反原発3・11福島行動を 戦争・再稼働と対決し郡山へ 福島からの訴え①

週刊『前進』02頁(2722号01面01)(2016/02/11)


反原発3・11福島行動を
 戦争・再稼働と対決し郡山へ
 福島からの訴え①

(写真 1100人が参加した昨年の3・11反原発福島行動'15のデモ行進【郡山市】)


 3・11反原発福島行動16が郡山市の開成山公園・野外音楽堂で開催される。福島の声を踏みにじり、戦争・改憲と原発再稼働を進める安倍政権を、労働者人民の力で打ち倒す時だ。2・14国鉄集会の大成功をかちとり、その力で全国から3・11郡山に大結集しよう。呼びかけ人の方々からの熱烈なアピールを、今号から4回にわたり掲載します。(聞き手・編集局)

外注化・被曝労働許さない
 実行委員長・動労福島委員長/郡山市 橋本光一さん

 ----3・11反原発福島行動16を呼びかけた思いを聞かせてください。
 福島ではすべてがうそだらけです。報道は「復興」「安全・安心」キャンペーン一色。日本共産党も「安全だ。大丈夫だ」と言い始めている。
 実際には復興どころじゃない。汚染水も線量が上がっているし、恒常的に粉じんや食べ物で内部被曝させられている。小児甲状腺がんもどんどん増えている。そうした事実を知らせられない。
 3・11反原発福島行動16は、3月11日当日に声を上げる唯一の闘いです。原発をとめ再稼働を阻止する闘いだし、安倍政権の戦争政治と正面から対決する闘い。県民にも全国の人たちにも警笛を鳴らし続ける、大きな意義があります。
 地元で街宣をやると、今も「頑張って」と声をかけてくれる人がたくさんいる。闘いを求める多くの人たちの思いに応えて3・11を闘いたい。
 -----昨年9月10日に動労福島を旗揚げして5カ月ですね。
 俺自身、結成するまでは不安もありました。だけど団結を求めて腹を割って仲間と話し合い一緒に闘う、その繰り返しでようやく立ち上げることができました。

結成した解放感

 脱退して初めて、国労にいた間どれほどタガをはめられていたのかがよくわかった。動労福島をつくったらこんなに生き生き闘えるのかと、ものすごく解放されました。
 よく「労働者を信じよう」と言います。労働者は本来、ものすごく解放的で活動的で、積極的。腐った幹部の抑圧を突き破ったら無限のエネルギーが解き放たれるということを、自分の経験をとおして痛感しています。
 郡工(ぐんこう=JR郡山総合車両センター。国鉄時代の郡山工場の名称で呼ばれる)の門前ビラへの労働者の注目や反響はすごい。『前進』を配る時もあります。ほとんどの人が受け取ったビラを捨てずに持ち帰っている。職場の労働者に向き合って格闘する土台ができたと思っています。
 当局は俺の職場である車体科2組を3月31日に外注化すると提案してきた。車両のドアを整備する、いわゆる「艤装(ぎそう)屋」。家屋で言えば障子やふすまを扱う建具屋みたいな仕事です。「こっちを削ったらあっちがどうなる」みたいな、経験の蓄積と勘で成り立つ仕事です。
 郡山工場は全国の工場の中でも扱う車両の種類が多い。電車も気動車も改造車も扱う。検査周期も違うから、全車両を見るには4年ぐらいかかる。部品の数もすごく多いし、検査方法も全般検査、要部検査、車体保全、装置保全、指定保全と何種類もある。全般検査の時に外す機械、要部検査の時に外す機械、みな違う。
 外注先であるJRテクノロジー&メンテナンス(JRTM)は昨年10月から、直雇いのプロパーに仕事を教え始めた。しかし5カ月で覚えられるような仕事じゃない。しかも見た経験のない車両が次々入ってくる。
 同僚はみな、「ふざけるな。俺たちの仕事はそんな軽いもんじゃない」「4月以降、事故が多発することは目に見えている」と腹を立てている。だけど「組合はあてにならない」というあきらめもある。国労は「少数組合だから何もできない」と言い訳ばかり。東労組は団交で「安全が確保されれば外注化を認めるけど、確保されてない」と言うだけで、外注化を止めようとしない。

ストで闘おう!

 ----動労福島がどう闘うのかが問われますね。
 そこに郡工の労働者が注目しています。現場の実力闘争、ストライキこそ力です。「動労福島に入って一緒にストライキをやろう」と正面から訴える。職場の仲間を信頼して「鉄道労働者の誇りにかけ、鉄道の安全にかけて、人生をかけて闘おう」と格闘するのが、俺の「3・11」です。
 これは動労福島をつくったからこそできる闘いです。みんな一緒に本気で立ち向かえば、会社が恐れることが必ず起きる。結成半年で絶好の時を迎えたと思います。

職場から結集を

 郡工では昨年夏にようやく除染が始まった。土を5㌢はがし、コンクリートを少し削ったけど、汚染物質を入れたフレコンバッグが200個ぐらい、工場内に置きっぱなし。毎時3〜4㍃シーベルトある袋もあります。
 工場は入ってきた車両を洗浄し、部品を交換して組み立て直すから、出ていく時に車両の放射線量は下がるはず。それが逆に上がる。中通りや常磐線を走っていっぱいほこりをつけた車両が入ってきて、工場のいたるところに放射能まみれの粉じんがある。それが付いて線量が上がるんです。
 工場の空間線量は平均で毎時0 ・3㍃シーベルト。それを毎日がんがん吸っている。同僚は「俺たちみんな、年取ったら肺がんだ。長生きしないな」と言っている。被曝労働と闘う労働組合の存在が死活的です。
 動労福島は郡工から外注化阻止と被曝労働拒否で全力で闘いぬいて、3・11に職場の仲間と参加します。全国のみなさん。3月11日、郡山に集まってください。

福島の今 全国に伝えたい
 全国農民会議共同代表/本宮市 鈴木光一郎さん

再稼働弾劾する

 ----安倍政権が原発再稼働を推進しています。
 1月29日、福井県の関西電力・高浜原発が再稼働を強行しました。高浜原発3号機は、使用済み核燃料を再利用してつくるウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料を使用する「プルサーマル発電」を実施するというものです。
 あの事故で今も苦しめられているわれわれの傷口に塩を塗るようなことだ。許してはならない。心から弾劾します。
 そして1月5日、東京電力の広瀬直己社長は、泉田裕彦新潟県知事のところに行って、恥知らずにも「柏崎刈羽原発の再稼働をさせてくれ」と言った。とんでもない話です。知事がこれを拒否したのはまったく当然です。
 3・11福島原発事故の教訓がまったく生かされていない! 誰も責任を取らない! 大資本は相変わらず金もうけのことしか考えていない! 
 あの事故によって今、10万人の人が県の内外に避難しています。浜通りの南相馬や双葉郡や飯舘村の人たちは、帰りたくても帰れない。家族を引き裂かれ、ふるさとを奪われることがどれほどつらいことか。私は中通りで農業を営むものとして、連帯を続けていかねばと思います。
 福島県は7割が山林です。線量の上がり下がりは日々不安定に動いています。公立の小中学校では線量が下がったとして校庭での授業がされるようになったのですが、通学路の途中にはまだまだ高いところがたくさんあります。
 環境省は昨年12月、福島県内の除染作業について、「日常的に人が立ち入らない大部分の森林は除染を行わない」という方針を示しました。これは物理的に無理だからというのではなく、〝金がかかるからやらない〟ということなんです。ある試算では山林をすべて除染したら2兆円かかるという。
 その一方「最後は金目でしょう」(14年6月の石原伸晃環境相発言)と言い、福島の怒りの声を「金の問題」にしようとする。怒りに堪えない!
 私は福島の原発の現状を全国のみなさんに伝え、〝原発再稼働は地獄への道である、原発は即廃止に着手しなければならない〟と声を大にして訴えたい。それこそが私のミッションだ、という使命感があります。

組織として声を

 ----3・11行動に向けた意気込みをお聞かせください。
 原発事故は収束もしてないし、コントロールされてもいません。安全だ、安心しろ、帰還しろと言われて、誰がそれを信じますか。収束作業は困難を極めています。
 『前進』は他紙に先駆けて、第一原発収束作業の汚染水の問題で、凍土壁のやり方が破産していることを暴露していました。とても重要です。
 安倍政権は、しきりにオリンピック開催ムードを盛り上げようとしていますが、要するに原発事故隠しのオリンピックなんですよ。福島第一原発から20㌔の距離に位置し、現在は東電の事故対処の拠点になっている「Jヴィレッジ」を、東京オリンピックでサッカー日本代表のために活用しようとしている。許してはならないことです。
 原発の情報が正しく伝えられていない。ならば、私たち自身がそれをしなければなりません。
 1月30〜31日、全国農民会議は第4回総会を開いて、大成功をかちとりました。「原発絶対反対、TPP反対、三里塚連帯・空港絶対反対」の基本路線を再確認し、この絶対性を貫くことで、戦争に進む安倍政権に対し断固として立ち向かうことを宣言しました。あらためて、この全国農民会議をつくってよかった、と実感します。
 いかに福島の声を封殺しようとしても、それはできない。われわれはもう個人ではなく組織です。今、組織的に声を上げることが重要です。動労千葉、動労水戸という組織的な断固たる決起があって、それが正しく民衆に情報として伝わること。その迫真性こそが共感をもって民衆に受け入れられると思うんです。
 福島へのご支援に感謝しながら、これからもぜひ福島の声に耳を傾けていただきたい。3・11郡山に結集し、すべての原発をなくすために、そして安倍政権打倒へ向け、ともに闘いましょう。

このエントリーをはてなブックマークに追加