米日韓の核臨戦態勢許すな 北朝鮮ミサイル実験えじきに

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週刊『前進』04頁(2723号01面02)(2016/02/15)


米日韓の核臨戦態勢許すな
 北朝鮮ミサイル実験えじきに

(写真 核空母ジョン・C・ステニス  )


 2月7日朝、北朝鮮スターリン主義は当初の発射通告期間を前倒しして「人工衛星」と称する長距離弾道ミサイルの発射実験を強行した。キムジョンウンは国連安保理決議に抵触したとされ制裁を強化されることを避けるために「人工衛星」と称しているが、1月6日の核実験と併せれば、これがミサイル技術を利用した核開発であることは明白である。キムジョンウンは「核保有国」としての北朝鮮の立場を内外に誇示することでスターリン主義体制の延命を図ろうとしているのだ。
 だが、この核実験とミサイル発射が国際帝国主義による朝鮮侵略戦争の超切迫情勢を加速させ、またキムジョンウン体制自身の崩壊的危機を促進することは確実である。米帝は、北朝鮮キムジョンウン体制の転覆をねらって圧迫と包囲を強め、核戦争の臨戦態勢づくりを進めている。北朝鮮を一瞬にして壊滅させる作戦計画「5015」を昨年策定した。キムジョンウンは、すでに100人に及ぶ側近を処刑・粛清せざるをえないほど政治的孤立を深め、深刻な経済破綻も加わって末期的な危機に陥っている。だからこそ反人民的な瀬戸際政策をとるのである。
 北朝鮮キムジョンウンのミサイル発射に対して日帝・安倍は、直ちに国家安全保障会議(NSC)を開催し、北朝鮮を非難、自衛隊や自治体に指示を出した。米帝は「自国と同盟国を守るためにはどんな手段も辞さない」と表明した。

最大規模の米韓合同軍事演習へ

 日帝・安倍は、1月29日に発令を明らかにした「弾道ミサイルへの破壊措置命令」を8日夕方に解除した。ミサイル発射に備えて海自は海上配備型迎撃ミサイル(SM3)を搭載したイージス艦3隻を配備、陸自は地対空誘導弾パトリオット(PAC3)を石垣島、宮古島など全国に配備した。しかも対中国、対ロシアの2正面をにらむ空自戦闘機の緊急発進(スクランブル)態勢をとった。さらに自治体に臨戦・動員態勢を命じた。
 米韓両政府は2月7日、米国の高高度迎撃ミサイルシステム「THAAD(サード)」の韓国内配備について正式協議に入った。さらに韓国国防省は「最先端で最大規模の」米韓合同軍事演習を3月7日から4月30日まで実施することを明らかにした。米軍はすでに戦略爆撃機や原子力空母を東アジアに展開させている。韓国軍も北朝鮮に対する大型拡声機による軍事宣伝放送の運用時間の拡大などの対抗措置を講じる方針だ。
 米海軍の原子力空母「ロナルド・レーガン」と「ジョン・C・ステニス」の2空母打撃群が米韓合同軍事演習に参加する。ジョン・C・ステニスは1月15日に米西海岸を出港し、横須賀基地を拠点とする米海軍第7艦隊が管轄する西太平洋に2月4日入った。ステニスは4隻の駆逐艦と巡洋艦を伴いF18など約90機を搭載している。ロナルド・レーガンも同水準だ。一つの空母打撃群で一国の海軍力と空軍力を併せ持つほどの威力だ。
 米空軍は1月6日の北朝鮮核実験に対し、10日に核兵器も搭載できるB52戦略爆撃機を韓国上空に飛行させた。1月20〜22日には「世界最強」といわれるF22戦闘機14機を在日米軍司令部のある米空軍横田基地に米国から飛来させた。
 また米海軍の駆逐艦「カーティス・ウィルバー」が1月30日に南中国海の西沙諸島(パラセル諸島)トリトン島で「航行の自由作戦」を実施している。対中国のみならず対北朝鮮の臨戦態勢をとっているのだ。
 2月4日には韓国軍が大規模な海上射撃訓練を実施した。
 パククネ韓国大統領は「国家防衛が危機に直面している時にストライキなど許されない」とわめき、民主労総への弾圧を激化させている。だが民主労総は一層強力なゼネストと労働者階級人民の組織化へ宣伝戦を進めている。3・1独立運動記念日には「少女像を守る」大規模闘争が予定されている。韓国労働者人民は4月の韓国総選挙とゼネストでパククネを打倒しようと闘っている。
 こうした朝鮮侵略戦争切迫情勢下で2・14国鉄集会は日韓労働者階級の反戦の国際連帯としてかちとられた。朝鮮侵略戦争と改憲を狙う安倍を打倒するため、国鉄・春闘決戦と7月選挙闘争の勝利へ突き進もう。

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