ストライキで16春闘に立ち総非正規職化を打ち砕こう 動労千葉とともに職場から反撃を
週刊『前進』02頁(2724号02面01)(2016/02/18)
ストライキで16春闘に立ち総非正規職化を打ち砕こう
動労千葉とともに職場から反撃を
動労千葉は16春闘をストライキで闘いぬく。これは「同一労働同一賃金」を掲げて「正社員ゼロ化」を狙う安倍と根本的に対決する闘いだ。昨年末の米利上げを引き金に、世界大恐慌は底が抜けたように深化している。年初来、世界で株価は大暴落し、日銀は「マイナス金利」という絶望的な政策に突き進んだ。つい先日まで「業績の改善した企業は年収ベースで昨年を上回る賃上げを」などと唱えていた資本家たちも、一転して総非正規職化と超低賃金化を全面的に強行しようと身構えている。ベア要求を昨年より5割もダウンさせた連合幹部はこの攻撃の先兵だ。
動労総連合の3ケタの組織拡大をめざし
動労千葉は16春闘を大幅賃上げ獲得、第2の分割・民営化に立ち向かう組織拡大の闘いとして位置づけ、動労総連合3桁の組織拡大の最先頭で闘う方針だ。特にJR貨物とCTS(千葉鉄道サービス)での闘いに総力を傾けるとしている。動労千葉の春闘方針の第一は、外注化阻止・非正規職撤廃へ総決起し、正規職と非正規職の分断をのりこえる新たな団結をつくり出すことだ。
第二は、大量退職を逆手に取った組織破壊攻撃と闘いぬき、65歳まで働ける労働条件を確立することだ。
第三は、国鉄1047名解雇撤回をJRに迫る新たな署名運動に全力で立ち上がることだ。
第四は、3月26日実施予定のダイヤ改定阻止へ、反合・運転保安闘争に立ち上がることだ。新自由主義は労働者の団結をバラバラに分断し、事故を続発させた。分断を打ち破り、共同性を取り戻してこそ安全は確保できる。反合・運転保安闘争は労働者の共同性を奪還する闘いだ。
第五は、戦争・改憲と労働法制大改悪阻止、安倍政権打倒の闘いに立つことだ。昨年9月、安倍政権は戦争法を押し通し、労働者派遣法の全面改悪も強行した。労働基準法の全面改悪―「残業代ゼロ法案」はいつでも強行できる情勢に入っている。さらに「金銭解雇制」の導入が狙われている。これらは歴史を根本から転換させる大攻撃だ。
大幅賃上げへ貨物とCTSを軸に闘おう
16春闘はJR貨物が大焦点になる。JR貨物では55歳から基本給が3割カットされる。これは、韓国・民主労総が闘いのテーマとしている「賃金ピーク制」そのものだ。日本では、こうした攻撃が国鉄分割・民営化以来30年も、体制内労組の協力によって続いてきたのだ。国鉄分割・民営化の矛盾はJR貨物に集中している。JR貨物は6年連続してベアゼロだ。福利厚生は全面的に切り捨てられ、昨年3月には祝日手当などが廃止された。重労働が強制され、機関士への締め付けや事故の責任を労働者に転嫁する攻撃が激化している。
ベアゼロに協力してきたJR総連・日本貨物鉄道労組を打倒し、大幅賃上げをかちとろう。55歳での基本給3割カットを許さず、65歳まで働ける労働条件をかちとろう。労働者への事故の責任転嫁を許さず、反合・運転保安闘争に立とう。
動労千葉の16春闘のもうひとつの焦点は、CTSでの闘いだ。
CTS清掃部門のある職場では、賃金が安いため労働者が辞めてしまい、人員はこの2年で14人も減った。しかし資本は「募集しても人が集まらない」と責任を放棄している。別の職場では、辞める人が多くて夜勤が8人から5人になったが、CTS社長はそれを「経費削減に貢献した」と「表彰」した。これに対し、現場労働者は「ふざけるな」と怒りをぶつけた。さらに別の職場では、要員不足で5日連続夜勤(!)が当たり前のようになっている。「人を増やさなければ体が壊れてしまう」と怒りの声が上がっている。
CTSでは、「徹夜勤務に入ってくれ」「夜勤に入ってくれ」と勤務指定を急に変更することが横行している。一方的な勤務指定の変更を労働者が拒否できないのは、契約社員・パート・アルバイト・委託社員と分断され、声を上げれば雇い止めにされるからだ。同時に、超低賃金だから体を壊しても夜勤に応じざるを得ない現実がある。
CTSに対し「生きていけるだけの賃金をよこせ! 必要な人員をよこせ!」と闘うことは、労働者の命と生活を守りぬく死活的な闘いだ。
反合運転保安闘争で外注化攻撃粉砕する
JR北海道は全面的に破綻した。昨年6月、北海道知事や北海道商工会議所連合会会頭らで構成される「JR北海道再生推進会議」は、全線区の8割の廃止を促す提言をJR北海道に出した。この提言は「今日のJR北海道の姿は明日のJR全体の姿である」と言っている。つまり、国鉄分割・民営化体制そのものが破綻したということだ。この提言に基づき、JR北海道は留萌線の廃止や駅の廃止に次々と踏み込んでいる。地方破壊の先頭に立っているのがJR資本だ。JR東日本でも安全の根本的な崩壊が突き出された。財界の雑誌『選択』1月号ですら、JR東日本の現実を「経営陣に染みついた安全軽視思想はもはや致命的」「今のJR東は移行期にして、最も危険な状況」「国内の安全を度外視し、海外進出に邁進(まいしん)するJR東は、いつ大惨事を起こしても不思議ではない」と言わざるを得ないほどだ。
JR東日本の社内誌『JRひがし』1月号で、社長の冨田哲郎は「本年は、『安全・安定輸送』のレベルアップを最重点に、いま一度、足元を固める。直面する『変化点』に対応する」と言う。冨田は「変化点」として、①大量退職時代に入り技術の継承ができていない、②外注化により相互の連絡がとれない、③技術革新に対する現場の立ち遅れ——の3点を挙げ、それが事故の原因だと述べている。外注化が事故の原因だと認めざるを得ないのだ。
JR東日本では山手線・神田―秋葉原間の電化柱倒壊を始め大事故が続発し、秋葉原駅などの大ターミナル駅の全面外注化は中止に追い込まれた。だから冨田は、全面外注化を強行するために安全問題を言い立てているのだ。だが、事故の根本原因は外注化にある。今こそ外注化阻止・非正規職撤廃を掲げ、反合・運転保安闘争に立とう。
動労総連合は昨年12月の大会で、今年1年で3桁の組織拡大を実現すると決定した。その先頭で動労千葉は組織拡大決戦に突入している。
「資本との闘いなくして組織拡大なし」「反合・運転保安闘争なくして組織拡大なし」「すべてを組織拡大の立場から」の3点が動労千葉の組織拡大闘争の原則だ。同時に動労千葉は、「義理と人情」つまり労働者の日常的な団結を何より大事にしている。これはすべての産別・職場で通用する普遍的なものだ。
ストライキで16春闘に立つ動労千葉に続き、職場で資本と闘いぬいて、階級的労働運動派の組織拡大をかちとろう。党と労働組合の一体的建設をさらに前進させよう。