘う民主労総と連帯し米日韓の朝鮮戦争を阻止しよう。
 総務大臣・高市早苗は「放送局が政治的な公平性を欠くと判断した場合、電波停止を命ずる」と言論弾圧を公言した。まったく許せない攻撃だが、同時に安倍政権が労働者階級の戦争・改憲反対の闘いをどれほど恐れているかを示している。
 16春闘と4〜6月闘争、7月選挙決戦で安倍を打倒しよう。階級的労働運動の拠点建設と組織拡大へ、全力で闘おう。動労福島・動労水戸とともに3・11反原発福島行動に総決起しよう。

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