三里塚一斉行動 〝第3滑走路許さない〟 住民の怒り引き出す
三里塚一斉行動
〝第3滑走路許さない〟
住民の怒り引き出す
12月12日、三里塚芝山連合空港反対同盟と支援連は、32回を数える成田空港周辺地域での一斉行動に立ち上がった。朝8時30分に天神峰の市東孝雄さん宅離れに集合し、反対同盟ニュース第27号の折り作業をしながら打ち合わせを行うところから一日が始まった。
三里塚をめぐる情勢は激しく動いている。11月27日に国土交通省、NAA、千葉県、地元9市町からなる「4者協議会」が開かれ、第3滑走路計画について「芝山―多古案」推進を決め、マスコミに大々的に報じさせた。支援連は当日、成田市役所周囲での弾劾闘争に立ち上がった。
沖縄タイムスは、辺野古代執行裁判第1回弁論を前にした12月1日付の社会面で、農地を守り沖縄と連帯する市東さんの闘いと農地法裁判の経過を大きく報じた。
今回の一斉行動はこうした情勢と向かい合いながら、2015年を締めくくる現地闘争として行われた。朝の打ち合わせがすむと、全員が担当地域へと飛び出した。
伊藤信晴さんは、第3滑走路の「有力候補地」に決めつけられた芝山町を精力的に回り、対話・討論した。計画を進める元反対同盟の石毛博道、相川勝重(芝山町長)への怒りは、住民の中にあまねく広がっている。騒音被害と過疎化に忍耐を強いられてきたが、「これを許せば廃村だ」「今度は許さない」という住民の声があちこちで上がっている。
宮本麻子さんは、空港東側の川上地区を回り、第3滑走路反対の声を集めた。
第3滑走路新設と一体で現在の 滑走路の1千㍍北延伸もたくらまれている。空港の北に位置する成田市西大須賀地区は厳しい騒音にさらされることになるが、行政側からの具体的な説明などは一切なし。そうした中で4者協議会の報道がマスコミで大きくなされ、今にも工事が始まるかのような雰囲気が地域を覆っていたが、反対同盟ニュースが配られると住民の不安は行政への怒りに変わり、さらに詳しい情報が望まれ、闘いへの期待が伝わってきた。
多古町の菅沢英毅町長は4者協議会で、空港の深夜飛行禁止時間の緩和を積極的に提案し、「住民もその必要性はよく理解している」と発言した。とんでもない大うそだ! 第3滑走路で多古町も移転と騒音の地域破壊に追い込まれる。ここでも訪ねる先々でニュースが威力を発揮し、町長への怒りをかきたてた。
夕方に再び市東さん宅に集まりこの日の行動を集約し、署名数が全体で9700筆を超し、年内目標の1万筆に近づいたことを確認した。
日が暮れてからは、年末恒例の反対同盟の団結忘年会が開かれた。太郎良陽一さんの音頭で盛大に乾杯し、市東さんと萩原富夫さんがあいさつを述べ、1年の激闘をねぎらった。支援連の仲間も一人ひとりが飾らない言葉で抱負や決意を語り、全員で大いに食べ飲み、カラオケを楽しみ、明日への英気を養った。