ライフサイクル阻止へ 動労水戸が第1波スト 〝運転士の仕事をなめるな〟
週刊『前進』12頁(2712号06面01)(2016/01/01)
ライフサイクル阻止へ
動労水戸が第1波スト
〝運転士の仕事をなめるな〟
(写真 ストに立った會澤さん【左から2人目】を先頭に大子運輸科前でJRと東労組への怒りをたたきつけた【12月18日】)
なんの根拠もない強制配転
12月18日、動労水戸は青年運転士の會澤憲一組合員に対する「ライフサイクルの深度化」施策による駅への強制配転を阻止するため第1波ストに決起した。午後3時に水郡線大子(だいご)運輸科前に組合員が結集し、JR東日本水戸支社に対し、會澤組合員への駅強制配転の発令を断固として許さない意思を突きつけると同時に、ライフサイクル廃止の闘いへの決起を職場の仲間に熱烈に訴えた。
JR東日本は関東7支社の平成採(国鉄分割・民営化後のJR採用社員)の運転士全員に、40歳までに3年間の駅勤務を強制する「ライフサイクルの深度化」施策を強いている。これは、定年退職した労働者の穴を埋め、さらには駅業務の全面外注化の過程で、現時点では外注会社に委託できない駅輸送職を運転士で一時的に穴埋めするための施策だ。
だからこそライフサイクル廃止の闘いは、JRが狙う駅・運転士・車掌まで含めた全面外注化攻撃を破綻に追い込む決戦でもある。
他方、JR東労組は青年労働者への統制支配と会社との結託体制の維持のための道具として、ライフサイクル強制配転に一貫して積極加担してきた。
仕事への責任感と誇りを持って働き、運転技術を磨いてきた青年労働者は、3年間も運転業務を奪われることによる技術維持の困難さや、勤務地変更や収入減(月額手取りで15~20%の減収!)による生活と人生の破壊に対して、心底怒っている。動労水戸はライフサイクル強制配転に対する青年労働者の怒りを共有し、当該組合員が最先頭に立って闘うことによって職場に分岐をつくっている。
この間の水戸支社との団交の中でも、ライフサイクルの破綻とデタラメさが一層明らかになっている。これまで会社は「ライフサイクルは『運輸のプロ』を育てるため」などと言ってきたが、具体的な成果について回答することができない。また、駅への配転の業務上の必要性についてもまったく答えられないありさまなのだ。
そもそもライフサイクル強制配転の根拠自体が最初からペテンだ。就業規則や労使協定すら存在しない、ただ東労組とJRとの「覚書」があるのみだ。こんなもので青年労働者の人生が破壊されることなど断じて認められない!
職場の門前で熱くアピール
ストに決起した會澤組合員は職場の門前に立ち、次のように会社と東労組幹部に対する弾劾をたたきつけた。「間違ったことに対して誰も反対の声を上げなければ業務も職場もだめになります。東労組の年配者は『俺たちも昔、運転士になる前に民間企業に出向したんだから』とライフサイクルを正当化していますが、青年の怒りをまったく理解していない。駅に行けば3年間もハンドルを奪われるんですよ。 運転士の仕事は毎日同じことの繰り返しではありません。経験がものをいう仕事です。3年も乗務しなければ誰だって技術力は落ちます。本当に、『運転士の仕事をなめるな!』と言いたい」
さらに、「会社幹部にとって運転士など『腰かけ職場』かもしれませんが、多くの青年が鉄道の安全を守るために真剣に頑張っています。動労水戸への結集こそがライフサイクルを破綻に追い込みます。私たちの職場であるこの大子から闘いを開始し、関東7支社すべてのライフサイクルを廃止しよう」と職場の仲間に向けて渾身(こんしん)の訴えを行った。
動労水戸・動労総連合は、青年労働者の怒りと一体となって「ライフサイクルの深度化」施策を廃止するために闘う。
すべてのJR青年労働者は動労総連合に結集し、ライフサイクル強制配転を粉砕しよう!
(動労水戸書記・西納岳史)