新たな解雇撤回闘争を宣言し 外注化・非正規化粉砕の春闘へ 2・14国鉄集会に総結集を訴える

週刊『前進』04頁(2715号02面01)(2016/01/18)


新たな解雇撤回闘争を宣言し
 外注化・非正規化粉砕の春闘へ
 2・14国鉄集会に総結集を訴える


 国鉄分割・民営化による不当解雇から29年の2月14日、国鉄闘争全国運動が主催する東京・すみだ産業会館での集会を始め、全国各地で国鉄集会が開かれる。これは国鉄分割・民営化に最後的な決着をつける新たな闘いへの突入を宣言する歴史的な集会だ。ここへの大結集をつくり出し、16春闘に突き進もう。

JRへの採用求める大署名運動進めよう

 2・14国鉄集会の第一の課題は、昨年の6・30最高裁上告棄却決定を打ち破り、動労千葉を先頭に新たな1047名解雇撤回大署名運動の開始を宣言することである。この大署名運動を推進軸に、国鉄闘争全国運動の新たな発展・拡大と動労総連合の拡大をかちとろう。
 昨年6月30日、最高裁は、動労千葉の組合員らをJR不採用とした不採用基準を、「国鉄分割・民営化に反対する姿勢を示していた労働組合に属する職員を、このような労働組合に所属していること自体を理由として、差別して不利益に取り扱う目的、動機(不当労働行為意思)のもとに」策定されたと認定した。不採用基準は不当労働行為と確定したのだ。
 不採用基準の策定には、当時、経団連会長・新日鉄会長でJR設立委員長だった斎藤英四郎が関与し、具体的な作成は葛西敬之(現JR東海名誉会長)が行った。この事実は、「国鉄改革前後の労務政策の内幕」と題する文書で、当時、国鉄幹部で後にJR西日本会長となった井手正敬自身が明らかにしている。この決定的な事実から、最高裁は目をそらした。
 だが、この事実により、JRには解雇された労働者を採用する法的義務があることがはっきりした。国鉄改革法23条5項には「設立委員がした行為は承継法人(JR)がした行為とする」とある。JR設立委員が不採用基準作成にかかわった以上、不当労働行為の責任はJRに及ぶ。
 この最高裁決定は、動労千葉だけでなく1047名全体の問題だ。JR東日本、JR北海道、JR九州などすべてのJRに対して「解雇を撤回し87年にさかのぼって採用せよ」と団交を要求し、国鉄改革法粉砕・1047名解雇撤回の新たな闘いに打って出よう。
 2・14国鉄集会の第二の課題は、JRの第2の分割・民営化と闘い、外注化阻止・非正規職撤廃、被曝労働拒否、反合理化・運転保安闘争を闘い、それを全産別・全戦線に拡大・発展させることである。
 第2の分割・民営化の背後には分割・民営化体制の破綻・崩壊がある。

第2の分割・民営化と全面対決する闘い

 JR貨物や北海道、四国、九州の経営破綻は隠しようもない。政府自身が「上下分離方式」を打ち出しているように、民営化の枠組みそのものが破綻している。外注化による雇用と安全の崩壊はとどまるところがなく、鉄道の海外展開も危機に直面している。
 第2の分割・民営化は、JRという一企業の経営戦略というだけでなく、国家戦略として強行されている。「896都市消滅」情勢が第2の分割・民営化によって一気に加速している。「選択と集中」の名のもとに、JR全体でローカル線切り捨てが進んでいる。JR北海道再生推進会議は、昨年6月の「JR北海道再生のための提言書」で「(JR北海道の問題は)近い将来、日本全体が直面する困難の先行事例」と言った。この提言に基づいてJR北海道が立て続けに打ち出している線区や駅、列車、業務の廃止、全面的な廃線化こそが、明日のJR全体の姿だと言うのだ。
 第2の分割・民営化攻撃の核心は国鉄労働運動解体攻撃であり、その具体的手法は「外注革命」と称する全面外注化だ。JR東日本は鉄道業務のすべてを外注化することに踏み切っている。現在、駅の外注化が進んでいるが、次は車掌や運転士にまで行き着くのだ。
 外注化の最大の攻撃は転籍だ。労働者は分断され団結は破壊される。非正規職化で賃金は徹底的に切り下げられる。そして安全は崩壊する。
 動労千葉の昨年10・1ストライキは、分断攻撃を打ち破って闘えば外注化は粉砕できることを教えてくれた。反合・運転保安闘争で外注化を阻止しよう。
 動労水戸の被曝労働拒否闘争は、階級的労働運動の前進で原発再稼働阻止の展望を切り開く、労働運動史上かつてない画期的な闘いだ。

戦争・改憲と労働法改悪の粉砕がテーマ

 2・14国鉄集会の第三の課題は、戦争・改憲と労働法大改悪に立ち向かう、国鉄闘争を軸とした階級的労働運動の前進をかちとることである。
 16年は、三たび世界戦争が切迫する激動の年になろうとしている。退路を断って戦争絶対反対・朝鮮侵略戦争阻止・改憲反対の階級的労働運動の巨大な前進をかちとらなければならない。ゼネストで戦争をなんとしても阻もう。
 安保戦争法とともに昨秋、強行された労働者派遣法の全面改悪は、マスコミも「(派遣法制定の)85年以来の大転換」と言う大攻撃である。85年の派遣法制定と87年の国鉄分割・民営化をもって現在の総非正規職化の攻撃が始まった。95年の日経連(現経団連)報告は、90%の非正規職化を打ち出すとともに「雇用ポートフォリオ」の名で外注化を提唱した。
 これまでの派遣法は、派遣労働を26業務(制定時は13業務)に限定し、派遣労働を「例外的」なものと位置づけていた。しかし今回の改悪で、全業務を派遣に置き換えることが可能になった。すなわち総非正規職化―「正社員ゼロ」時代への突入である。
 派遣労働では、雇用関係と使用関係は分離している。資本は「雇用なしで労働者を使用できる」のだ。これは労働者分断の極致というべきものであり、組合的団結を破壊する大攻撃である。
 派遣労働は、明治時代の日本資本主義の成立期における「女工哀史」や、「蟹工船」の時代のような極限的過重労働の強制を可能にする。経団連は「工場法以前に戻す」と唱えたが、工場法は1911年に制定され、年少者と女性の1日の労働時間を12時間に制限した。その制限すら取り払えば、どうなるのか。今日の人材派遣業は、明治時代に「人身売買の仲介業」「募集人」と呼ばれ、奴隷労働を強制したものとまったく同じ存在になりつつある。
 まさに派遣法の大改悪は、ロシア革命以来100年の歴史を覆す労資関係の大転換である。さらに今通常国会で、労働基準法解体・8時間労働制解体の「残業代ゼロ法」が強行されようとしている。解雇の金銭解決制度=解雇自由法も狙われている。この攻撃に屈服・協力する連合・全労連指導部を打ち破り、職場から闘いを巻き起こそう。

国際連帯強め動労総連合の圧倒的拡大を

 2・14国鉄集会の第四の課題は、労働者国際連帯の一層の発展をかちとることである。韓国・民主労総は労働法大改悪にゼネストで闘いぬいている。パククネ打倒に突き進むその闘いは、何よりも朝鮮半島での戦争を阻む闘いだ。民主労総と連帯し、日本でゼネストを実現してこそ戦争を阻止できる。
 2・14国鉄集会の第五の課題は、16春闘を全力で闘い、動労総連合建設・組織拡大をかちとることである。16春闘は貧困・格差と立ち向かう「生きさせろ」春闘であり、非正規職撤廃闘争そのものである。そして何よりも組織拡大闘争だ。動労千葉・動労水戸を先頭に春闘を闘い、組織拡大を実現しよう。
 動労総連合が12月の定期大会で決定した「3けたの組織拡大」を、この1年で絶対にかちとろう。動労総連合の組織拡大と7月選挙決戦はまさに一体だ。国鉄・7月選挙決戦で安倍を打倒しよう。2・14国鉄集会に全力で決起しよう。

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